身体中から温泉の硫黄臭をプンプンさせ二週間の秋旅からつつがなく帰宅。
玄関を開け帰宅一声「タダイマ!」喜び勇んで自慢のシッポを振り振り出迎えてくれるのはいつも決まって子供達二人(ワン公)
居間に入ると賢妻がソファーにどっしり居座り私を一瞥凝視。典型的な目は口程に物を言っていなさる。
(ありゃま、帰ってきなすった ヤレヤレ因果応報なコッチャ)と目がそう語っていなさる。
テーブルには煎餅と飲みかけの渋茶。先ほどまで自分の気楽な世界を謳歌満喫慕っていたようだ。
「ハイ!これ、信州土産の野沢菜」と、袋綴じの空いた、食べ残しの野沢菜を恭しく差し出す。
一夜明け、寝床から這い出し、なぜか恐る々卑屈になって台所に伺う。
賢妻は私を一瞥しながら、お土産の野沢菜を肴に渋茶を啜っている。
賢妻に直立不動体制で「オハヨウ」と一礼挨拶。なぜか緊張感をもってテーブルに座る。
横目でチラッと賢妻の今日の御機嫌具合を目踏み。暫時瞑目し賢妻の第一声を厳かに待つ。(いや〜長旅から帰ると気を使って大変なんですから)
意味もなく傍らの子供たち(ワン公二匹)の頭をナデナデ(愛しんでくれるのは子供たちだけだ) 「フゥ〜」と体内に溜め込んでいた吐息を吐き出す。
私も野沢菜を一切れ食し、渋茶を啜る。朝のしじまで、のど元を通過した渋茶が「ゴクリっ」と喉音を奏でる。
「この野沢菜塩見が薄くて美味しいね。800円したんだ。店のおばちゃん消費税負けてくれたよ。ハハハのハ。
さてと、子供たちと散歩にいくとするか。我が家の平穏な日常の始まりだ。
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