明治・大正の五万図全国整備完了までの三角点網構築作業を調べています。まぁ、去年に続いて8月末の進捗記録ですが....。
1)三角点リストの作成
現存点は当然、廃点になった三角点も含む三角点リスト。等級、点名、冠字選点番号、緯度経度、標高、記載五万図名、選点・造標・観測の日付と測量官名などが含まれます。冠字選点番号の抜けから、この番号の三角点があった筈しか解らないものから、全ての情報がわかったものまで様々。ちなみに、今は五万図完成までに全部で38886点の一〜三等点が設置されたはずになってます。
2)明治・大正の点の記
当時の点の記を読み解いて、テキストファイル化したもの。この一年で三等点5627点が済み、一〜三等点合計で33943点済み。全体の87%が終わりました。残りは4943点。
関東、中部地方以西は概ね済み。南西諸島、伊豆諸島、小笠原諸島が残。今は東北と北海道を進めている所。
大きな地震起こると、震源地域の三角点は成果異常になり、点の記は閲覧停止になります(例えば、2011年の長野県北部地震により、長野県小谷村、白馬村付近の三等点多数が今でも成果異常で点の記閲覧停止です)。素人目に危なそうなのは南海トラフ地震。起こリませんようにとセッセと進め、紀伊半島、四国、九州が無事終了。これで閲覧停止で大量に見れなくなる心配は回避。内陸直下型地震は何時どこで起こるか解らないので、心配しても仕方がない。セッセと済ますしかありません。東北、北海道で大地震がありませんように。
3)旧版五万図との照合
測量年の最も古い五万図上で、三角点マークをピックアップし、三角点リスト中の三角点と照合したもの。この一年で451枚進み、957枚が済。残りは333枚。全部で33349点が照合出来ました。
本州、四国、九州が一応済。北海道、伊豆諸島、小笠原諸島、南西諸島が残ってます。
この一年、かなり頑張ったおかげで、残りは頑張れば一年程で終わりそうな分量になりました。通り一遍の調査はあと一年で終わりそう。なんだかんだで10年程かかりました。廃点などで通り一遍では情報が手に入らない三角点の追跡が残りますが、まずは一段落になりそう。
冠字選点番号の抜けから、あった筈としかわからない三角点が198点。旧版五万図上にマークがあるけれど、リストと照合出来ないもの103点。略確実に廃点三角点です。これらはどこかに情報が無いか探してます。こうやれば必ず見つかるという方法は解らず、試行錯誤の繰り返しで四苦八苦。ハテサテ、どこまで正体不明点を減らせるか?。
残念ながら北方領土は旧版五万図以外のネタが全く手に入らないので諦め状態。上記には一切含まれていません。小笠原と沖縄は日本の統治下から外れた履歴があるためか、戦前の点の記が残っていない三角点も多いようで、これも諦めに近い状態。まぁ、一通り調べ終わった後で、もう少し調べますけれどね。
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