徳島県最大の滝は有名で観光ガイド書にも記載されており、且つ、剣山の見ノ越に至る国道438号沿いにあるから、大半の四国の登山愛好家はご存知でしょう。
そう、つるぎ町の鳴滝(85m)です。四国四県の最大の滝の内、最も整備されているにも拘わらず、落差は四国最下位となっています。
貞光川の支流、成谷に懸かる滝で大きく分けると三段になって落ちており、最上段が40m、二段目が25m、三段目が20m。が、細別すると七段になっており、それ故、元々は七滝と言われていたと言います。徳島藩主(「阿波藩」と言うのは誤り)、蜂須賀公も三度、訪れて愛でたと伝わっています。
国道の鳴滝バス停前がかつては滝見台だったようですが、現在は工事関係の事務所となっていて立入禁止。しかし滝までは車で行けます。土釜トンネル北口に標識が出ていたと思いますが、滝の駐車場からは徒歩5分位の遊歩道が整備されています。紅葉はもう少し先。
土釜(どがま)も見応えのある景勝地(駐車場はないのでトンネル周辺の路肩に駐車)で、甌穴の一種になると思いますが、その規模は四国最大級。三つの釜が滝で繋がっています。
この近くの登山対象山としては北から、友内山(1073.1m)、志貴岳(1073.3m)、毘沙門岳(978.2m)、秋葉山(1110.3m)、津志嶽(1493.5m)、八面山(1312.3m)等があります。
余談ですが、国道438号沿いの貞光の岡地区には、文久2年2月、坂本龍馬に番傘を貸した徳島藩士、岡氏邸跡(無名伝承地)もあります。その番傘は触らせて貰いました。
尚、その時の龍馬の足取りを追った私の写真展を2年前、近隣の道の駅施設で開催しました。
高知県最大の滝は、香川県と同様、垂直落下型の落差約100mの滝で、大川村の小金滝です。滝の駐車場から遠望すると、はるか彼方に見えますが、実際は40分ほどで到達できます。但し、道は不明瞭で分岐に道標が一切ないため、無名峰登山未経験者はすんなりとは辿り着けないかも知れません。
一応、アプローチから解説すると、国道194号を西条市からいの町へと南下し、本川トンネル手前で県道17号へ左折。後は現地にある標識を見逃さなければ駐車場まで行けます。
トイレ横の壊れかけた手すりのある小径が登山道です。説明が難しいのですが、地形図「土佐小松」にある、標高430m地点の建物マークのやや手前の藪に隠れた三叉路を左折します。一応、ピンクのマーキングテープが付けられています。
これに気付かず、細長いヤブの平地に出てしまったら、平地を北に進みます。崩れて屋根だけになった小屋が、前述の建物マークの実態です。
小屋の水槽跡を過ぎた所で正規コースに出ます。
真っ直ぐ進むと、滝から続く沢の手前の、やや窪地風になった所に至りますが、そこには北側と、北東方向の二方向にピンクのテープが付けられています。正規コースはヤブに隠れた後者の踏み跡ですが、正規コースを辿れば、小金滝の最下段の滝を見られないので、沢沿いを適当に滝音のする方へ、這い上がって行った方がいいかも知れません。
最下段は四段目位の滝。そこで小休止後、滝の右側の岩盤に沿って東に上がって行くと、獣道程度の正規コースに出ます。後は踏み跡を忠実に辿って行けば、二段目の滝壺に出ます。同じ垂直落下型(一段目が)の稚児ケ滝や高瀑よりは水量が多く、豪快さが感じられます。
尚、三段目の滝は岩盤を伝う渓流の様相。
この近くの登山ができる山と言えば、滝の背後の稜線の山、三滝山(1110.6m)や井野川山(1341.9m)、吉野川を挟んだ南方の能谷山(おだにやま・1196m)がありますが、どの山も展望は皆無で、一般向きではありません。コースガイドを掲載している市販ガイドブックも拙著位でしょう。
展望の優れた有名峰なら、北東の県境にある野地峰(1279.4m)や南東の岩躑躅山(いわつつじやま・1102.8m)等。
尚、野地峰山頂からは以前触れた、私が全国誌に「土佐のマッターホルン」として紹介した大登岐山(1477m)の尖峰を遠望することができます。
山ヤなら是非、地元や周辺県の最大の滝を探訪せられよ。
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