※「登山の敵」好酸球性肺炎が、やはり再発していた 。白血球の一種の好酸球が何らかのアレルギーで増加し、肺に炎症を起こして喘息症状となる病気。再びステロイド投与の日々が始まったが、11月から新薬ヌーカラの注射に切り替えた結果、とりあえず好酸球値は落ち着いている(2016/12/15記す)。
2016/5/9
2か月ぶりの診断の日。クリニックで奥様先生が「好酸球、増えちゃってますねえ」と残念そうに宣告した。平常値10%未満のところ17%。結局、ステロイド「プレドニゾロン」30mg服用の治療を再開することになった。
3月にステロイド投与をやめた当時から、なんとなく再発の嫌な予感はあった。大量投与時は全くなかった痰の絡みが、少しだが感じられるようになっていたからだ。といって日常生活にも登山にも影響はないレベルだから、気にせず暮らしていたのだが、4月も半ばになると明らかに咳と痰が戻り始めてきた。まだ深刻に考えていなかったちょうど1年前くらいのレベルかもしれない。
という訳で、ほとんど覚悟のうえで5月6日に採血、連休明けの最初の診察日に上記の通りの宣告を受けたのだった。まあ、副作用さえ出なければ、ステロイドなど飲んでもなんら生活に支障はないのだが・・・。
2016/5/16 【痰は残るが好酸球は0%に】
2度目の受診。12日の採血で好酸球はゼロになっていた。例によって劇的な効果だが、肺のムズムズ感は前回と比べると思ったほど早い改善具合ではない感じ。痰は黄色く粘っこいものから透明なものに変わって量も減ったが、ちょっとしたことで咳払いが出てしまう。昨日、カラシのきついものを食べてむせ返った時などは、息が吸い込めずに窒息するかと思った(と言いつつ、今日も刺身のワサビで危うく二の舞を演じかけたのだが)。
ともあれ、レントゲンの肺の影も薄くなったので、明日からは25mg、来週から20mgへと段階的に減らして、2週間後に再度診察を受けることになった。
2016/5/22 【肺が楽になるや山へ】
ステロイドが肺の症状にもはっきり効いてきて、痰の絡みをほとんど感じなくなった。一方、16日に見た血液検査結果では、副作用で血糖値が154まで上がっている。これは少し運動しないといけないな、と理由をつけて、4月初旬以来の山へ繰り出した。丹沢主脈の北端部の踏査という名目で標高差1100m、20kmほどのルート。多少急いで登ってみたが、全く問題はなかった。
2016/5/30 【γ-GTPが300台】
3度目の受診。レントゲンでは前回見えたかすかな肺の白い線状の影は消えた。今も時々咳払いしたくなるが、痰はほとんど出ず、喘息症状は抑えられている。ただし、血液検査では好酸球はゼロ台だったもののγ-GTPが316と、久々に激しく基準をオーバーしてしまった。
ガンマと言えば酒に連動する肝機能の指標。どう節酒しても十分下がらなかったのが、なぜかこの病気でステロイドを飲んだらスッと正常値近くまで改善していた。「お酒ではなく肺の炎症の影響だった」という診立てをしてくれた奥様先生が「なんででしょうねぇ」と首を傾げたが、実は原因は分かっている。27日の採血に先立ち、送別会やらなんやらで毎日のように深酒が続いていた。
ステロイドは予定通り明日から15mgとし、来週は10mgに減らす。その先は再発の危険水準ということで、2.5mgずつ刻んで減らしていくとのこと。
2016/6/13 【減薬は1mgずつチビチビと】
ぜんそく症状は相変わらずなし。痰もほとんど出ないまま10mg最終日の診察を迎えた。γ-GTPも何とか正常値の倍くらいまで下がっている。前回同様、次は7.5mgにステロイドを減らすのかと思いきや、「この間は戻っちゃったので慎重に1mgずつ減らしましょう」ということに。つまり、明日から9mg、来週から8mgとするわけ。
副作用の心配は10mg以下ならかなり低くなるとのことだが、この伝でいくとステロイドがいらなくなるのは9週間も先のこととなる。やれやれ。
2016/8/1 【好酸球が増えて薬量増加】
毎週1mgずつ減らして一日3mgまで減ったステロイド(プレドニゾロン)投与量。ごくわずかに痰がのどに絡むことがあるものの、体感としては特段悪化しないまま3週間ぶりの診察日を迎えた。で、採血の結果は好酸球値が6.7%。10%以下という目安よりは低いものの、0〜1%台だったこれまでの数値より大幅に上がってしまった。
レントゲンは変化がないように見えたが、前回再発した経過もあるので、奥様先生の診断は「いったん5mgまで増やして様子を見ましょう」だった。5mgというのは、健康な人が自分で分泌するステロイド量だそうで、「それほど副作用を心配するレベルではありませんが、多少は感染症対策に注意して」とのこと。
というわけで、1か月は5mg投与を続けることになってしまった。とりあえず喘息再発の懸念はなくなるものの、量は控えめながらステロイド長期投与は副作用を誘発するだけに、あんまり気持ちの良いことではない。
2016/10/31 【好酸球の制御不能か・・・】
月に一度のチェックに行くと、好酸球値が9%台に乗ってしまった。一応、10%未満が正常範囲とされているが、ステロイド5mgでも制御できず徐々に増えているということ。確かに夏から5mgに増やしても、わずかな痰の絡みや嗅覚の低下といった症状は改善せず、今月に入ってからは体感的には若干悪化していた。何よりバロメーターとなるγGTPの値が200を超えてしまっている。当方の場合、この原因は酒より好酸球性肺炎の炎症であることは経験的に証明されている(?)。
「ステロイドを増やせば症状は改善しますが、まだ若い(?)のにずっと高容量で飲み続けるのは、副作用を考えると避けた方がいいので」と奥様先生が切り出したのは、今春承認が下りたばかりの新薬の投与。重症喘息患者をターゲットにした「ヌーカラ」という薬だが、特長が好酸球を狙い撃ちして下げる作用があることで、私の難病(らしい)にも適合するのだという。副作用も、各種取り揃えて起こる懸念のあるステロイドよりよほど少ないらしい。
ただし、問題は価格。保険適用でも相当するので「自己負担大丈夫ですか?」と聞かれたが、幸い健保組合の付加給付があるので何とかなりそうだ。「お願いします」と頼んだら、「常備していないのでクリニックに取り寄せてから投与します」ということになった。
ついでに、インフルエンザの予防注射の話を聞いたら、「今の5mg投与なら効果が期待できるので、今のうちに打っておいてください。またステロイドを増やすことになったら抗体作れなくなりますから」と奥様先生。うまく乗せられた形になって、帰りがけに打ってもらった。
インフルエンザの抗体ができるのが2週間後なので、新薬をやめてステロイド増量になる場合も考慮して、次は2週間後に来ることに決まった。当面、ステロイドは5mgを維持する。
2016/11/14 【高〜い!!薬を注射】
好酸球値は相変わらず9%台。結局、画期的新薬というヌーカラを試してみることにした。投与は1ccの筋肉注射。ところが、原液がなかなか溶けないとかで、20分以上待たされた。なんだかんだで抗がん剤並みの総額17万円!取る注射だから、看護師も緊張している。普通の3割負担じゃ自己負担5万円を超すから、会社の健保独自の付加給付がなければちょっと手が出ない。なにしろ、こいつを4週間に一回、半年間は打ち続けるのだから。
なお、効果はすぐには現れないのだという。大枚はたいてだまされた、もとい効果がなかったりしたら目も当てられないが・・・。
それにしても、一過性の病気で治ったら終わりにするつもりで始めたこの日記。実は難治性の難病らしいのでエンドレスになる危険も帯びてきた。まあ、完治すればよし、ダメでもたま〜に記述を続けて備忘録とすることにする。
2016/12/12 【新薬注射が効いた】
高価新薬ヌーカラを注射して1か月。好酸球は見事に1%に減っていた。確かに、気が付くと痰の絡みがなくなっていた。鼻づまりと多少の嗅覚の鈍化はまだ続いているが、去年もっともひどい時に鼻が完全に詰まってしまったような症状とはだいぶ異なる。
ステロイドはこの間5mgを続けてきたが、今回の好酸球激減はやはりヌーカラの効果に違いないようだ。まずは効いたようで良かった。ということで2本目のヌーカラ注射。ハイ、17万円余、毎度アリイ!
奥様先生もほっとしたようで、とりあえずステロイドは半量の2.5mgに減らすことになった。次は正月に散財に来ることになった。
2017/1/11 【好酸球性副鼻腔炎に】
年末から時々鼻が詰まるようになった。鼻水はロクに出ないのに鼻が通らなくなる。市販の点鼻薬で対処できるが、いささか不安になって先週、採血がてら耳鼻科を受診したら、「鼻の奥を見たらポリープが両方にあるねえ。好酸球性肺炎やっているなら明らかに好酸球性副鼻腔炎だね」とのご託宣。「好酸球は最近、薬で抑えられているんですけれど」と反論したが、他に妥当な原因は考えられないとの説明だった。
好酸球性肺炎の診断を受けたころ、やはり鼻も詰まるので同じ先生に見てもらったのだが、その時はポリープはなかった。好酸球性副鼻腔炎は難病指定の対象という。ステロイド入りの点鼻薬をとりあえず1か月使うことになったが、なんだかどんどんヤバいことになっていく気がする。
2017/1/16 【予防注射の甲斐なくインフル罹患】
定例のヌーカラ接種の日。好酸球は1.1%に抑えられている。鼻のポリープの話をしたら、呼吸器内科の奥様先生も「好酸球性副鼻腔炎でしょうね」との判断だった。まあ、好酸球値は低いし、ポリープの症状も軽いのは救いだが・・・。という訳でステロイド服用をやめることになった。
ところで、心なしか体がだるく鼻水が出る。熱は最初6度8分、再度測ると6度2分だったので「問題なし」ということでヌーカラを打ったのだが、徐々に風邪っぽい症状が強まり、翌17日朝に念のため再受診して検査を受けたところ、見事インフルエンザA型と診断されてしまった。
37度少々まで熱が上がりかけたが、イナビルを吸入して家で一晩寝たら鼻水が残るだけで熱は下がってしまった。10月末に予防接種を受けたので軽く済んだらしい。もっとも、ヤマノカミにはうつしてしまい、だいぶ恨み言を言われた。
2017/2/8 【鼻のポリープは消えていた】
1か月ぶりに耳鼻科へ行くと、なんと前回見つかったポリープがなくなっていた。確かに、鼻中隔湾曲のせいで元から詰まりやすい左の鼻は別として、鼻詰まりはなくなっている。これもヌーカラのおかげなのか、無関係なのかは分からない。とにかく順調なので、ステロイド入り点鼻薬の追加処方はなしで済んだ。
2017/2/13
4週間に1回、月曜定例のヌーカラ接種。前の週に採血して検査結果を見ながらの診察となる。今月と先月は耳鼻科のついでに採血した。外の検査機関に回すクリニックゆえの二度手間だが、通院が1度で済むといっても採血の結果が出るまで待たされる大病院が良いとばかりは言い切れない。このクリニックなら採血は予約も待ち時間も不要だし、診察も大病院のようには待たされない。
好酸球値は1%に安定しており、当面、この注射治療を続けることになった。
2017/5/8
4週1回のヌーカラ接種は、当初の「最低半年間」という継続期間を過ぎても続いている。やめたら再発というリスクはかなり高いようだ。採血こそ今後は隔月となったが、今年も医療費控除の確定申告は避けられない。
ところで、4月から奥様先生が専門外の肝機能、具体的にはγ-GTPの値を気にし出した。4月後半を禁酒して血液検査に臨んだところ、数値が170台から140台にダウン。これに気を良くした奥様先生は「じゃあ、今度は次の7月の採血まで2か月禁酒してみては?」と勧めてきた。
そうは言っても6月が異動の季節で、5月下旬は送別会などの「公式」の飲み会が多く、いろいろ差し障りがある。そもそもこの程度の数値のブレは毎度のことだから、2週間の禁酒が影響したとはどうにも信じられない。という訳で、勝手な妥協策として6月1か月を全面禁酒月間とし、5月は家飲みを断つことで乗り切ることにした。
2017/7/3 【1か月禁酒、γ上昇??】
1か月の禁酒明けを受けた初の診察。好酸球は1%で落ち着いているが、注目のγ-GTPは280!まで上がっていた。誓って酒は飲んでいない。そもそもγは飲酒に連動して上下しやすいもので、長くアルコールを断ったからといってより下がる性質のものではないはずだ。
「なんででしょうね」と奥様先生。「やっぱり、お酒には関係ないようですね」と私。次に奥様先生が目を付けたのは日常飲んでいる薬やサプリメント。好酸球関係以外では、コレステロール薬のピタバスタチン(リバロ)と、サプリの「DHA・EPA」「やずやの香醋」「オルニチン」を飲んでいる。関係ありそうなのはリバロだ。幸い中性脂肪とコレステロールは基準値に収まったので、リバロをやめてみることになった。
やれやれ、これでやっと酒が飲める・・・と思ったが、調子に乗るとリバロで抑えられていた中性脂肪が急上昇しかねないので、注意しなくてはならない。
2017/9/4 【今度はコレステロール上昇(涙)】
先週の採血結果でコレステロールが基準値を超えていた。といっても脂質系の基準値オーバー常連の身としては気にもならなかったのだが、主治医の奥様先生には「やっぱりリバロやめたのがまずかったみたいですね。リバロを再開すると、またγ-GTPが上がるでしょうから、違う系統でコレステロールを抑制する薬を出して様子を見ましょう」と言われてしまった。また、毎日1錠ずつ飲まなくてはならない。
2017/10/6 【好酸球性副鼻腔炎? 鼻にポリープが】
9月からどうも鼻がおかしく、多少の鼻水鼻詰まりが起きるようになった。季節の変わり目のアレルギーかとも思ったが、いつまでもスッキリしない。気になるので耳鼻科を訪ねてみると、ファイバースコープで鼻の中を覗いた医師から「小さいけど左右ともポリープがあるね」と告げられた。通常の鼻炎による炎症とは明らかに異なり、「既往症から言って好酸球性副鼻腔炎しか考えられないですね」とのご託宣。
しかしながら、好酸球は高価なヌーカラのおかげで標準値に収まっているはず。少なくとも8月末、ヌーカラを打つ前の血液検査では1%台だった。訳が分からないが、とにかくステロイド入り点鼻薬を処方された。
2017/11/6 【ポリープは縮小したが・・・】
1日にクリニックの耳鼻科の再診を受けたところ、ポリープがかなり縮小していた。10月第2週から第3週にかけて風邪が長引き、鼻は詰まるは痰は絡むはでどうなることかと思ったが、まずは良かった。ステロイド入り点鼻薬はもう少し続けることに。
さて、同じ日に好酸球性肺炎の経過を見る採血を受け、6日にヌーカラを打つ際、内科で結果を聞いた。肺の調子は良好だが、血液には出なくとも部位によって好酸球が集中し、たとえば鼻のポリープになることもあるそうで、「耳鼻科の先生の言う通り、ポリープは好酸球の影響だと思います」とのこと。
それよりも奥様先生はγ-GTPや中性脂肪、コレステロールが上限値を大幅に超過しているのが気になるようす。肺炎とは関係ないが、「管理栄養士の栄養相談でも受けてはいかがですか?」と勧められてしまった。
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