トーミの頭での滑落事故を目撃して…その後

先週末、黒斑山へ向かう途中のトーミの頭で悲しい事故がありました。
ニュースで目にした方も多いかと思います。

その時のレコは私が想像していた以上の反響で、ヤマレコ内だけでなくツイッターでもシェアして頂き、おそらくかなりの拡散効果があったようです。
これまで見たことがない訪問人数になりました。
見て頂いた方々には、心から感謝致します。
山をやる人にとってはこうした情報がいかに必要とされているのか、それが顕著に表れたと思っています。

レコの方にも加筆しましたが、友人が上げたブログにご遺族からコメントがありました。
お亡くなりになった方のお子様からです。
親戚の方が友人のブログを見付け、知らせたそうです。

“父の最期を知ることが出来て良かった”

そうコメントされていました。

報道では「写真を撮ろうとして身を乗り出した」となっていたのを、それを一部始終見ていた私達は「そうじゃない！」と、注意喚起と共に誤解を解きたくて、そして願わくばそれがご遺族のもとに届きますように…という気持ちがずっとあったので、それが伝わった事に安堵しました。

そしてご遺族の願いは、山好きな人が山の事故で、遺された家族が悲しい思いをする、そのような悲劇が二度と起こってほしくないと言うこと。その為に山を愛する人同士で情報共有、注意喚起をし、ひとりでも多くの人に拡散してほしいと強く願っていらっしゃいました。

事故から時間が経つと、その記憶も徐々に薄れてしまいがちですが、決して忘れてはいけない事と思っています(というよりも、あの場にいた私達には絶対に忘れられない出来事ですが)

今でも寝ている時以外は、常にあの瞬間が頭の中にあります。
本当に悲しすぎる事故でした。
ただ、今は少しずつ変化しているのを感じます。
あの悲劇が起こる前、私達4人と後から来た男性3人パーティーが、同じ景色を見ていたあの時間…。
圧巻の大展望の中、7人が同じ気持ちで景色と溶け込んでいたあの時間は、本当に温かく美しい時間でした。
その瞬間を思い出すと未だに涙が出ます。
あの美しい時間を心の支えに、この死を絶対に無駄にしない、心の底からそう思ってます。

奇しくも私の誕生日に起きてしまった悲劇、一緒に登った山友と、この日を“安全登山の日”とし、今後はそれに合わせて浅間山へ行き手を合わせよう、という話になりました。

今はもう落ちてしまうことのない高い空の上から、登山者を見守っていると思い、恥ずかしくない行動を心掛けようと思います。




同行した友人のブログです。
ご遺族、ご遺族の同僚の方がコメントされてます。山に登る者として必読と感じますので、是非見て頂けたらと思います。

https://okiraku.muragon.com/entry/793.html

コメント

Bara

あきっこさん　こんにちは　初めまして

私の日記”小淵沢仮眠中”に拍手もらい訪問させて頂きました。

リンクも含め事故記事をくまなく拝見させて頂き、今読んでいても涙が溢れてきました。
この訪問をきっかけに今一度自分の身を引き締め注意したいと思います。
1年経ってもこうして繋がって注意喚起を継続できることはとても良いことです。有難うございました。

3/7のBSP”グレートトラバース3　15min”で田中陽希が神威岳の途中でアイゼンをハイマツに引っ掛け5ｍ滑落した映像が流れており、たまたまハイマツがクッションになって助かった様ですが全く同じ状況でした。
こんなスペシャリストでさえも同じことが起きるので雪山/アイゼンはホント細心の注意が必要ですね！

あきっこ

Baraさん

はじめまして。コメントありがとうございます。

あの事故から1年経って、色々と衝撃的で、ましてや自分の誕生日だった事もあり、この月は自分にとっては“特別”な月なんです。
時間と共に記憶も薄れてしまいがちですが、風化させないためにも2月は浅間山に行こうと思っています。

本当に初心者、ベテラン関係なく、どんな人にも事故の可能性はあって、それはほんのちょっとした事が原因なんですよね。
本当に他人事ではない、それを十分に理解出来て行動しなければ、と思います（それでも100%防げるわけではありませんが…）

いつも“楽しい”で終われるようにしたいですね😌