日本地図を支えた基盤はどのように作られたのか?。個人的な興味から、明治・大正の三角点網構築作業を再現することを試みています。国土地理院の「基準点成果等閲覧サービス」で七年間、片っ端から点の記を読みまくった結果の整理が一応完了。8/31に間に合った。
調べるにあたり、三角点リストを作成して管理していました。元ネタは「閲覧サービス」のCSVファイル出力の結果。これには、廃点、成果異常点は載っていません。それらの点の記を読めても、面倒くさいので、追加せずにそのまま進めていたのを整理。う〜〜ん、ミスっているものチラホラあるなぁ....。
選点番号の抜けがある所は三角点があった筈と考え、欄を追加し、判明している情報があるものは追記。一等点は本点、補点、基線端点、第一二増大点の区別を追加。そして、全点に移転・改埋等の標石に変化を加えた履歴があるかを追加(設置当時の位置を保っているか否かの区別)。最後に掲載五万図名も追加。結果、この冠字選点番号の三角点があった筈しか解らないものから、設置当時の緯度経度、点の記までバッチリ情報の揃ったものまで、様々がリストに登場しました。
説明するのも面倒くさいモロモロがあるので、これで過不足なく全ての一〜三等点を網羅したとは言えないのですが、そう大きくは違ってない筈。要は現時点での推計ですけれど、五万図完成までに陸地測量部が設置した三角点数は、おそらく、
等級:全数、明治・大正の点の記済、当初経緯度判明
一等(974):1000、961(96.1%済)、793
二等(5009):5068、4932(97.3%済)、4265
三等(31754):32703、19150(58.5%済)、27092
となりました。
・括弧内は2019/04/01時点での国土地理院の現存三角点集計数です。今はもう変わっている筈です。
・現在、日本が実効支配している地域のみの集計です。北方領土等は含みません。
・二等点には二等点として設置され(た筈で)、今は三等点の4点を含み、三等点には三等点として設置され、今は二等点の1点を含みます。
・経緯度原点は含みません。又、五万図全国整備完了後に新設された三角点は除いています。
・当初経緯度判明とは、最新点の記に移転、再設等の位置を変えた履歴が見当たらない三角点数です(改埋は位置が変わってないと見なした)。要するに設置当初の位置を保っている三角点数。
この次は、旧版五万図と照合して、漏れている三角点を洗い出す作業に移るつもり。おっと、三等点は準三等点の区別も追加しないと....。
色々な欄が空白の三角点が多数あるので、この先はそれを埋めていく情報を探して集めて行かないと進まない。設置当初の緯度経度は何としても割り出したい(そうしないと網の再構築になりませんから)。廃点、移転などで割り出せていない三角点が約六千七百。これまた旧版五万図が頼りだけれど、図上の1mmは実際は50m。なるべく精度良く緯度経度を割り出したいけれど、どうしたものか?。100m以上の誤差は容認しがたい。±1m位に納まれば理想的だけれど、絶対ムリ!って感じ。試行錯誤が要りそう。(ちなみに、小生所有のGPSでは20m位ズレる事はままあるので、それに負けない位には.....0.4mmかぁ....)
一方、読めていない設置当時の点ノ記の調査はボチボチ三等点を増強中。これは謄本申請して取得する必要があるのと、他にやることが増え、一気にペースが落ちました。このペースではあと七年位かかりそう。が、細々でも続けないと終わらない。やっぱり結構忙しい。お山に行くヒマがぁ....。
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