1．弱層がある表層雪崩
�‥脆�生表層雪崩
滑り面は表層。厚さ、幅とも小さく、落下速度も遅い。大事故になることは少ないが、大規模面発生を誘発することがある。 ほとんど結合力を持たない新雪が斜面に大量に堆積した場合に発生。日射や気温、降雨等で表面付近の雪が溶かされ、結合力が低下し、流動性が増えると発生。
�¬免�生表層雪崩
滑り面は積雪内。大規模になることが多い。速度が速く、数キロ流下することもある。最も警戒すべき雪崩。せん断破壊強度が弱い弱層が積雪内にサンドイッチ構造で含まれている場合に発生。
弱層への人的外圧や上載積雪の加重増加により、弱層がせん断破壊されて面発生表層雪崩が発生する。
弱層の上に積もった上載積雪が面発生表層雪崩の雪崩層となるため、弱層上に大量の雪が積もった直後が最も危険性が高い。
全層雪崩が多発するのは、春先、気温が上がって融雪水が積雪下面に達する時期。
反省１：2019年厳冬期の能郷白山では、山頂直前の急斜面でパウダースノーの深い積雪があった。足元がスラフとなってずり落ち、スノーシューと4足歩行でも、登頂が困難だった。前日までまとまった降雪があったことから、点発生乾雪表層雪崩の可能性があった。
反省２：2020/02/02、乗鞍岳の金山岩へアカンダナ駐車場から登頂を目指す。山頂手前1.3kmの沢添いに登頂する平均斜度30度のV字谷区間にて。斜面にはパウダースノーが腰程度まであり。沢から尾根へ取り付こうとするとスラフが発生して登れなかった。沢添いに登頂も検討したが、地形の罠となっており、沢の両斜面からの大量のスラフや上流からの雪崩が想定された。また、沢割れ等も確認され、正午頃で気温も急激に上昇してきたことから、時間経過とともにリスクが上昇すると判断して撤退した。2人で行動していたこともあり、雪崩誘発リスクはソロよりも高かっただろう。判断は正しかった。ただし、平湯温泉からのコースでは、斜度20〜25度で尾根コースだったため、こちらならば、少なくとも山頂直下の森林限界までは登れた可能性が高いが、山頂付近は北面斜面のため、ウインドクラスト、サンクラストで氷化して、滑落の危険性があったかもしれない。
2.弱層がある表層雪崩の破断面の形成と雪崩の発生条件について
�“�生は稀
斜度：55度以上。
弱層上の雪崩層の厚さ：斜度50度以上でスラフとして流下し、堆積しない
�∪稱�の発生可能性範囲
斜度：25〜55度。
弱層上の雪崩層の厚さ：0.1〜4m
雪崩層の平均密度：50〜450kg/m3
�Ｄ名錣寮稱�発生範囲
斜度：30〜45度。
弱層上の雪崩層の厚さ：0.1〜0.2m
雪崩層の平均密度：100〜300kg/m3
�だ稱�の発生ピーク
斜度：40度付近。
弱層上の雪崩層の厚さ：0.25〜0.5m
雪崩層の平均密度：100〜300kg/m3
�ダ稱�発生の平均
弱層上の雪崩層の厚さ：0.7m
雪崩層の平均密度：200kg/m3
��雪崩発生は稀
斜度：25度以下。
弱層上の雪崩層の厚さ：傾斜が緩いため雪崩れない
注１．雪崩層の平均密度：穏やかな風による新雪は100kg/m3以下。
つまり、面発生乾雪表層雪崩の多くは、強風で堆積した新雪や変態の進んだしまり雪が雪崩層となっていることが分かる。
反省１：2020/01/18の乗鞍岳の四ッ岳北面では、晴れ、気温―5℃、斜度35度程度。風は弱く、太陽光によって斜面の温度は上昇していたと思われ、昼前に通過した時点で雪面が緩んでいたことが想定される。厚さ、約10cmのスラブをアイゼンで踏み抜くと、数歩毎に10〜20m程度の亀裂が横一文字に走った。通常の雪崩条件と合致し、非常に危険な状況であったと推測される。
※あくまでも個人的な備忘録です。
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