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校舎の3Fの廊下の窓から見ると お山を崩して 何か施設ができるみたいです。
調べると、「しあわせの村」という ベタなネーミングのレクレーション施設ができる予定でした。
「あそこに行くとしあわせに なるれるん？」
「うーん・・・まぁ、そうかなぁ・・・そんなわけあらへんかっ。」
「なぁ、センセー、行ってみぃひん？」
「うーん。あそこまで道あるんかなぁ。」
「下の川まで降りたことあるけど、そこから繋がっていると思うねん」
と目を輝かせる わんぱくなお子。
川伝いに路はありますが、その奥からは どうなっていることやら。
なんせ、まだ「しあわせの村」は 工事中です。
「センセー、みんなで行こうや！」
「いつ？」
「明日」
「明日って、日曜日ちゃうでー。学校あるしっ」
「だからこそ みんなで 幸せになりに 探検しにいくねんやん。」
「えー、1時間くらいやったら ええけど あそこまでやと往復２時間以上かかるし、クラスだけで勝手に行くのは許可出ぇへんし。。。」
「この前も 理科の授業として ザリガニを釣りに下の池まで行ったやん！」
「蛇もつかまえたやん！」
「だから、校長先生に 後でしこたま怒られたって言ったやんか！」
「センセーは、生徒をしあわせに出来ひんの？」
「そやから、しあわせの村に行っても しあわせにならへんって。。。」
で、結局は押し切られて 次の日の体育の時間に 学校からクラス全員が脱出し、しあわせの村に探検に出かけることになりました。
バレないように、体育をしている間に、一人ずつ校舎の裏の溝蓋を開けて、丸いトンネルみたいな側溝を滑り台みたいに滑り降り、学校の裏側に出るという作戦です。
当時は、運動場で３クラスが「体育」をしていました。
悪ガキさんたちが 見張りを立て、体育をしながらも 一人一人消えて行ったら、バレないと言う 子供めいた発想なのですが。。。
それが、功を奏して？ バレずにクラス全員が側溝のトンネルを滑り降りて 最後は私だけになりました。
「センセー、早よ！降りてきて！」
しかし、子供は滑り降りれても、私じゃ中で詰まってしまいそう・・・
「早く！ 早く！」と急かされるので、一気に側溝のトンネルに入りました。
長さ３ｍ程なのですが、肩がギリギリ入るかどうか。
半分位通過しますと、足だけがトンネルの外に出ました。
すると 悪ガキくんたちが 私の足を引っ張るのです。
「痛い！ちょいと 手を離して！ 引っ張るのあかんって」
そんな言葉も全く聞き入れてくれなくて、すっぽーんと 私は下に引っ張りだされました💦
まるで ところてんになった気持ちです。
そして クラス全員が大脱走を成功？させました。
川沿いに道はあるのですが、そこから「しあわせの村」までは、道はありませんでした。
藪に突っ込んで しばらく行くと 道があって、長ーい階段ができていました。
そこを一気に駆け上がると、ほぼ工事が終わりかけている しあわせの村に到着しました。
暑い日でした。
噴水がもう出来上がっていまして、試運転？して 水を流していました。
「センセー、暑いから 噴水に入ってもええ？」
「あかんって 服がびしょ濡れになるし、着替えもないし・・・」
そう言っている間に、噴水に群がるお子たち。
「めっちゃ 気持ちええわー。」と噴水プール（水深２０�冂�）に服を着たまんま寝転んだり、水の掛け合いをしたりして。。。
でも・・・・
その顔は、本当にしあわせそうでしたっ(^^)/
だから しあわせの村なのか・・・・
もう数十年前の話ですので、今、こんなことをやりますと、保護者からの訴えで、懲戒処分は免れなかったことだと思います。マスコミにもやり玉に挙げられていますね。
そのお子たちも、もう アラフォー世代の 中年族になっていますがっ（笑）
そんな昭和の ええ加減？な時代は もう帰りません。
現代は、学校のすぐ目の前の公園に 植物さがしに出かけるのも 厳重な「郊外学習届」を出さなければなりません。
もちろん、目的 教科 計画もしっかり書いて・・・ハンコをもらいます。
しかし、それは学年単位だけで許されるモノであり、一つのクラスだけが行くことなど許可されません。
それが 平成では 当たり前な事です。
昔は開けっ放しの 校門も 今では完璧なセキュリティーにより、厳重にロックされ、お子たちが、そこを通ると 保護者のスマホにお知らせが行くシステムです。
まぁ、物騒な世の中に変わりましたので、それはそれで仕方がありませんね。
だけど・・・しあわせ感が、遠いていくばかりの時代になったような気がします
