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大神神社 三輪山登山(467m)】
奈良・桜井の「三輪山」で直ぐに脳裏をよぎるのは万葉集、額田王の詠んだ「三輪山をしかも隠すか雲だにも心あらなむ隠さふべしや」
三輪山は円錐形の優美な山だ。古来より神の鎮まるお山として日本の黎明期から大物主神の鎮まる神体山として信仰され、三諸の神奈備と尊ばれてきたお山である。
山の一木一草に至るまで神宿るものとして切ったりなんざもってのほか。そんな山の保護により山全体が松、杉、檜などの大樹に覆われてる。
山そのものが神である為本殿 は設けず、拝殿の奥にある鳥居を通し三輪山を拝するという、土着的な原始信仰の影が色濃く残る神社であり、然我が国最古の神社のお墨付き。
前置きが長くなった。登山口の狭井神社で300円の初穂料を支払い入山手続き。御参りの証、白襷を首にかけていただき謙虚な気持ちでお参り開始。建前的に登山ではなく、あくまでもお参りである。
三輪山は御神体山。火気厳禁。カメラ撮影禁止・弁当などの飲食禁止。許されるのは水だけである。入山時間制限も午後2時までに。
登山の前に厳格な禁則事項の厳守が義務付けられ署名させれる。
道はしっかり整備されており全く不安はない。
登山口からに20分ほどで細い滝に出る。入山する前に水垢離する滝である。
滝は三島由紀夫の「豊饒の海」4部作のなかの第2巻「奔馬」で、主人公が水垢離する場面が出てくる。三島由紀夫も自ら水垢離体験をしている。
実は私も何を隠そう20代のとき、作曲家、黛敏郎氏と御一緒にこのお山に登っている。奈良、橿原である催しが開かれ最後の打ち上げ会が希望者を募った三輪山登山であった。
当時は人一人が通れる程度の、草が靴先を湿らすほどの”野生の山”の趣であったが、光陰矢のごとし、月日は山道の様相をも変えていた。
中腹から途中途中に小さな磐座が顔を出す。急坂が続くな?と思った頃、高宮神社に到着。さらにその奥に巨岩が密集した頂上となる奥津磐座が出現。
山頂の神がお住まいの岩磐は、過去の山では経験したことのない厳かな威厳のある”気”に満ち満ちている。この磐座周囲からは、表現は難しいが周りの人も木々と一体となって独特の静寂感に包まれる。
この感覚はやはりこの山に登り、自らの身体、精神で体験していただかないことには・・・・・。私はただただ「ははー」とひれ伏し、頭を垂れるしかありませんでした。
往復2時間の貴重な体験をさせていただいた。
・山そのものがご神体のため、本殿のない美輪神社
・「輪山をしかも隠すか雲だにも・・・」と謳われた三輪山
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