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筋トレ歴27年目です。
少し前にぶら下がる事の効果について書いたのですが、今回はその続きについて書きたいと思います。
結論から言うと、「フルボトムスクワットがとても良いです。お勧めします。」という話です。
ちなみに最近イチローさんが高校生にスクワットのやり方を伝えている映像がありましたが、細かい事を言うと、あれはスクワットの中で意識すべき「ヒップヒンジ」という体の使い方です。体の背面のテンションを維持して、多関節種目での体の連動性を高める動作です。足裏の小指側に重さを載せるという感覚も同様のものです。
話を戻すと、筋トレの種目には「単関節種目」と「多関節種目」があります。運動をする際に関与する関節の数で分けたものです。例えば、アームカール(二頭筋、力こぶを鍛える)は肘関節だけ関与するため単関節種目です。多関節種目のキングがスクワットです。
登山などの全身運動に効果があるのは圧倒的に多関節種目です。全身運動には体中の関節が関与するので分かりやすいかと思います。
フルボトムスクワットについて前回のぶら下がるという言い方と同様に言うと「深くしゃがむ」です。背中を丸めてしゃがみ込むのではなくヒップヒンジの動作を入れて、胸郭を上げ、深くしゃがむ事が重要です。
肩にバーベルを担いだ状態でしゃがみ込むには、かなりレベルの高い身体操作が求められます。
1.足裏の3点(親指(母指球)、小指(小指球)、かかと))にどっしり体重の載せる+5本の指で地面をしっかりと掴む
2.肩甲骨を内転(寄せる)、下制させる
3.肋骨を閉じ、腹圧をかける
4.胸郭を上げることで、胸を張った状態を作る、あごは引く
5.腿裏(ハムストリングス)、大殿筋(グルーツ)、背筋にテンションをかける + 足の付け根を折りたたむ(ヒップヒンジ)
6.ふくらはぎと腿裏がくっつくまで深くしゃがむ
この状態から全身の緊張を抜かずに一気に立ち上がる。
例えば
1.足の指を動かす感覚が無いとつかみに行くという動作が難しいです。足首が固いと足裏にどっしり体重が乗っているという感覚も得にくいです。
2.肩甲骨が固くなっているとこの動作は難しいです。ぶら下がると改善効果があります。
3.この感覚のない人がスクワットやデッドリフトなどをやるとかなりの確率で腰を痛めます。この段階ではベルトの効果も薄いので、腹圧のかけ方を練習するのが良いです。
4.これも胸郭が固いと胸を張った状態が作れません。この段階の人に胸を張るように言うと大体腰を反ります。これはぎっくり腰への直行便なので柔軟運動から始めるのが良いです。ちなみに自分の経験上、子供の時に水泳をやっていた人はブランクがあっても胸郭を上げる動作が出来る人が多い気がします。
5.多分多くの人はこれが一番難しい。関与するエリアも広く、特に太ももの内旋が出来ないと体を折りたたむ事が出来ず、ヒップヒンジの動作も出来ない。
6.太ももの内旋が出来ない、足首が固い場合は、ここまでしゃがめないと思います。それらの柔軟性を取り戻す事が大事です。
その他、こういう運動については自体重で行うという説明もあるかと思いますが、段階的にある程度の重量をかけて行くことも大事です。
人間の脳は極力小さな出力で済まそうとする傾向があります。やる気は先に起こらないというやつです。車で例えたら脳の出力の仕方はマニュアル車なので、ギアチェンジは自ら能動的にやる必要があります。
筋トレにおいては重量を増やしていくことで、ギアを入れ、シフトアップを行う事ができます。体のスイッチがどんどん入っていく感覚です。そういうレベルまで上げていかないと効果が薄いし、時間ももったいないです。
フルボトムスクワットは総合的な種目なので段階を追って怪我をしないよう進めて行く必要がありますが、出来るようになったらその効果は抜群です。その時には左右差も大きく改善されていると思います。
人間足腰弱ったら良くないです。フルボトムスクワットをして、いつまでも元気に3,000メートル峰登っていたいですね。
そんな感じで。
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