カラスからのメッセージ①

2022年10月30日 01:03山怪全体に公開

カラスには「死を知らせる」「鳴き声が不吉である」などマイナスのイメージが付きまとっています。もちろん科学的な根拠は証明されている訳ではありません。一方現代民話考Ⅴ「あの世へ行った話・死の話・生まれ変わり」（松谷みよ子著　立風書房）によると、古くから日本全国において「カラスによる死の知らせ」は数多く伝承されているようです。

これは私が経験したことです。7年前母が消化器系の悪性腫瘍に侵され自宅療養を余儀なくされてました。そんな中一羽のカラスが私の職場に現れ、玄関先のドアを嘴でコツコツと突く様になりました。何度か追い払いましたが電線に留って「カアカア」と鳴きながら私を見ています。ごみ置き場がある訳でもなく、今までカラスがこういった行動を取ることを見たことがありません。ドアの前に再び戻ってきては同じ動作を繰り返します。何の危害を加えるわけではないので無視することにしました。そんな事が数日続いた後自宅療養していた母は亡くなりました。不思議なことにその後カラスはぱったりと来なくなりました。以来このことを振り返ることも無くなりました。
最近隣の職場で働くKさんと話す機会がありこのカラスの話題になりました。その当時彼女は毎朝職場近くを清掃しておりこのカラスの存在を知っていました。「優しい顔をしたカラスだった」「お母さんがカラスに成り変わって最後の別れに来たのよ」と答えました。彼女はそういった感覚を持ち合わせているのでしょうか。私は「まさか！」と思いましたが少し切ない気持ちにもなりました。半信半疑ではありますが先の本を読み返してみるとあり得る話ではあります。

この話をした翌日から2日間休暇を取り岩手の山に登る事にしました。そこで再びカラスにまつわる不思議な体験をすることになります。
つづく。

2022-10-17 鷲ヶ巣山余談～山中で不気味な笑

2022-10-30 続・鷲ヶ巣山余談

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