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新宿中央公園から新宿御苑、国立競技場、神宮球場、原宿、代々木公園を回ってきた。桜🌸が咲いてたのは、東北沢駅前、新宿中央公園、新宿御苑外周の3ヶ所だけ。新宿中央公園のは小彼岸桜🌸。今朝はニューバランスの1080x14のデビューラン。クリフトンよりフカフカしてるのに、なぜか後半は足裏に若干痛みが出た。アッパーの包み込み具合はクリフトンに似て快適なので、慣れの問題であってほしい。
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オーディブルはマイケル・ルイス『マネーボール』が今朝でおしまい。
投手の責任範囲は、ホームランを打たれないこと、四球を出さないこと、三振をとることの3つだけ。ホームライン以外のフェアボールはヒットになろうがなるまいが、すべて「運」まかせで、投手にはどうすることもできない。投手の評価基準は与四球、奪三振、被本塁打(プラス被長打率)だけで、打球がたまたま野手の正面に飛ぶか、とりにくいところに飛ぶかは運まかせの要素が強すぎるから、被安打率は評価基準から外すべき(その証拠に、被安打率は同じ投手でも年ごとの変化が大きい)。
母数の大きいレギュラーシーズンでは有効なセイバーメトリクスも、ポストシーズンの短期決戦ではなかなか結果を出せないでいた。そのせいで、ビリー・ビーンとアスレチックスに対する風当たりは強いまま。だが、ポールの見方は違った。「僕たちのやりかたがだめだと、このまま信じていてもらいたいですね。そうすれば、僕たちはあとまだ何年か優位に立てます」
出塁率が高いのに、球界での評価がそれほど高くない「お買い得な選手」をそろえることで、貧乏球団のアスレチックスが奇跡を演じ続けるには、そうした選手の年俸が低いまま、ドラフトでの評価も低いままにとどまっていることが大前提となる。だが、アスレチックスの成功の影響は少しずつほかの球団に染み出していった。ビリー・ビーンがトレードで獲得した選手が軒並み成果を出すようになると、他球団のGMも当然身構える。化かし合いはさらに高度に、複雑になり、望んだ選手が簡単には手に入らないようになっていく。さらに、ビリー・ビーンに影響を受けた人たちが他球団で職を得るようになると、お買い得だった選手たちにも買い手がつくようになり、徐々に年俸が高騰していく。アスレチックスが優位性を保つには、競合他者がまだつかんでいない評価軸を見つける必要になっていく。旧態依然とした球界にも、ようやく投資効率の向上をはかる競争原理が働くようになってきたわけだ。だが、抵抗勢力はどの世界にもいる。とくに、排他的なギルドのように、古いしきたりが幅を利かせた業界では、破壊的イノベーションが浸透するのには時間がかかる。巻末に載っていた「出版後日談」では、そのあたりの事情が容赦なく述べられている。
「野球というゲーム自体は、容赦のない競争の場だ。きわめてすぐれた者でなければ生き残れない、ところが、そこを一歩離れると、かぎりなく無能であっても赦される。理由はいろいろあるにせよ、大きな一つは、球界というものが、ビジネスよりむしろ社交クラブとして成り立っているからだ。このコネの集団を構成している人々は、チームの運営にたずさわる関係者だけではない。援護に役立つのか怪しい〝婦人空軍〟と同じように、後ろからくっついてきて口先ばかり達者な、レポーターや評論家もおおぜい含まれている。この社交クラブは会員制だが、入会や資格維持のための基準は曖昧だ。ふとした行為でクラブ側の機嫌を損ねてしまうケースも多々ある反面、〝仕事を満足にこなせない〟という欠点は、咎め立ての対象ではない。会員としてなにより許されないのは、能力が足りないことではなく、忠誠心に欠けることだ。ジム・バウトンという元投手にしても、もう少しわきまえがあれば、現役引退のあと、メジャーリーガーの卵をスカウトしたりコーチしたりしながら第二の人生を送れただろう。ところが、『ボール・フォア』と題する暴露本を書いたせいで、忠誠心を疑われ、事実上、社交クラブから追放されてしまった」
「球団の経営幹部たちは、実際にプレーする選手ほどのプレッシャーは感じなくて済むし、いやそれどころか、普通のビジネス経営ほどの重責も担っていない。どこかのチームが巨額の金を注ぎ込んだにもかかわらず成績不振となると、クビがいくつか飛ぶことはあるだろう。けれども、そのクビはたいして遠くまでは転がっていかない。社交クラブに属する人間は、のらりくらりと徘徊することにかけては超一流の才能を持ち、若い選手をスカウトしたり、ゲームについて意見したりしながら、何かしらハイレベルな職に空席ができるのを待つ。やがて空きが生まれるとすぐ、うぶな期待を胸に抱きつつ、近ごろ職にあぶれたほかのクラブ会員たちともども、面接へ向かう。が、採用の基準はこれまた定かでない。なにしろ、この職にはどんな能力がふさわしいか、といった尺度を明確にしたい者など誰ひとりいないのだ。クラブに対する忠誠心以外にあらたな物差しを検討しはじめたら、既存の会員すべての地位が危うくなってしまう」
排他的なギルド的集団はなんであれ、既存のルールに従わないよそ者によって撹乱され、外圧に屈してやがて解体される運命にある。サッカーと違い、降格も昇格もない(新規参入もほとんどない)米国型のリーグシステムの最大の問題は、下からの突き上げがないから、競争原理が働きにくいことにある。それは、既存球団の経営の安定には寄与するかもしれないが、新陳代謝の働かない集団は気づかぬうちにゆでガエル状態になり、どんどんマンネリ化、陳腐化して、業界全体がディスラプトされることだってないとはいえない。MLBの人気低迷は終わりの始まりかもしれないのだ。
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