ガイドツアーの保険云々とか呟いていたら、なんかガキの頃に読んだマンガを思い出してしまった。
▪️登場人物
A
ある業界で良識的な事業を行う中小企業経営者。
B
Aと同業界で、時には詐欺紛いの取引も率先して行う、やり手の企業経営者。
かつて、半ば成功していた詐欺を、Aの善意の行動により暴かれ、業界内での信用を失い、自社の経営が傾いたことがある。
C
同業界の中小企業経営者。プロフェッショナルとして際立った腕と経歴を持つシニカルで虚無的なキレ者。独立し業界内で地位を築く前には、Bの下請けとして、リスクが高いグレイな仕事を劣悪な条件で押し付けられた過去がある。
▪️ストーリー
Aを恨みに思うBが、架空の詐欺に近しい取引を代理人を用いてAに持ちかけ、業界では慣習的に使用される保険を故意に契約せず、かつ、意図的に事故を引き起こし、その対物賠償責任をAに押し付け、AとAの企業を倒産させようと企てる。
Cは、偶然にその取引を知り、Bの企てを察し、Aに暗示的に忠告する。また、その際のAの良識的な人格と経営姿勢に感心する。
事故後、BはAに保険を掛けていないことを知らせ、Aに損害賠償請求をする。Bは、「保険に入っていないんですか?」と青ざめる。そこに、何故かCが現れて、それっぽい屁理屈を並べ、かつ、Bの過去の悪事を暴露すると脅し、Bの損害賠償請求権を反故にさせ、Aを救う。
こんな、いかにもマンガちっくな、バカバカしい勧善懲悪ストーリー。
まぁ、ツッコミ盛りだくさん。
まず、Cは保険会社でも弁護士でもないのに、なんでこんなこと出来るかね?って言うか、逆にBから恐喝や名誉毀損で、「出るとこ出ましょうか?」になるよね?
あと、Aさん。業界内での経験が長い経営者なのに、なんで保険の有無もチェックせずに仕事を受けてるの?「保険に入ってないんですか?」じゃないよね?それを確認しないで契約したこと自体は、アンタの過失でしょ。
なんかねぇ、少年誌ならともかく、青年誌でこういうバカな話が作品として成立してたのって、何か凄いなと。
まぁ、マンガなんてものは、全てを正しく描いたら成立しない。
多少は荒唐無稽でも、読者が理解・納得し、共感しやすいストーリーが大事ってことなんでしょうけど、それにしても、随分とimmatureというか、ガキ臭いというか、稚拙。
なお、自分は別に保険会社勤務でも、弁護士でもないです。けど、自分くらいの世代まで真面目に働いてきていれば、割と色々な事例に接したりするし、こういうことってある程度はわかるものじゃないですか。
弁護士や法曹を目指すわけではなくっても、業務上の必要性から、民法なり(英米の)common lawなりを、そこいらの専門職と対等に議論できるレベルまでは勉強しなきゃいけないとか、普通にあるでしょ。
弁護士に勝てとまでは言わなくても(そもそもバッチがなきゃ、土俵に立てないしな)、弁護士と話し使い切るとか、取引先とのトラブルに対する方針や経営方針を決めるのに必要だし。
先方との基本契約、Master agreementの内容をサラッと見て、先方の主張を理解出来れば、素人考えでもパッと見で、
「これなら、最悪、ガチガチの叩き合いまで行っても、7割方はfavorableで行けるな。まぁ、その前に落とし所つくだろうけどなwww。
顧問先生、要確認だけど。」
みたいになること、ありません?
この荒唐無稽なストーリーを見て、そんなことを思ってしまった次第。
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