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何を当たり前のことを、と自分でも思うものです。こんなことを改めて思うようになったのも、丹沢の奥の方、ユーシンですとか、あの辺りを歩いてみたいなと思ったからなのですね。あの辺、ご存知の方も多いかと思うのですが、林道があちこち崩れていて、渡るのに危ない思いもしなくちゃならないんだそうで。そりゃ怖いな、しかしユーシンブルーと呼ばれるほどの青く綺麗な渓谷は見てみたい。ではどうするか、と考えたわけです。そうだ、ロープ使えたら安全に渡れないかな。
そう思い立ちまして、まずはロープワークの本を買って靴紐で練習してみたり、以前買ったクライミングの教本を引っ張り出してロープワークを読み返してみたりとお勉強を始めております。支点について読んでみまして、頭の中でシミュレーション。崩落地の手前に支点を作ってハーネスに結んだら、恐る恐ると第一歩。
はい、いま崩落地の途中でバランスを崩しました!ロープ!……ん?これって支点から振り子になって落ちるだけじゃないか?
山道具屋さんで相談してみまして、やはりダメだと太鼓判をもらいました。山側から崩れた崩壊地の途中で支点なんてないだろうし、これじゃダメかあ…
じゃ、ロープ覚えても意味はないのかなと思ったのですが、自身の性格的なものでして、技術と聞くとすぐ飛びつく。使う使わないはともかく覚えてみたくなったものですから、お勉強は続けております。今日などは安物のロープとカラビナを練習用に買ってきまして、部屋でせっせと結んでおりました。写真はそれで作ったロープスリングと覚えたばかりのフィギュアエイトフォロースルー。そして早速、机の脚で構築してみた中間支点。明日は公園の滑り台や電柱に結んでみて、実際に荷重をしてみたり滑り台から滑落してみたりしてみようと思います。
こんなことをするかたわらにこれまでの登山について、ぼんやりと思い起こしてみたりもしました。これまでも細いトラバースで怖いなと思う所があったり、ザレの強い下りで恐る恐る歩いたりしてきたのですよね。そしてこれからもそういう場所ってたくさん出くわすのでしょう。今までは怖い怖いと言いながらそういう場所を通過してきたわけですけれども、それってリスクがあるとわかっていながらただ無策だっただけなんじゃないだろうか。リスクがあるなら備えるのが登山なんじゃないだろうか。
これまで、自分はクライミングはできないし、ロープを使うほど危険な登山はやらない!と思ってきました。でも、それは違ったんだなと思い始めております。ロープが危険なわけじゃない。危険に対して備えるものがロープなんだな、そして普通の登山道にだっていくらでもある「ちょっと怖い場所」を、怖い怖いと言うだけで何の備えもしていなかった自分が危険だったんじゃないだろうか。
ぼんやりとそんなことを思っているうちに、初めて山靴を買ったときのワクワクを思い出してしまいました。そういえば山靴って、山道のリスクに対する備えなのだっけ。こうしてリスクに対してあれこれ考え、やってみているときってやっぱり楽しい。
そうだ、登山ってこういう活動だったんだっけ。
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