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結論から書いてしまえば、街道歩きに体力なんて必要ありません。
江戸時代に、江戸と伊勢あるいは京をどれくらいの人が遊山していたのか、当時の人口からの割合とかまではわかりませんが、それなりの人が江戸と伊勢・京を往来していたものと思われます。忘れてはならないことは、彼らは「往復」していたのです。
学術レベルのデータを見てみると昔の人の１日の街道歩きの距離は
成人男子 ９〜１０里
女子 ６〜８里
主命を帯びての武士 １２里
馴染みの深い『東海道中膝栗毛』の弥次・喜多だと、江戸から四日市まで１２日。江戸から小田原までは２日で歩いいて、この江戸〜小田原の２日というのは一般的だったようなので、小田原〜日本橋を３日で歩いた私からすると、やはり当時の人は健脚だと実感させられます。それに連中らは歩くだけでなく、宿に着いてからも酒に女にとパワフルなのである。（東海道踏破でなく、単に小田原〜東京間のみなら２日で歩くことも難しくはないと思います）
なぜ、「体力なんて必要ない」と言うと、
１９日間歩き続けて、疲れなかったからです。疲れがまったくなかったかと言えば語弊がありますが、朝疲れてしんどくて動きたくないということは一度もありませんでした。
東海道を踏破した４日後には、兵庫で仕事の帰り２０キロほど山越えして帰ったくらいです。
では、私がもともと体力があるのかといえば、それほどでもありません。
地元では「六甲全山縦走大会」という山歩きの大会があります。
公称５６ｋｍ、累積標高３０００ｍ。ルート的には８時間くらいで走る人も多くいますが、縦走大会は走ることは禁止されており１３時間前後で歩く人が一般的のようです。そして完走率はだいたい８０％。８５％という高い完走率の年もしばしばあります。
私は２大会、３回自主の計５回トライし５回とも完走はしているものの、、最大制限時間１７時間４０分のところを１５時間前後かかっています。
また、余裕のゴールではなく、前半でヤバくなるくらい、毎回、かなり厳しい内容です。
「六甲全山縦走大会」と「東海道五十三次の１９日」どちらがハードかと聞かれれば、
「六甲全山縦走大会」と、即答します。
私の歩いたデータから分析した東海道急坂ランキングですが
１位 箱根東坂の「橿木坂」 １kmで標高差１２４ｍ
２位 日坂宿と金谷宿の間の「青木坂」 １１８ｍ
３位 箱根西坂の「上長坂」 １０６ｍ
４位 箱根東坂の「西海子坂」 １０１ｍ
５位 鈴鹿峠と坂下宿の間 ９６ｍ
５位 金谷宿 金谷坂 ９６ｍ
特に箱根東坂の橿木坂・西海子坂あたりは東海道屈指の急坂が連続していて５kmで４８８ｍの標高差。
とはいうものの、六甲全山山縦走で見てみると、塩尾寺あたりで１kmあたりの標高差１９４ｍ、稲妻坂１８２ｍ、高取山１７８ｍ、菊水山１７１ｍと、１kmあたり１５０ｍの標高差は普通なのです。１kmで標高差１３０ｍというのは桜茶屋から稲妻坂に入るまで。こうやってみると六甲全山縦走はやはりそれなりにハードなんですね。
４話の「宿泊」の回に書きましたが、
私の場合、１日の平均歩行距離は３６.３キロ。３５キロ未満の日が９日、３５キロ以上の日が１０日でしたが、
大切なことは、
飛脚じゃないのだから、街道歩きは、無理なくマイペースで歩くことだと思います。
箱根越えに２日かかっても全然問題ないと思います。私は全行程を１９日で歩きましたが３０日かかっても良いと思います。
私は連泊することなく、雨の日も楽しんで歩きましたが、
疲れたら連泊したり、雨の日は休むというのも悪くないと思います。
それも「旅」だと思います。
とは言うものの、ネット界を徘徊していたら「１日に２０キロも歩くなんてスゴイ！」とか、中には「１０キロも歩くなんてスゴイ！」という書き込みもみられます。
旧街道を１日何キロ歩くかはともかくとして、「１日に２０キロ歩くことがスゴイ！」というのは、少々、日常歩いていなさ過ぎではないだろうかと思ったりもします。
仕事で地方に行くことが多いのですが、地方では１家に自動車が２台とか３台って当たり前で、５００ｍくらいのところに行くのも車で移動。駅から２０〜３０分歩いて来ましたなんていうと仰天されることも珍しくないことは、隣町まで１０キロ歩いて行けとまでは思わないものの、少し考えものだと思ってしまいます。
写真は左から、鈴鹿越え、箱根越え、六甲全山縦走の標高グラフ
●自分の記憶を整理するためにも、街道歩きに関して、質問等をお寄せいただければ、うれしく存じます。コメント欄からでもメッセージからでもかまいません。お待ちしております。
東海道五十三次 一気通貫（京都三条大橋から）
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3757337.html
前哨戦（神戸→京都）
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3753202.html
東海道五十三次 もし歩くなら? �‘�数 �∋峺�性 �５�離 �そ蒜顱´ト駘�
現代において歩くとほぼ舗装路になるのでしょうか?
そうすると東海自然歩道を代替で歩くのが良いのかな〜
（これはこれでスルーハイクしたいです）
できればわらじで歩いてみたいものです。（木枯し紋次郎スタイル？）
もう30年以上も前にネパールトレッキングしましたが、街道沿いは日本の江戸時代って
見たことないけどこんな感じだったんだろうな、というところもありました。
コメントありがとうございます。
旧東海道は、鈴鹿峠の東側の山道、菊川・金谷の石畳、薩埵峠、箱根の一部の山道と石畳を除くと舗装道です。関宿のように古い町並みがそのまま残っているところや、江戸時代の街並みではないものの街道風情が残っていることもありますが、そうでないところが大半とも言えます。
「東海自然道」ですか・・・ 新たな誘惑やな・・・for me........
昔の人はよくわらじで歩けたなと感心します。あと、とても身軽ですよね。
ネパールのトレッキングのブログなどはないのですか？ 興味津々です。
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