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沖縄本島西海岸の主要道路58号線を60kmほどひたすら北上し、
最北端の辺戸(へど)岬を経て、
さらに東側に周り込んだところにある集落です。
おそらく、沖縄の一番「奥」にあるから奥という集落なのでしょう。
ちなみに、国道58号線、およびそのまま続く県道70号線の起点の集落です。
名護を出たのが18時ごろ。
夕食の19時には到底間に合いそうもなかったので連絡を入れると、
「大丈夫ですから気を付けてきてください」と言ってくれたのがとてもうれしく感じました。
ひたすら1本道を走るだけなので迷いようもありませんが、
国頭村役場のある辺土名(へんとな)を過ぎたあたりから、
前にも後ろにも、対向車線にさえ車は走っていない状況に。
さらに、辺戸岬を過ぎるとくねくねとした山道になり、
道路照明もなくなるのでもんのすごく心細し。
やっとこさ奥にたどり着いたときは心の底からホッとしました。
宿についてみると、なんとお客さんは私一人。
「だから、ゆっくりでよかったんだよ〜。」
そうだったのか。ならば教えてくれてもよかったのに。
この宿は食事が想像以上においしく、半端なく量が多かったのであります。
ご主人が海に出て海ものを採ってくるし、
野菜は自家栽培しているしで食材にこだわっているそう。
「こんな辺鄙なところに来てもらうのだから、
食事だけはおいしいものをおなかいっぱい食べてもらいたい」
という思いからだそうです。
いかにも山奥に住んでいそうな、
仙人みたいな風貌のご主人が作ったとは思えないお料理の数々でした。
黙々と夕食を食べて、
静かな夜をまったりと堪能するかと思っていましたが、
話好きで酒好きなご主人とくだらない話をぐだぐだしていたら、
結局、鬼のように飲んだくれてしまいました。
ところで、なぜこんな辺鄙な集落に訪れたのかというと、
この旅の目的の一つ、「ヤンバルクイナを見る」ためであります。
夕食中「ケケケケケケケケケケェ〜」と、ひときわ高い鳴き声が聞こえ、
「あ、これヤンバルクイナだよ」と教えてもらいました。
わはぁ〜。鳴き声聞こえた。これだけでも満足と思っていましたが、
「こんなの毎晩聞こえる」のだそうです。
雨上がりに活発に行動するそうなので、
今日のようにしとしと雨が降ったりやんだりする日は、
ヤンバルクイナ日和なのだとか。
そう考えるとこの天気がありがたくなります。
翌朝。
ヤンバルクイナが一番活動するのは太陽が登り切ってしまう前、
薄暗い時間帯と教えられたので、
6時過ぎ、眠い目ともたれる胃を抱えながら車で出発です。
ヤンバルの山道を2−3キロ走ったあたりでしょうか。
道路をトコトコトコと歩く鳥が…。
あれ？今のクイナさん？
あれ〜？と思っているとまたトコトコと歩く鳥。
やっぱりクイナだ！！
次は2羽連れ。
また1羽。
・・・と、7−8羽はいたでしょうか。
でも、写真に撮れるようなスピードで歩いていません。
同じ飛べない鳥でもライチョウのポッテポッテと歩くスピードとはまるで違います。
シュタタタタタタタタ〜と足が忍者のように動いています。
7−8キロ走って引き返す時も何羽か見かけました。
と、ある1羽がシュタタ〜と道路を横切り、
斜面を駆け上がったところで安心したのか、
その場に止まって毛づくろいを始めました。
2枚目の写真、クイナさんだってなんとなくわかります？
わたくしの撮影技術ではこれが限界でございます。
とはいえ、大満足です。
宿に戻り、朝食前に奥を散策。
すぐ近くに海がありますが、
ここは沖縄か？と一瞬わからなくなるような、
緑が深くのどかな田舎の風景です。
なんとなく、屋久島を思い出しました。
これまたおいしい朝食をのんびり食べ、
名残惜しいのですが9時過ぎに宿をチェックアウト。
今日はこのまま那覇に向かわなければなりません。
ここにはもう少しゆっくり滞在したいと思ったのでありました。
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