唐突に思い出したので書いておく。
昨年12月半ばに訪れたかぐらスキー場での出来事だ。
その日は晴天で、まだ滑れるスキー場も少ないとあり普段はあまり混まない田代エリアまてかなりの混雑だった。
田代第2ロマンスリフトも長蛇の列。かぐらエリアに帰るために俺もその列に並んだのだが、最初、その列は横2人並びで形成されていた。
リフトはペアなのでこれは自然なことだと思った。
そこへ、リフトの方から一人の男性が歩いてきて、並んでいる人々に向けてこう言った。
「こちら(リフトの方)に詰めて、広がって並んでください」
つまり、しばしばリフト待ちで「自然形成」されるような扇形の待ち行列を作れ、というのである。
今「待ち行列」と言ったが、扇形のあれはどう見ても「列」ではない。
たとえば扇の「裾」の方では横10人並びだったとして、それがリフトに近づくに連れ徐々に9人、8人…と減っていき最終的には(ペアリフトなら)2人並びに収斂するまての過程で必ず「合流」が発生する。この合流過程を経て現出する「リフトに乗れる順番」が、「列に並んだ順番」と一致する可能性はほとんど無いということは直感的にわかる。つまりどこかで必ず、というか頻繁に、「割り込み」が発生するのだ。当事者同士がそれを割り込みと認識するかどうかにか関わらず。
そのような不平等で、並んでいる立場からすればいつリフトに乗れるのか保証のない、ストレスフルな並び方が、滑走者たちによって自然形成されてしまったものなら仕方ないが、当初そうでなかった(「平等」だった)ものをスキー場運営側が積極的にそのようにする、というのは一体どういうつもりなのだろうか。もし列が長くなることでその他の利用者の邪魔になる(そのときは、確かにコースからレストハウスに出入りする動線上に列が作られてしまってはいた)というならある程度の理はあるが、それならそれで、ロープを貼って「道」を作るなりして、「2列」を保ったままで並び列が邪魔にならない位置になるよう、策を取るべきだろう。
実を言うと、この呼びかけをした人はスキー場スタッフの制服を着用していなかったので、本当にスキー場関係者だったのかどうかはわからない。「ただの客」が勝手にそのような呼びかけをしたという可能性も一応考えられる。
そのため、プリンスグループのwebサイトにある問い合わせフォームからこの件について問い合わせを送ることにした。もし「当スキー場ではそのような案内はしていない」という回答なら、かぐらスキー場は「潔白」であり、スキー場の名誉のためにも改めて日記で報告したい。逆にあれがスキー場関係者による呼びかけだというなら、改善を要望するつもりである。
そのときには、(英文なのが惜しまれるが)以下の記事も参照してもらうつもりである。
http://ameblo.jp/tonakai-no-hitorigoto/entry-12117725277.html
("Secondly I was impressed by the neatness and orderly organized lifts' lines"以下)
各国のスキー場では様々な方法で割り込み(cut the line)をしないよう指導している、という趣旨のことが書いてある。
日本ではそのような姿が全く見られないのを苦々しく思っていたが、さらに逆を行って割り込みを「推奨」しているとなれば苦々しいを通り越して悲しいものがある。
ちなみにリフト乗り場を観察していると割り込みの「被害」を最も受けているのはスノーボーダーである。そして「犯人」はほぼスキーヤー、特に高齢者とジュニアレーサーが多い。
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