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意味:だらしがない様子。しまりがない。
主に九州地区での引用例が多く、鹿児島では「だらしのない人、締まりのない」、熊本では「服装がだらしない、着崩した状態」などという意味でも使われているようです。
でも私がこの言葉を知ったのは、福岡のとあるラーメン店でした!
今ではラーメンの一大ジャンルになっている「とんこつ」ですが、色々と地域の名や素材を冠したネーミングがあります。
私は九州で生活していた時期が長いので、それなりに食べる機会は多かったと思いますが、中でも好みだったのが『久留米ラーメン』でした。
そして、その中で最も衝撃を受けたのが、『どトンコツラーメン 魁龍(かいりゅう)』でした。
分かりやすく言うと、(昔ながらの)久留米ラーメンはそのスープに最大の特徴があり、『ドロッ』としています。24時間火を絶やすことなく豚骨に火を入れ続け、スープには文字通り骨の髄まで溶け込んで、まさに動物100%の純スープになります。
しかもその鍋に素材をつぎ足し続ける『呼び戻し製法』により、その深みと純度は変わることなく、続いていくという普通の飲食店では考えられない作り方をしているのです。
さかのぼること20年前、北九州に仕事で赴任した私は、当時の勤務先の学生アルバイトに連れられて『魁龍小倉店』に行きました。
当時はまだ今ほど豚骨ラーメンというのは全国区になってはおらず、ラーメンと言えば『札幌味みそラーメン』や『しょうゆ味の中華そば』やそこから派生するものが主流でした。
そんな『豚骨童貞』の私がいきなり食べたこの『久留米どトンコツラーメン』はあまりに衝撃で、今でもその時のことは覚えています。
スープを口にするとまず漂うのはツーンとしたアンモニア臭…
そのあと、旨味が口の中に広がった後には、優しい甘みが口の中にずっと残るのです。
「こんなスープ、口にしたことない」というのがまず感じた印象。
この瞬間、私の中で「とんこつファーストインプレッション」が強く刻まれることになりました。
初めて味わう動物性の臭みと旨味を舌で確かめながら、気が付いたら丼のスープをすっかり飲み干していました。
最後に丼の底には、ドロッとした細かい砂粒のようなものが残っており、
「あ、これがブタの骨髄か…」と思いながら、最後までその残留物を啜り尽くしていました。
その日の夜は、胃の中がいつまでも温かくて気持ち良かったのです。
しかし、翌朝にはお腹を下しました...
どトンコツの洗礼を受けたわけですね(笑)
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さて、そんな鮮烈な思い出から早20年!
やっと息子を「どトンコツ」に誘う日がやってきました。
訪れたのは福岡国際空港近くの「魁龍博多本店」。
私が福岡に住んでいた頃はお会いした記憶がなかったのですが、入店するなり店主の森山氏にお出迎えしていただきました。
着席直後に「ずんだれがおススメ!」
「え?ずんだれ?」
「ずんだれ」とは、要するに麺の湯で上がりを示すことばです。
関東の九州系ラーメン店では「かため」とか「バリカタ」とか聞いたことあると思いますが、「ずんだれ」はいわゆる“やわらかめ”を示します。
「だらしない」とか「締まりのない」って意味が正直印象悪いですが、店主の森山氏にすすめられるまま食べたこの「ずんだれ」が“久留米ラーメン”ひいては“とんこつラーメン”の唯一の正解のような気がしてなりませんでした…
実は何度かこの魅龍には食べに来ていたのですが、そんな声掛けをして頂いたのは初めてでした。
聞いてみたところ、私が住んでいた当時、創業者の森山氏は多店舗展開に着手をしていたが、その後の紆余曲折を経て、今では小倉店を弟さんに譲渡し、この博多本店を自ら陣頭指揮をとって営業されているとのことでした。
ラーメン店に限ったことではありませんが、自分の全てを懸けて営んでいることには尊敬の想いしかありません…
このお店の詳しいことはぜひ!現地を訪ねて体験していただきたいです。
ということで、ラーメンラーメン!
20年前と変わらぬ動物性150%のアンモニア臭とこってりの旨味。
そしていつまでも香り残る甘味の余韻…
私はいつもおにぎりを注文します。なぜなら白飯にだけつけることを許された「魅獣みそ」をたっぷりと味わうことができるから♪
ぜひ、福岡へお越しの際は一度味わってみて下さい。
前代未聞、衝撃のどトンコツが貴方をまっています…
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魁龍 博多本店
https://kairyuramen.com/
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