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今から57年前の1966年3月4日の夜、ホノルルから飛来して来たJAL869便は濃霧の羽田空港に着陸しようとしていました。
2回着陸を試みたものの霧による着陸灯の乱反射がひどく、接地後の滑走路における方向維持に不安を感じた浅間機長は着陸を断念。福岡空港に向かいました。
羽田空港から遠く離れた福岡空港に降ろされ、入国手続きに時間がかかった為もあり、乗客たちの不満は爆発寸前だったようです。
しかし福岡空港のロビーに設置されていたテレビには、羽田空港に着陸しようとして失敗したカナダ航空機が炎上している様子が写っていました。
JAL869便の乗客たちの不満は、浅間機長に対する感謝の気持ちに変わったそうです。
それ以来、航空業界では
「臆病者と呼ばれる勇気を持て」
という言葉が有名になったようです。
この言葉、登山にも言えるような気がします。
今年のお盆休みに台風が直撃しようとしており、様々な危機的状況が予想されます。
・吹きさらしの稜線上で爆風で身動きが取れず、風雨に叩かれて夏山でも低体温症に陥る危険。
・沢の増水。
・土砂崩れ等で交通機関がマヒし、下山しても帰宅出来ない可能性。
・コロナ禍で山小屋の予約が取れずにテン泊される方も多いと思われますが、そのテントが爆風で飛ばされる等々・・・
私は山に対し
「恐れ」
を感じる事は恥でも何でもないと思います。
なぜならその
「恐れ」
という人間の本能こそが、人間の命を守っているのですから。
お盆休みに登山を予定されていらっしゃる方、どうかご安全に。