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なぜこんなことを書く気になったか。標記日記に賛同し拍手した人が非常に多かったからです。ドローンパイロットとして仕事もしている私から見ると、標題の記事は全てのドローンパイロットに対する批判に見えてしまいます。そして、その記事に賛同している人がこんなにたくさんいらっしゃるというのが驚きでした。
まず、秋田駒ケ岳でツキノワグマをドローンで追いかけた件の真相はわかりませんので(飛行許可もとらず興味本位での撮影だったのか・正当な理由ありきでの撮影または飛行だったのか)言及は控えます。(Jジャストニュースの取材班も、林野庁他へ取材して、当日に飛行申請はあったのか確かめていますね。この時点では申請がなかったようなので、遊び半分の無許可飛行の可能性は高いでしょう)
https://www.j-cast.com/2021/06/30415003.html?p=all
次に ドローンは無人航空機(200g以上)であれば国土交通省に機体登録と飛行許可申請を行い、既定のマニュアルに伴い飛行訓練を経験しないと今の日本ではほとんどの場所で飛ばせません。(これらの手続きを行わずに飛ばしている連中がいるのも事実ですが、はっきりいって見分けは尽きません。腕章やベストはどこでも手に入りますので。)
ましてや自然保護区域や山岳国立公園などでは国土交通省以外に環境省・林野庁への届け出と許可取得が必要で、いつでも気楽に飛ばせるものではありません。
国有林以外の近隣の低山などの場合は国土交通省の許可証だけでOKの場合も多々ありますが、私有地の場合は地主さんに許可を撮らなければならない場合もあります。
次に、気になった点を。
「尾瀬ヶ原エリアの木道からドローンを飛ばしているグループがいました。湿原の真ん中に落ちたらどうするつもりなんだろう。」
落ちないように細心の注意を払い飛行します。万が一落ちた場合は環境への影響を考慮し、できる限り回収するでしょう。回収自体が環境保全にさらなる悪影響を及ぼす・または危険と判断された場合は放置もあり得ます。こんなことが起こらないよう、国土交通省への機体登録・安全点検が奨励されています。ちなみに尾瀬などの保護区域での飛行には国土交通省はじめ環境省や林野庁、地元管理団体への報告と許可申請が必要なので、機体登録と点検は義務です。
落ちたらどうするつもりなんだろう→車を運転していて事故起こしたらどうするんだろう と同じくらいのリスク感覚と言えばわかりやすいでしょうか。起こらないように慎重に対処するしかありません。それが飛行管理側の責任でもあります。
「大学の研究室等が調査の一環で飛ばすこともあると思うから、一概に禁止しろとは言いませんが。その場合はちゃんと操縦の資格を持った人が飛ばすのでしょうし(そうであってほしい)見た人が不安に思わないように腕章付けるとかして分かるようにして欲しいかな。それ以外の、遊びで飛ばすのは禁止にならないのかなと思う。」
大学の研究以外に、NHKの「北アルプスドローン大縦走」等のTV取材、観光PR映像制作のための飛行、などなど正当な理由でしっかり許可をとって飛行している人たちはたくさんいます。そして、それらはいつでも大人数で撮影チームだとわかりやすい状況とは限りませんし、常に撮影中ののぼりや看板、ベストを表示できるわけではありません。(私もこの冬の北アルプスでの撮影ではそんな余裕はなかったし、チームも私とサポートガイドの2人だけでした。はたから見れば普通の登山者にしか見えません)
ちなみに国土交通省の定める航空法では、関係者以外の人間や施設私有物から必ず30m以上離して飛行させることが義務付けられています。私も実際、他の登山者やヘリなどが接近した場合は速やかに着陸させています。こちらから声をかけて飛行撮影中のためお気を付けください、飛ばしてもいいでしょうかと許可を乞う場合も多いです。
「素敵な映像が撮れたら他のことはどうでもいいんですかね。撮影の邪魔だからと赤城山のツツジを切り倒した人と、いい映像が欲しいから所構わずドローン飛ばす人。私の中では何も変わりません。」
ここが一番気になったのですが。ドローンを飛ばすのはお気楽ではありません。
国土交通省への許可申請は毎年あります。機体が変われば機体変更が必要です。万が一に備えて対人対物保険への加入も必要。飛行の様子は国土交通省へレポート提出する必要があります。地主さんや環境省、林野庁への届け出なども簡単ではありません。仕事でもプライベートでもルールを守って一生懸命ドローンを飛ばしている人たちの方が私は多い気がします。私を含めそれらの人たちが上記のように思われていてはとても悲しいことです。山でドローンを飛ばしているだけで、撮影の邪魔だから木を切った人と同じだ、とは思わないようにしていただきたいものです。
Trans-am2020さん、こんにちは。
お仕事でドローンを飛ばされているとのことで、お気持ち理解できます。
ドローンの件、私も山で飛ばされている方をよく見るようになり、常々気になっていたので、とても興味深く拝見させていただきました。
私自身、国の仕事等でドローンの許可申請をして飛ばしているのですが、墜落した場合の一番のリスクはドローンのリチウムバッテリーによる山林火災だと認識しています。国定公園、国立公園など含めて、山林火災では自然環境、並びに、場合によっては登山者の人命にかかわる甚大な結果となるからです。
また、山岳地域では、崖や渓谷といった場所に墜落するリスクも高く、こう言った場合、特殊な技術を有する会社等に回収してもらうこととなり、相当な支出となります。また、墜落自体の物損、対人被害のために、通常は賠償保険にも加入することになりますよね。
私がお会いした皆さんは、きっときちんとした許可と保険加入の元で飛ばされているとは思いますが、視認補助なしで、お一人で飛ばされている方にもお会いすることがありますので、気になってはいました。
きちんとした許可と保険、方法でとばされている方のためにも、ドローン偏見が生じないよう、許可なしで飛ばされている方がいないことを願うばかりです。
こんにちは,コメントありがとうございます。
おっしゃるご心配、全くその通りかと思います。まず、インターネットでの情報錯そうも一つの要因かと思います。199g以下のドローンなら許可いらないんでしょ・北アルプスでの飛行は許可いらない!等々間違った情報が堂々と出ていたり、SNS等で「北アルプス●X岳でドローン無くしちゃった」と平気で公開している人がいたり。こんなの見たら、登山のついでに飛ばして遊ぼうと軽く考える人が増えるのを防ぐのも難しいかもしれません。
199g以下の機体であっても、航空法に抵触しないというだけであって、地主や公園管理者、環境省などには許可取らないといけません。これも知らない人がいるみたい。
バッテリーによる山火事や環境破壊の件も含め、ドローンに関する正しい知識や情報の拡散は大切だと思います。2022年以降の免許制度はやはり必要な気がしています。
いつも山やお店の情報をありがとうございます
もうじき東京都都議会選挙があります
数ある候補者から一名を選ぶ時、候補者の政策内容が私の望むところと完全一致する事はありませんので、私にとって最重要と思われる政策と方針が一致すれば、その候補者の他の政策が私の望みと違っていても投票します
何故選挙の話しを持ち出したのか?
それはTrans-amさんの「拍手の多さが気になった」の一文を見たからです
私がヤマレコ日記で拍手する時の事を思い出すと、その日記の内容の中にどうしても賛同出来ない事があれば勿論拍手しません
が、その様な意見もあるのかな?私はそこまで強くは思えないけどとか、ウンウンと思いっきり首を縦には振れないけど…
と、上記の状態の場合でも拍手している時があったと思い至りました
日記の内容全てに同意するわけではないが、そこは頷けるから拍手した、という場合もあるのではと思い至りました
(両方に拍手された方もいらっしゃるようなのでそうなのでは?と思ってます)
直接ではなく字面だと自分の思っている事が違う内容に受け取られるのではないかといつも不安を抱えています
今回は例えとして選挙の話しを出しましたが、一番伝えたかったのは他の方の日記に拍手された方もドローンを全面否定しての拍手じゃないのでは?という事です
どれほど言葉を繋いでも伝わらない事はありますし、逆もあると思います
Trans-amさんはそのままでいいと思います
「他の方の日記に拍手された方もドローンを全面否定しての拍手じゃないのでは?」わたくしもそう願いたいです。そして、文章で何かを伝える難しさの件も、その通りだと思います。いつもありがとうございます!
ドローンを飛ばすのも大変なんですね。
それが分っただけで良い日記だと思いました。
こういった情報発信は大切です。
問題なのは、無許可で飛ばしてる輩ですね。多くはユーチューブなどにあげて再生回数ねらいなんでしょう。どこの世界でも、マナーの悪い方はいますからね。
私はあまり遭遇しないですね、過去数年で2回。1回は仙ノ倉岳、2回目は栂池新道(NHKクルー)です。
情報発信が大切だというご意見、その通りだと思います。ルールを守ったうえでの飛行を行い、一般の方に迷惑や不快感を与えることが無いよう今後も精進したいと思います。それで伝えていくしかないのかなと思います。
こんにちは、長野県民です。
私は、これ以上山の中に人工的な物を入れてほしくないという気持ちなので、件の日記に拍手を入れました(コメント封鎖には賛同できませんが)。
それを言えば登山自体が人工物を山の中に入れる行為ですが、それゆえに節度を持った登山をしなければ自分たちの首を絞めることになります。
ドローンも、法的認可や正式な手続きは勿論として、研究や仕事にしても趣味にしても、節度ある使い方をしなければ、山の中での使用は容認されないと考えています。
一方で、夜間の山の遭難者の捜索にドローンを活用する取り組みがされていることも知って、感心もしました。
使う側の取り組みと努力が一層求められる、山の中でのドローンの使用というのは、まだそういう認知レベルではないかと思っています。
ドローンを使う人とそうでない人とでは考え方も違うと思うので、ご理解を。
おっしゃるとおりで、我々ドローン使用者と関係者が「迷惑をかけない」使用で認知度を高めていくしかないと思っています。ドローンを受け入れてくれる人の方が圧倒的に少ない現状ですから。
「ご理解を求めるべき立場」は「我々ドローン使用者」ですので、これからも一般の方々に正しくご理解いただけるよう精進したいと思います。
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