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先週末の筋肉痛が残ってたので刺激を入れるためにリカバリージョグしてきた。動かしてるうちにだんだん腿が上がるようになって、最後は通常モードに。そういえば、駒沢公園内の工事のための迂回ルートがいつのまにか直ってたし、砧公園内の舗装路敷設工事もだいぶ進んでた。
#朝ラン #早朝ラン #ランニング
オーディブルはフィリップ・K・ディック『火星のタイム・スリップ』の続き。
ノーバート・スタイナーの自殺は小さな波紋となって火星植民地の村社会にさざ波を立て始める。アーニー・コットは分裂症の時間感覚のズレを利用して未来を先取りし、火星の土地開発に注がれる投機マネーを独り占めしようと画策する。キャンプBGのの精神科医ドクター・ミルトン・グローブはアーニーに取り入ろうと躍起になり、修理工のジャック・ボーレンは分裂症の再発に怯えつつ、アーニーのために分裂症患者と意思疎通をはかるマシンの制作にとりかかり、アーニーの愛人で組合の会計係のドリーン・アンダートンはかつて分裂症の弟を自殺によって亡くした過去を告白し、ジャックに寄り添うふりをして、なぜか枯れを誘惑する。
「実存主義派の精神医学者は、彼らをそのままほうっておいて、自殺させるのがいちばんいいんだと、よく言っているわ。それが、彼らを救う唯一の方法だって……幻影は、しだいに恐ろしいものになって、ついには耐えられなくなるのよ」「そんなに恐ろしいものなの?」
「いや、ただ−−厄介なものですよ」「自分に見えていると思われるものと、馴れ合う方法はありませんよ。これまで馴染んできたやり方でやっていけなくなるんです」
「あなたは、しじゅう演技をしているんじゃないの、つまりね−−演技をすることによって、それと馴れ合おうとしているんじゃない? 役者みたいに?」「さっきもそうだったんでしょう?」
「みんなを欺きたいんですよ」「もし、役を演じることで、あれと馴れ合うことができたら、ぼくは、なにを手ばなしたっていい。しかし、そうなったら、ほんとうの分裂ですからね−−それまでは、分裂なんてないですよ。あれは心の分裂だという彼らの説は誤りです。ぼくが分裂せずに、このままの形でいようと思ったら、ぼくは、ドクター・グローブの耳に、こう言わなくては−−」
「言ってちょうだい」
「ええ」「ぼくはこう言わなくちゃならない。ドック、ぼくの目には、あなたが、永遠の姿の下にあるものとして見えています、ドック、あなたは死んでいますと。これが、あの忌まわしい、不気味な幻影の正体です、ああ、いやだ。ぼくは求めたわけじゃないんだ」
「われわれ分裂症者には、こういう問題もあるんです。つまり、他人の潜在的な敵意を敏感に感じ取ってしまうんですよ」
「知っているわ。テレパシー能力ね。弟のクレイはそれがだんだん嵩じて−−」「パラノイアになったわ」
「これは病状のなかで最悪のものなんだ。まわりにいるひとたちの、それがたとえ見も知らぬ人でも、その胸の奥に埋もれている抑圧されたサディズムや敵意を感じとってしまうんですからね。まったくやりきれませんよ。レストランでたまたまいあわせた人間から感じとることさえあるんです−−」「バスのなかや、劇場や、人ごみで」
「アーニーは、スタイナーの息子から何を探りだそうとしているのかしら?」
「そうですね、予知能力に関する学説を−−」
「だけど、アーニーは未来のなにを知りたいのかしら? あなたにはわからないでしょ? そんなこと、突きとめようとは思わないわね」「あなたは満足しているのね」「必要とされる機械装置を組み立てるという、技術者としての仕事に対する満足感ね。それはだめよ、ジャック・ボーレン。よい徴候じゃないわね」
「ああ」「きわめて分裂症的か……純粋に技術的側面だけに満足しているというのは……」
「アーニーに訊いてみたら?」
「それはアーニーの仕事で、ぼくのじゃありませんよ。これは面白い仕事だし、アーニーが好きだし、ミスタ・イーより好きですよ。ぼくはただ−−詮索するために、この仕事をやるんじゃありませんよ。それが、ぼくのやり方なんだ」
「あなたは怖がっているんだと思うわ、なぜかはわからないけれど……勇気があるのに、どこか心の億で、ひどく、とてもひどく、怯えているのね」
「そうかもしれない」
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