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#朝ラン #早朝ラン #ランニング
オーディブルは神林長平『グッドラック 戦闘妖精・雪風』が今朝でおしまい。
ジャムによるFAF全基地に対する総攻撃が始まった。ジャムはFAFのコンピュータを乗っ取り、味方同士を「正体不明機→敵=ジャム」と誤認させることで同士討ちを狙うと同時に、大量のジャム機を投入して現場を混乱に陥れた。
「雪風の攻撃とは、雪風が受けているジャムの攻撃手段への対抗策である。ジャムのその攻撃とは、戦略コンピュータの予想するところの、雪風の処理能力限界を超える負荷をかける、ということであり、深井大尉による攻撃の指示がなければ雪風の中枢コンピュータは破壊されていた可能性がある。戦略コンピュータに特殊戦の人間は必要だと判断させた、一つの状況が、それだ。
全FAFコンピュータシステムに対する対諜報行動とは、特殊戦の情報を決して外部に漏らさないことであり、FAFのすべてのコンピュータからここのネットワークにアクセスできなくする行動である。回線を切り離すという受動的な手段によるものではなく、能動的な手段により外部のコンピュータには特殊戦の存在自体が捉えられなくなるような操作を行う。
「われらこそが幽霊戦隊になる、ということです、リンネベルグ少将」」
その結果、特殊戦機は、ジャム機だけでなくFAFの全軍から「正体不明機=敵」として狙い撃ちにされ、特殊戦の13機のうちのいくつかは撃墜される。
〈ジャム機が多方面から同時出現。非常に多数。この情報は、ジャムによる欺瞞情報である可能性もある。各戦隊機の人間の目視による情報を求む速やかなる実行を期待する〉
〈こちら、チュンヤン、タン中尉だ。司令部、接近中の変態機はトロル基地部隊機だけではない。来るぞ、他の腫瘍基地からの、これはフェアリイ基地に対する攻撃だろう。フェアリイ基地は、ジャムに乗っ取られている、と認識されているもようだ〉
〈こちらズーク。われわれを掃討すべく上がってきた数十機のフェアリイ基地からの緊急発進機群は、そいつらの迎撃に向かった。おれたちは助かった〉
〈これはFAFコンピュータシステム間の闘争である。フェアリイ基地に対する周辺基地のクーデターという見方も可能だ。FAFの人間たちがそれに巻き込まれている〉
〈こちらSSC。カーミラ隊、わたしにも、向かってくるのはジャム機と認識される。おそらくこれはジャムによる欺瞞操作である。そちらの情報によりエラー訂正を行う。情報を送れ。できれば機上員による目視情報が望ましい〉
〈こちらSTC、背後に本物のジャム機群が接近していると予想される。見落としてはならない〉
パニックの中、修理を終えた雪風が、深井大尉を乗せて戦闘空域へ向けて発信するところで、この本は終わる。
「一つ、訊きたいことがあるんだ」「おれと雪風の関係だ。きみはたしか、雪風を他者と認めつつ、それはまた自己の一部でもあると意識するのは、人間にとってさほど珍しい現象ではない、人間にはそういう能力がある、と言ったな。病気などではない、と」「具体的には、どういうことなんだ」
「知っているくせに。あなたは、ブッカー少佐にそう言ったでしょう、知っているくせに、と。照れくさくて言えない気持ちはわかるけれど、いいわ、わたしが言ってあげる。それは、その対象を愛する、ということよ。あなたと雪風、特殊戦の戦闘機械知性体とその人間たち、それを結びつけているのは、愛する、という能力なのよ」
「お笑いだよな」
「そうね。もっともそれから遠いと思えたそれらが実はそうだというのは、わたしにとっても笑いたくなる見方よ。でも、事実だわ。愛には、こういう形態もあるのよ。相手を、自分自身として感じ取れる能力。浮ついた恋愛感情ではなくて、生き残りのためならばその自分の一部を犠牲にすることもいとわない、という厳しいものよ。ジャムにも教えてあげるといい。ジャムは、愛を知らない。ジャムの特殊戦に対するわからなさを文学的に表現するなら、そういうことなのよ」
引き続き、オーディブルは、M.W. クレイヴン『恐怖を失った男』を聞き始める。
元連邦保安官局特殊作戦群(SOG)の指揮官ベン・ケーニグはある事件をきっかけに姿をくらました。ベンは罪を犯したわけではない。闘犬に幼い子を食い殺させる様子を金持ち向けにライブ配信する邪悪な組織を壊滅させる作戦に従事中、幼女を抱きかかえた犯行グループの若者を射殺しただけだ。だが、その若者の正体は……。当時のボスであり親友のミッチが、非常手段でベンに連絡をとってきた。娘のマーサが行方不明になったという。
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