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#朝ラン #早朝ラン #ランニング
オーディブルはダニエル・ソカッチ『イスラエル 人類史上最もやっかいな問題』が今朝でおしまい。イスラエルとイランが戦争状態にあるいま、この本を読んでよかったと心から思う。曇りなき眼で見定めたいと願うすべての人に、おすすめ。
◎アパルトヘイト
・グリーンラインの内側(イスラエル側)は脆弱で欠点だらけで差別も不平等もあるし、いまだ道半ばではあっても、独裁国家とはほど遠いことは認めざるを得ないはず。
・グリーンラインの外側(占領地)は南アのアパルトヘイトと酷似している。「現状はあまりにひどく、そんなややこしく不完全な比喩を使うまでもありません」
◎アンチセミティック(反ユダヤ主義)とイスラエルへの批判は切り離されるべき。それが混同されているかを見分ける方法
・その批判はユダヤ人を「世界情勢を陰で操る黒幕」と決めつけているか?(陰謀論)
・その批判はユダヤ人の歴史を否定しているか(ホロコーストはなかった。誇張されているなど)、またはイスラエルの歴史とユダヤ人のつながりを否定しているか?(現在のユダヤ人と何千年も前にイスラエルに住んでいた人とのあいだにはつながりはない、エルサレムにかつてユダヤ神殿があったという証拠はないなど)
・その批判はイスラエル政府がすべてのユダヤ人を代弁していること、あるいはすべてのユダヤ人がイスラエル政府を支持していることを前提としているか?
◎イスラエルとアメリカのキリスト教シオニスト(福音派)の関係
・アメリカ人の1/4が福音派キリスト教徒、そのうちの80%が「ユダヤ人のイスラエルへの帰還と国家建設がイエス・キリストの再臨が近いことを示す聖書の予言の成就だと信じているという。
・福音派の大多数にとって、イスラエルへの支援は重要度の高い宗教上の義務であり、共和党内のイスラエル擁護派として大きな影響力をもつ。「神が国をどう処遇するかは、その国がイスラエルをどう処遇するかにかかっていることが歴史と聖書により証明されている」
・アメリカにはイスラエルを支えるという使命があると信じられ、トランプは「ユダヤ民族を救う」任務を神から授けられた人として、その奔放な言動が黙認されているという。彼らにとって、トランプは「現代のキュロス大王」である。古代ペルシャのキュロス大王が6世紀にバビロンを征服し、ユダヤ人捕虜を解放したおかげで、ユダヤ人はエルサレムに帰還して神殿を再建できたことになぞらえ、トランプはキュロス大王と同じく信仰が薄く、性格に欠点があるが、神の道具として奉仕するべく選ばれたのだと。ネタニヤフも、「ユダヤ人がキュロス大王を記憶するように、イスラエルはトランプを記憶するだろう」と述べてトランプを持ち上げた。
・アメリカ最大の親イスラエル団体は、「イスラエルのためのキリスト教徒連合(CUFI)」であり、AIPACよりもJストリートよりもアメリカシオニスト機構よりも大きい。CUFI代表のジョン・ハギー牧師はトランプにアメリカ大使館をテルアビブからエルサレムへ移転するよう説得したとされる。ネタニヤフもこれを歓迎し、アメリカのリベラルなユダヤ人主流派とは距離を置く。
・福音派の信じる「天啓史観」は、携挙(真のキリスト者は天に)→艱難(反キリスト者が台頭、ゴグとマゴグの戦い)→ハルマゲドンの大決戦(イエスが再臨、イスラエル北部の平原で反キリスト者の軍を破る)→御国の時代(善人が勝利したあと最後の審判)→千年王国(キリストが地上に君臨)→「最後の戦い」で物語は終わる。これらが起こるためには、まずユダヤ人は約束の地であるエルサレムほかの聖地に戻らなければならない。それが終末時計の開始の合図である、というのが天啓史観で、現代のキリスト教シオニズム運動の中心概念である。
・六日戦争でイスラエルが劇的勝利を収め、イスラエルが約束の地のかなりの部分を獲得したことにより、ハルマゲドン預言産業が成長軌道に乗る。神はユダヤ人に聖地のすべてを約束したと信じているから、キリスト教福音派は領土の返還にも二国家解決にも反対し、イスラエルがどんなに非人道的なことをしようと、熱心に支援する。
・非主流派のユダヤ教原理主義者も、キリスト教シオニストも、エルサレムの神殿の丘に第三神殿を建設することで、「御国の時代」が早まると信じているため、その1点でいまは同調している。天啓史観を信じるキリスト教徒は週末が訪れてユダヤ人の役割が終われば、その1/3はキリスト教に改宗して救われるが、残る2/3は未来永劫呪われると思っている一方、ユダヤ教原理主義者はまったく違う結末が訪れると信じているので、いまのところ、その協力関係が揺らぐことはなさそうだ。
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