ヤマシャクは終わり、一緒に咲ていたラショウモンカズラがまだ持ちこたえていました。
カズラは蔓、つる草の総称ですが、どう見てもつる草には見えません。でもカズラ、その理由は他に譲るとして、何故ラショウモン?
名前の由来は、花を渡辺綱が羅生門で切り落とした鬼の腕にたとえたとされています。しかしこの花、わたしにはどう見ても切り落とされた腕には見えません。
渡辺綱が大江山で酒呑童子を退治した話は有名です。これは後日談、酒呑童子の家来であった茨鬼童子は、大江山から生き延びて京に移っていました。再び渡辺綱、京の一条戻橋の上で鬼の腕を切り落としますが、その後、老婆に化けた鬼に切り取った腕を持ち去られます。これが「羅生門」として伝えられています。
その鬼の腕、どんなもんかな? 歌川国芳の「一條戻り橋のたもとにて髭切りの太刀を以茨鬼童子の腕を斬」を見ますと、切られた鬼の腕らさしきものが描かれています。この花に似ているようにも見えます。
月岡芳年の「老婆鬼腕を持去図」、これはもっとリアルに描かれていて、切断端がスパッと切れてはなく、びろびろと何かが垂れ下がっています。成る程、この花の名前の由来も納得行く事が出来ました。源氏の名刀「髭切りの太刀」、ナマクラ刀だったようです。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する