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いや、まだ夏は終わっていない。
幻の青春遭難大滝の正体は、小笹(おざさ)谷本流のクソ滝しか もう 考えられないと思う。
一昨日は、神童子谷から攻めてみたモノの、自分自身の不手際でガマ滝までの探索に終わった。
クソ滝を直登するには、水量が多すぎるので今の時期は「高巻く」しかない。
ここの主様(神童子界隈に通い詰めている翁さん)と初めて出会ったときに言われた言葉・・・
「クソ滝に近づけば近づくほど滝は遠ざかる。超えたければ、クソ滝から離れれば離れるほど滝は近づく・・・」
こう 謎の言葉をかけられたことがあった・・・
それは、今では理解できる。
クソ滝の左側の小尾根を滝から離れたところから取りつかないと、滝場の周りは絶壁となっているので、どこからも登れない・・
滝からできるだけ離れた小尾根の下がったところから取りついて、大きく高巻かなければならないことを理解した。
ただ、高巻いた後は、高く巻きすぎて再び谷に降りることが面倒になる。
大きくトラバース(横切る)して行けば、やがては谷に降りれることはできると思う。
しかし、急斜面のトラバースは、返って滑落の危険性が高くなる。
なので、いつも 懸垂下降で谷に降りている。
20数メートルの落差があるので、30mロープに補助ロープ20mを連結して、懸垂下降をしなければならない。
登りはアッセンダーを噛ませて、登り返さないとダメだ。
しかし、前に調査した「小笹谷左俣」を下降してきた場合は、そんな懸垂下降や高巻をしなくても、緩やかな谷間を歩いて下降していると、すんなりとクソ滝の滝口に出ることができる。
下から神童子谷を全身びしょ濡れになってクソ滝まで到達するか・・・
上から危険な小笹谷左俣を下降して、クソ滝まで到達するか・・・
この前は、上から降りてきて標高1200mで、時間的に打ち切った。クソ滝までの標高差は僅か50m 距離にして数百mだった。
先日は、ガマ滝で 調査を打ち切った。
クソ滝まで標高差150m 距離にして約500mチョイ。
肝心なクソ滝には、近づけなかった。
下から攻めなおすか?
上から攻めなおすか?
下からだと 日帰りで済みそうだ。
上からだと 小笹小屋で 泊を要する。
悩むところだが・・・
なんだか 水に浸かるのも 結構疲れるのが分かったしなぁ。
稜線から小笹谷左俣を下降しても、あそこはこの前 滑落の刑に処されたし・・・。
よしっ、もう一度、小笹谷左俣を下降してみよう。滑落に気を付けて・・・
前は、小笹小屋を出発したのが午前10:40だった。稜線に戻ってきたのが午後5時。
小笹小屋を朝6時に出れば、クソ滝まで降りて ゆっくりと戻ってこれる気がする。
そりゃ、あの小笹谷左俣をまた往復するのは リスクが高い・・・。
遭難時は登られない滝で詰ってしまい、稜線に突き出るのをあきらめ、仕方なく沢を下りていくと、今度は降りられない大滝に出遭ってしまい、そこで遭難が決定したのだから、小笹谷左俣を忠実に降りていけば、降りられない大滝に 突き当たる…。
それが おそらく「クソ滝」だろう・・・
よしっ、前みたいに24kgのザックにならないよう、それもロープや登攀具も最小に留めて、また上から攻めてみよう。
加齢と仕事場の関係上、体力が低下してきているので、チャンスは もう限られる。
あの時の 遭難した 所へどうしても 訪ね(尋ね)なければならない・・・
思いを寄せて、何年も何年も その場所を探し続けていた自分。
今年は、この遭難話がテレビ朝日にも伝わり、テレビ出演となってしまった。
しかも、収録したオンエアーの日が近づいてきている。
今月の23日(水)と30日(水)である。
何かの縁でもある。
今年の夏を逃すと もう 行けない気がする。
今までの経験と技術を生かし、危険をできるだけ回避し 稜線まで戻ってこれる時間配分を決め、今夏 3度目のチャレンジをしてこようと思う。
天気はあまり好ましくない予報だが、それも現地で考えよう。
あの時はどうしても稜線に這い上がれなくて、くやしかった。怖かった。
そして 大滝を下降できずに そこで 終わってしまった。死を迎えるだけの17才の自分・・・
そんな17才だった自分に とっぷりとおじさんになった自分が ひょこんと出会いに行く・・・
17才の自分に対して何を語るのだろう・・・
行ってきます。どうしても やらなくちゃ。