今まで登山中に転倒してケガした事が3回ある。
1回目は17年前、登山道をはずれて歩いていた時、足を乗せた丸太が崩れて左膝を捻りながら転倒、膝を岩に打ち付けた。
この時は単なる打撲かと思い、痛みを我慢しながら最後まで予定通り歩いたが、実は内側側副靭帯を損傷していた。
無理したのがいけなかったのか、
半年以上経っても痛みが取れず、登山どころかトレーニングも出来ない。
これでは心肺機能がダメになるので水中ウォーキングを始めた。すると10日ほどで不思議と痛みが消えた。
後で分かったのだが、水中ウォーキングは水の浮力により関節に負荷がかからず、水の抵抗で全身の筋トレにもなり血行が促進され、ケガの回復を早める効果があるのだという。
その後ジョギングも出来るようになり、登山を再開出来たのは結局10ヶ月後だった。
膝のケガの完治にはとにかく時間を要する事を身を持って体験した。
医学書やリハビリの本で勉強もした。
膝は内側側副靭帯、外側側副靭帯、前十字靭帯、後十字靭帯、半月板などで構成された複雑な関節で、靭帯や半月板はレントゲンには写らない事も初めて知った。
それ以来、スポーツ選手が膝の靭帯を痛めて戦線を離脱したというニュースを聞くと、本当に気の毒だなぁと思うようになった。
大相撲の力士が膝のケガで休場を繰り返して話題になる事があるが、軽度の靭帯損傷でも完治するのに半年以上も要するのに、力士のような巨体の膝がわずか数場所を休場しただけで治る訳がないのだ。
2回目は2年前の5月、残雪期の山を2泊3日で縦走している時だった。
2日目に雪を踏み抜いて転倒した際に今度は右膝を捻り、内側側副靭帯を痛めた。
その日の夕方から痛みが強くなったが、翌日も何とか予定通り歩いて自力下山した。
自宅に着いた時は強い痛みでまともに歩けず、医師にその様子を話したら
「登山中はアドレナリンが分泌されて痛みはあまり感じなかったんだと思いますよ」
と言われた。
う〜ん、なるほど…
この時も電気治療や水中ウォーキングなどのリハビリを行い、完治するまで5ヶ月ほどの時間を要した。
膝関節のケガを予防するには日頃から大腿四頭筋を鍛え、登山用の膝サポーターを付けるのが良いらしい。
登山中にケガをした時、応急処置も思うように出来ないし、自力下山するにはどうしても無理せざるを得ない。
下界なら1ヶ月で治るケガも、登山では無理するために余計に悪化させてしまい、完治に何倍もの時間がかかってしまうと思われる。
3回目は去年、下山中にスリップして右手にストックを握った状態で転倒。小指を岩に打ち付け、指の関節を剥離骨折した。
この時は指を2週間固定してリハビリし、もう痛みは消えたが、なぜか腫れが今も少し残っている。
登山中のケガは嫌なものだ。それまでの楽しい思い出を台無しにしてしまう。
中学生の頃から山を歩くようになりもうすぐ50年になるが、体力の低下は否応なしに感じる。
若い頃は転んでもせいぜい尻もちを付いたぐらいで済んでいたのに、やはり自分でも気が付かないうちに少しずつバランス感覚も低下しているのだろう。
ケガをしないためには体力やバランス感覚の衰えを自覚し、普段からトレーニングで身体を鍛え、登山中は慎重に行動するしかないようだ。
皆さんもケガなどしないように、くれぐれもご注意を!
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する