【お詫び】
基本再生産数（Ro）の理解が根本的に誤っていました。
Roは、任意の時点の実効再生産数を初期条件として未来を予測する者ではなく、厳密に「誰も感染していない集団で感染が始まった時点での『一人の感染者が何人に感染させるか？』」と定義されているようです。
従って、下記は大きな間違いを含んでいますのでご注意ください。
日本での「基本再生産数」については、改めて次の日記で考察しています。（2020.5.24加筆）
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新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」（2020年5月1日）
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000627254.pdf
【図3】全国の日別推定感染者数棒グラフ ＆ 実効再生産数グラフ
によると、感染者数のピークは、3月28日。
実効再生産数が1未満となったのは4月1日。
非常事態宣言が出されたのが、4月7日。
また、グラフを見ると、5月4日の時点で下記が判明している。
１．4月7日以降の感染者数減少率（棒グラフの負の傾き）は、3月28日〜4月7日のものと変化ない。
２．4月4日以降、実効再生産数は0.8程度を維持している。
グラフの作成者である「8割おじさん」西浦先生は、実行再生産数と「対人接触8割減が必要」とする主張の根拠を下記の不等式に置いている。
Rt＝（1−p）Ro＜1 ・・・��
Rt：実行再生産数
Ro：再生産数の初期条件
ｐ：対人接触削減率
西浦先生は、ドイツで先駆けて計算されていた再生産数をそのまま借用し、
Ro＝2.5 ・・・��
と定数を定めた。これにより、�，蓮�下記のようになった。
Rt＝（1−p）× 2.5＜1 ・・・��'
これより、
ｐ＝0.6（6割減）のとき、Rt＝１
ｐ＝0.7（7割減）のとき、Rt＝0.75＜１
ｐ＝0.8（8割減）のとき、Rt＝0.5＜１
これを根拠に「8割、最低でも7割接触削減が必要」という主張を導き出したと思われる。
ところが、5月4日の時点で、4月6日現在でのRtが0.8であることが判明しているので、これを初期条件として未来を予測すると�，蓮�
Rt＝（1−p）× 0.8＜1 ・・・��''
これにより、
ｐ＝0でもRt＝0.8＜１
つまり、非常事態宣言前の対人接触のままでも感染が収束していく未来が見えていたことになる。
それなのに、「思ったほど効果が出ていない（西浦教授）」という評価をもとに、非常事態宣言の延長が決められてしまった。
西浦先生の「思っていた効果」とは、4月7日以前の感染者数減少率よりも、4月7日以降の方が圧倒的に急速な減少率を示すことを期待したのだろう。
しかし、結果的には5月4日時点で、「禁急事態宣言」の効果がなかった、ということが立証されていたということになる。
5月4日時点で、��' を��'' に変更しなかった行為は、返す返すも「犯罪的」と言わざるを得ない。
本当に緊急事態宣言や外出自粛、さらには登山自粛が必要だったのか？ということですね。参考になります。
ところで、３行目のリンク先は厚労省のホームページかと思いますが、pdfが削除されているようです…。
ご忠告ありがとうございます。
確かに削除されていますね。朝にはみられたのに・・・
厚労省のHPから改めて探っていきました。下記が変更後のURLです。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000627254.pdf
本文の方も修正しておきます。
ALFAROMEOさん、改めてのリンク先の提示ありがとうございます。
5/1の専門家会議の『…状況分析・提言』をひととおり読みました。
『…状況分析・提言』の10ページ目の最初に、
「現在、緊急事態宣言下において、外出自粛や特定の業種の営業自粛等、前例のない対策が講じられており、これにより、我が国の新規感染者数は総じて減少傾向に転じたと判断されている。」
と書かれていますが、この分析は誤っていますね。
『…状況分析・提言』３ページの【図3】に基づいてALFAROMEOさんが指摘するように、�ヾ鏡�者数のピークは3/28であり、�■慧塢楔�に緊急事態宣言が出された4/7以降の感染者数減少率は3/28〜4/7のものと変化ありませんから、緊急事態宣言による効果は証明できず、感染者数の減少に転じた理由は緊急事態宣言やそれに伴って講じられた対策ではなく他のところにある、と考えるのが自然ですね。
この「ヒトとヒトとの接触を避ければ感染が減る」という発想は、飛沫感染と空気感染のような「個体の接近」でリスクが生じる感染経路を念頭に置いたものです。
しかし、COVID-19の感染形態は圧倒的に接触感染であって、ヒトとヒトの接近などなくても感染していく、ということなのだと考えられます。
感染者が自分の鼻汁、唾液（くしゃみ・咳を含む）を自分の手で受けて、その手で諸々の公共材に触ることで感染が広がっていった、ということなのでしょう。
この感染者が自分の鼻汁、唾液をつけたところに、時間をおいて他の人が手を添えることで、接触感染が成立していきます。
この場合、最初の病原体をつけた人とそれを拾った人は、まったく時間的に接触などしていないのです。
というわけで、接触感染が圧倒的に大多数である場合、「３密を避けろ」とか「接触を8割減らせ」とかが、あるレベルから有効性がなくなるのは自明です。
そして、非常事態宣言の大実験で、「行動制限を極端に締め付けても効果は上がらない」ことが明白になったということです。
外環境にでたCOVID-19がどんどん死滅していったのは、温度湿度の上昇のためだと考えられます。
なるほど、接触感染を防ぐのが肝要ということですね。
そうすると手洗いはとても重要、マスク着用も感染者がウイルスを自分の手につけないために重要、ということになりますね。
よく言われる「人との距離を保つ、２ｍは離れる」という対策はどうなのでしょう？空気感染の危険はあまりないと聞いてはいますが。
Q：「人との距離を保つ、２ｍは離れる」という対策はどうなのでしょう？
A：その二人とも咳もくしゃみもしていないのなら、接近・対面でお互いマスク装着していれば、会話をしてもまずリスクなしです。咳やくしゃみをしている人は外に出ない、ということを厳密化すれば、「2m離れろ」といういわゆるSocial Distancing は、マスク着用によって意味のないものにできます。
ありがとうございます。
あと、よく聞くのは、「無症状の感染者がいる」ということですね。
4/20に最初に出された山岳四団体の「山岳スポーツ行為の自粛要請」は、無症状の感染者が感染を拡大するリスクを根拠としていましたが…。
無症状ですから咳もくしゃみも通常はしてないと思いますが、空気感染はないので、外出しても感染拡大のリスクはない、距離を保つことに神経質にならなくてもよい、ということになりますかね。
マスク着用・手洗い励行で、もしかしたら体内にいるかもしれないウイルスを自分の手には付けないようにしておく、というので十分ですかね。
咳・くしゃみがないのなら、唾液の飛沫到達距離はせいぜい1.5mです。
したがって、そのくらい離れていれば飛沫感染リスクはありません。
そもそも真正面で向き合って話す必要がないなら、お互いそっぽ向いて話をすれば近距離でも大丈夫です。
また、エアロゾル（浮遊微小飛沫）感染リスクは、オープンエアーであれば全くありません。
R0は 0.8 ぐらいじゃなかったのか？って言われてるけど、確かにこの試算でいけば、集団免疫達成を待たずに日本でのコロナ感染は収束するでしょうね。
緊急事態宣言や自粛要請は集団免疫をの達成を遅らせるばかりではなく、経済弱者を増やす事に貢献したんじゃないか？ってコッソリ思ってます。
チコちゃんじゃなくて、自粛警察に怒られるから大きな声ぢゃ言えないけど（笑）
(￣(エ)￣)ノ＿彡☆バンバン！
>経済弱者を増やす事に貢献したんじゃないか？ってコッソリ思ってます。
残念ながらそのような結果となったようです。
＞自粛警察
太平洋戦争の時の「非国民！」も、こんな感じだったんでしょうかね。
Ro：再生産数の初期条件 ですよね。
この算出が、新型コロナの基本性能なのか、
対策実施後の修正変数とするか
修正変数適用するなら、対策継続しないと意味ないです。
＞対策実施後の修正変数とするか
対策（非常事態宣言＆「8割減らせ」）前にすでにR=0.8になっています。
うーん、コロナウィルスの感染基本性能は0.8ということでしょうか？
不勉強なのかこの数字の根拠がわかりません。
Roを変動変数にした場合は、そのときの状況によって変わることになります。
もちろん国によっても変わる数値にはなるでしょうが、これが固定なのか変動なのかで答え変わりますね。
ニュートン力学での2回微分方程式のように、「初期条件が決まれば未来はユニーク」という思想に近いのが上記の不等式です。
いつのどの値を初期条件と設定するかで、その後の未来予測ができるということが不等式の示す意味なのだと思います。
で、西浦先生が「とりあえず」と、日本のリアルなRoが不明だった時点でドイツで判明したRo＝2.5を採用したのは仕方ないないことだと思いますが、
5月4日の時点では、非常事態宣言の出された4月7日前後でRt＝0.8が判明していたわけですから、
4月6日のRt（0.8）を基準にして（＝この時点でのRを初期条件として）未来を予測したならば、決して「8割削減を維持するように」とはならなかったわけです。
まあ、よく公表された資料をご覧になってください。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000627254.pdf 【図3】
mtjadai さん、謝らねばなりません。
改めて基本再生産数の定義を見てみましたところ、一般的な物理定数と違って、厳密に「誰も感染していない集団で感染が始まった時点での『一人の感染者が何人に感染させるか？』」となっていることがわかりました。おそらくmtjadai さんが最初の投稿でおっしゃりたかったのはこのことなのでは？
というわけで、別の切り口で「日本の基本再生産数」を推定してみました。次の日記にアップします。
こんにちは
この話は、自粛に効果があったと想定するか、しないかで話が変わってくるのかな？と思いました。
実効再生産数=0.8 という数字が自粛効果を含んだ結果としての値の場合、 自粛を解いた瞬間に数値が上がり、第２波が来る可能性があるし、
自粛に効果がなかったとするのであれば、
自粛を解いても0.8という数値は増えず、自然に減少すると理解しました。
都内23区に住んでいますが、3月の中旬くらいから、自社もクライアントもテレワークが始まり（おそらく一部だと思いますが）、3/26の小池知事の外出自粛宣言から、一気にみんな自粛に動きだしたので（スーパーの棚が空っぽになりました）
肌感的には患者数のグラフの増減と相関している感じもします。
実際どの程度の自粛効果があったのかは私にはわかりません。
ただ、あまりこういうことを考えることもないので、勉強になりました。
＞自粛に効果があったと想定するか、しないかで話が変わってくるのかな？と思いました。
任意の自粛は非常事態宣言前からされていたわけなので、ざっくり「自粛」というと評価しにくいのですが、少なくとも「非常事態宣言」が出され、「接触を8割減らして」と公に指示があったのは4月7日です。
ところが、
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000627254.pdf
【図3】であきらかなように、新規感染者数のトレンドも、実効再生産数（0.8）も、4月7日前後で変わりがありません。・・・（＊１）
また、GW明け首都圏でも自粛ムードが緩み人々の外出頻度が急速に高まったとして、西村担当大臣が「緩みが出ている。第2波が来かねない。」と警告を発していました。
大臣や尾身先生の見解では、「緩みは2週間後に数字となって表れる。」とのことでしたが、実際はどうでしょう。
5月7日〜の2週間後とは、5月21日〜となるわけですが、東京都での新規感染者数は減少傾向を維持しており、「緩み」による第2波の兆候はまったくありません。・・・（＊２）
（＊１）（＊２）より、「非常事態宣言による極端な自粛要請」には何の効果もなかった、と評価するのが妥当だと思います。
また、（＊１）（＊２）の事実は、「新規感染者数減少」は「人々の外出頻度と相関しない」ことを表しているわけです。
再三私が指摘しているように、「従来型コロナウイルス同様『温度湿度の物理的要因』によって外環境のCOVID-19が失活している。」という仮説のほうがよっぽど現象を包括的に説明できていると思います。
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