「神々の岩壁」を読んで(新田次郎)-11

南博人
日本を代表するクライマーで
80歳のスキーヤーとしても
有名になった人

そして
このお話の主人公です！

彼は子供の頃
「一人では登頂するのは困難だ」
と言われた先生の言葉に疑問を持つ
わざと隊列から離れ
森の中で迷う
(上に向かえば頂上だ)と
がむしゃらに進み
待っていた先生に大目玉!
頭にコブを作って帰宅

山登り始めた頃の
自分の記憶と重なって
読み始めから夢中になる

私は日記にアップしたとたんに
ヤマレコの先生に
叱られちゃいました(^_^;)

彼は独学で岩登りを学び
未登攀の滝を次々に征服していく

大杉沢F1の直下で大滝を
見上げている時に
偶然居合わせた吉野幸作の目に止まる
(彼は日本を代表する登攀家で
既に名が通っている)

吉野と南二人のパーティが結成
次第に最強のチームになっていく

(南は正式なザイルの結び方も知らず
吉野によって基本を学び
技術を磨いていく様子は
とっても勉強になりました)

昭和33年当時
神々の岩壁(未登攀の岩壁)
として残るものは
僅かになっていた

谷川岳一ノ倉のコップ状岩壁
第一のオーバーハングまでは
南が開いた
しかしその後の梅雨で
先に進めない
あと二日あれば、、、

社会人として
仕事を持ちながらのクライマーには
時間を自由に使えないという
制約があり
天候に恵まれることも
難しい

吉野幸作と始めた山岳会も
軌道に乗って来ている中
一人の女性と知り合う

山男としてはたくましい南の
戸惑う様子は微笑ましい

その後
結婚か？山か？で
悩むようになる

登攀中にアイゼンを落とす
墜落するも
かろうじて生き延びる
みごと
完登はしたものの
南は満足出来ない

心の葛藤に終止符を打って
お話はいよいよクライマックスに突入

残された「神々の岩壁」
一ノ倉衝立岩正面岩壁に挑む！

ハーケンを外して口にくわえ
右手が延びてカラビナをとる
そのままの姿勢で上体を静かに
岩壁により次は左手、、、
次々と繰り出される
動作の一つ一つが
南博人の命である

割れ目のないところにボルトが打たれ
次は宙吊りのまま
ハーケンを打つ！

一日目、二日目、三日目と過ぎ
水が無くなる、、、
口に入れた飴さえ溶けなくなる

「こんちくしょうめ」

水無くしての戦いは無理だし
すでに退却すら不可能であった！

短いお話でしたが
読みごたえタップリの
ドキュメンタリーでした

最後
吉野幸作さんの
「南博人は山では用心のいい男であったが
京子(奥さん)という美人に遭難した」
という言葉は

ハッピーエンドの
素敵なお話にしてくれました

南博人さんは運動具店の経営者として
素晴らしい用具の開発や販売をされ
絵を描く傍らスキーヤーとしても
活躍されています

コメント

れっず

RE: 「神々の岩壁」を読んで(新田次郎)-11
itigoさん、こんばんは

また今夜もコメントを書いてしまいました。

神々の岩壁ですよね「衝立岩正面壁」
私には縁が無かったのでイメージだけですが、この名前に心が
ときめいた記憶が蘇ります。

南さん、今もお元気なようですね。
今年の正月もスキー三昧のようで．．．ブログで語られていますね。
凄い人は、いつまでも凄い。驚きを通り越しています。

私の先輩のその先輩が？都岳連、繋がりであったようです。

itigo

RE: 「神々の岩壁」を読んで(新田次郎)-11
s4reds さん こんばんは♪
他にも何話か作品がありましたが
ハッピーエンドのドキュメンタリーは
読後感がいいですね(^-^)

恋愛の様子は今と全然違って
おばあちゃんの若い頃のお話を
聞いてるみたいです！

新田次郎さんは作品の中に
ととんでもない悪い人が出て来ちゃうところが
私的にはイマイチなんですけど

このお話は最後まで楽しくワクワクして
読めました
ご本人がまだしっかりしてたからかしら
細かい状況描写が素晴らしかったです(^-^)

コメントありがとうございます！