・[写真1] 恵那山_前宮ルート図
・[写真2] 空峠上部からの恵那山
・[写真3] 枝沢と一の沢本流との出合部(手前が枝沢、奥側が本流)
さて前回からの続きですが、これまでの概要ルートは写真1に掲載した前宮ルート図に照合してもらえれば解りやすいかと…。
赤実線ルートは往路を…、緑破線ルートは復路の遭難ルートを示し、アルファベットを付したポイントは主要な通過点やイベント点となっています。
写真1の[休憩地点(2060〜2090m)]にて昼食&休憩後12:50頃に復路へ就きます。
復路はもちろん往路を辿りますが、空八丁(G点)を通過する辺りまでは広い尾根のため稜線がはっきりしません。
最近の登山者もいなかったようでスタートからのトレースも私のものだけです。
そのため往路のトレースから少し外れると自分の足跡さえロストしてしまいます。
紆余曲折を経て物見の松(E点)付近まで下って行きましたが、キレット風の細尾根を通過後はまたしても稜線のぼやけた空峠(D点)へと突入です。
空峠では稜線が2方に分かれており、一方は北西へ延びる正規ルート(赤実線)、もう一方は南方へ延びる誤ルート(緑破線)。
この付近で一旦立ち止まり地形図を確認していれば正規ルートへ乗れただろうと思いますが、実際には立ち止まる事もせず、また通過時刻すら確認しないままスルーしました。
想定では多分13:50〜14:00頃通過していると考えます。
そして遭難へと向かう左手(南方)へと逸(そ)れていったようです。
空峠周りは閑散とした松林だったので樹木の間を大きく蛇行しながら進みましたが、周囲は次第にクマザサ帯へと変わっていき更に歩き易くなっていきます。(^_^;)
雪が無ければ正規ルートの踏み跡は現認できただろうし、誤認することも無かっただろうと想定しますが、残雪が10〜15cm有るので踏み跡やトレースは全く見当たりません。
間違いにも気づかずどんどん大きな尾根を緩やかに下っていきます。
しかしそんな気持ちのいい尾根歩きもジワジワと終焉を迎えます。
たぶん尾根から外れ出したのでしょう、勾配が少しづつキツくなり始めてきます。
そしていよいよ大きな岩陰が露呈し始め、とうとうロープ無しでは下降できない位置まで進んでしまいました。(汗汗)
その位置がルート図上の(H点)付近となります。
実際はもう少し北側に位置する枝沢の源頭部辺りだったかも知れませんが、当時はその源頭部が視認できませんでしたのであくまで想定です。
ここに来て「遭難」に気づくという鈍感さ…何とも情けない…(/_;)
慌てて地図を拡げるという怠慢さです。。。。(>_<)
自分のいる現在地を把握しようと空峠〜現在地までの風景や傾斜度合い、歩行時間などを思い起こしそこから割り出した現在地を地図に求めます。
iPhoneを覗き込むと15時を回った頃だったと記憶しています。
つまり空峠から約1時間強進んできたわけです。
本来なら登山時にはいつもプロトレック(腕時計)を装着していくのですが、あいにく自宅へ忘れてきたため標高も判りません。
読図により大まかな標高を判断するしか無いわけです。
周囲の風景から…といっても切り出し地図の限られた情報で、尚且つ視認できるものは尾根形状と目に映る樹木種や地形程度しか有りません。。。
幸いP1492へ続く大きな稜線と一の沢を挟んだ対面に見えるP1815〜P1734〜P1677の稜線が確認できたので、そこから割り出した標高は1450m〜1500m付近で一の沢へ流入する枝沢源頭部付近と想定。
さてこれからどうするか…
来たルートを空峠まで戻り正規ルートに乗るか、下降ルートを見い出しこのまま一の沢沿いに下るか…。
空峠まで登り返した場合およそ2時間程度かかるため空峠到着が17時過ぎ。
日の入りが近い時刻なので標高1800m〜1700m付近でのビバークとなります。
一方一の沢へ下降した場合1150m〜1200m付近でビバークです。
今夜は20時からバドミントンの練習があるためそれまでに帰るつもりでしたが到底ムリです。
体力的に300m〜350m登り返すのがツラく感じています。。。。
自分の中では一定の条件が揃わない限り原則、沢へ下降する事はしません。
よく映画などで「沢を見つけ下流へ進めば助かる」みたいな描かれ方をされていますが、現実的にはそんなに甘く簡単にはいきません(笑)(^^;)
とりあえず休憩をかねて目を皿のようにして地形図を細かく読みます。
で、出した答えは「一の沢沿いに下る」でした(^_^;)
果たして吉と出るや凶と出るや…(@_@)
・過去にプチ遭難した件(その3)へ続く…
間違い点が1箇所有りましたので訂正します。
写真3は[枝沢と一の沢本流との出合部(手前が枝沢、奥側が本流)]と掲載していますが、タイムスタンプを調べたところ翌日(3/23 am9:38)と判明しました。
つまり手前が一の沢本流で奥に見える流れは支流となります。
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