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高校時代の遭難経験にも関わらず、結局…大学入学後、間もなく山岳部に入ってしまいました(*_*;。(よく両親が許してくれたと思います)ってか止めても無駄なのを知ってましたかね・・・(笑)
なんせ、やさしい先輩方でしたから・・・’(これに騙されたのですがっ)
おいおいおいー。なんじゃこりゃー。新人部員用に予め部室に用意されたキスリング(昔の綿製の巨大なリュック)を背負うとしても、持ちあがらないのです。しかも、これに個人装備を加えます・・・(@_@;)
とにかく、そいつをどうやって背負うの? もはや山に行く前にギブアップ状態な新人5名・・・
はい、寝ころんでキスリングに腕を入れます。そして物にしがみついて腹筋の力を思いっきり入れて上体を起こします。
次に、足をできるだけ引き寄せ、重量挙げの上げる前の姿勢に持って行きます。そこで一気に大声を出して(はい、叫ばなければ上がりません)一気に立ち上がるのです。
重さは60kg位でした・・・(*_*;
とにかく駅に向かうのさえ、苦痛で・・・夜行列車に乗り込むまでもが、もはや地獄でした。
えっ?先輩方? ふふふ。日帰りの35L位の当時はオシャレなミレーなどの縦長ザック。重さは15kg位でしょうね。。。
OBは、もはや手ぶら状態・・・(=_=)
早朝に長野県の松本に着いて、それから新島々まで電車の乗り換え・・・これも駅の階段を上り下りするだけで もう悲鳴をあげる新人さん方・・・
こんな荷物背負って、上高地から涸沢まで登れるはずないやん・・・っと口に出せる雰囲気じゃありません。はい、あのやさしかった先輩方・・・気が付けば、鬼に変身されておりました。ひぇーっ。人間不信!
上高地から地獄のはじまりー はじまりー。
いよーっ!ガンバ! の 先輩の合図の声に合わせて、♩がーんばがんばっ!と節をつけて呼びかけに応えなければいけませーん・・・

がーんばがんばっ! がーんばがんばっ!
何やら大名行列???
声が小さいと怒鳴られますっ(笑)
でも、横尾に着いた時点で、数名が意識飛んでました・・・。
ここからは、雪道になります。いくらトレースがあれども、60kgのキスリングは、腰パットもないし、肩に食い込み血管が破裂しそうになって、ふらっとトレースを外してしまえば、もう絶対に立ち上がれません。
次々に新人部員が倒れて行きます。
倒れると、「おらおらおらぁー」っと叫ばれながら、先輩方にケツを蹴られます。
それでも立てなければ、ピッケル攻撃を喰らいます。
当時から足の太短かった私は、なんとか倒れずに付いて行きました。しかし、途中で倒れた1回生のB君の腕を引っ張り上げた途端に、私はケツを蹴りあげられました。
「手をだすな!ボケッ!」とサングラスをかけた先輩に怒鳴られました。
どうやら、お助けはご法度のようでした・・・。
「ふぅ・・・こいつらなんやねん・・・」
涸沢カール手前で吹雪き出しました。もう、一回生は私だけになりました。
やっと デポ地点に着きました。ココがBC設置場所です。
やがて、2時間後・・・怒鳴られながら最後の新人が倒れこんだら、私の顔を見て、おい、「お前、水汲んで来い!」でした。
水場の前にはクレバスが口を開けて クライマーホイホイのように待ち構えています。それを避けるのには、大きく上に上がらなくてはいけません。
でっかいポリタンクを両手に持って、ノーアイゼンでの水汲みです。
行きは空のポリタンですが、帰りは両手に水の重みが加わります。
「・・・こいつら・・・殺す気やな・・・」
そう思いながら、キックステップ切り込んで必死にテント場に帰りました。
着くと同時に「おそいやんけ!何しとったんや!」と怒鳴られました。
更に スパゲッティを作ることを命じられ・・・
作って先輩方に差し上げたら、「・・・なんやコレ!麺が伸びとるやろが!」っと怒鳴られ、スバゲッティは投げ捨てられ、雪の上で湯気が上がりました。
おまけに、われわれの一回生の分の茹でている途中のスパゲッティまで鍋ごとけりあげられ、じゅわーっと音を立てて 雪の中に沈んで行きました・・・。
「もう一回、作れ!」
のご命令。辺りは薄暗くなって来ました。
問題は水です。
気温が下がり雪が締まってきましたので、あの水汲みは危ないです。
A君と二人で 確保しあいながらの水汲みです。
二回目のスパゲッティが出来上がりました。
先輩方に献上です。
「なんやこれ!固いやろがっ!」
また、捨てられました・・・・
「・・・こいつらマジで・・・殺す気やな・・・」
次の日からは、雪上訓練です。
涸沢から5.6のコルに上がります。
そして・・・途中で イキナリ 先輩方が1回生を突き飛ばすのです!!!
不意打ちを喰らうので、ピッケル制動なんて 机上でしか知らない私たちは 止まりません。遥か彼方まで流されていきます・・・。
それを見て 笑う先輩方・・・
上がっては落とされ、落とされては上がり・・・それが一日中続くのです。
六日目・・・先輩と組まされ・・・北穂までのバリエーションルートを登りました。
核心部は、ハーネスなしで腰にまいた状態で、先輩のロープに頼らざるを得ませんでした。
しかし、ロープをハズした トラバースで なぬっ?????
私は滑落してしまいました。
先輩からすっぱく言われて来た「膝を立ててアイゼンを雪上に着けづに止まれ!」命令を無視して、直ぐにピッケルとアイゼンを突きたて10m位流されて辛うじて止まりました。下は数百メートルの断崖です。
「せんぱーい、ロープお願いしまーすっ!」と叫んでも、にやにや笑っているだけです。でも、リュックをごそごそし始めたので、「ほっ」と何とか宙ぶらりんに近い状態な私は安心しました。
でも、先輩がリュックから取り出したのは、なんと タバコでした(=_=)
「ふーっ、うまいわ。」
本当に ココで私はガマン出来ずに 怒り出しました。
先ず、ピッケルを押さえつけ効いているのを確かめてから、ギリギリ刺さっている右足を雪から抜いて、更に奥深く蹴り込みました。足ごたえがありました。もともとひだり足の方は大丈夫そうだったので、
「おぅーらぁー!!!!」と叫んでピッケルを抜いて、支点を上げる為にぶち込みました。おりゃ、おりゃ、おりゃ!
で、ノーロープで先輩の所まで這い上がりました。
タバコ吸いながら、「お前、よう止まったなぁ・・・ラッキーやな・・・」
はい、私だけではありません。新入部員全員同じような目に遭わされました。
天候が安定していましたので、10日間のトコロを8日間で終えることになりました。
合宿最後の深夜・・・先輩方のテントからいびきが響き渡る頃・・・
新人たちが、怨み 辛み・・・愚痴を言い始めました。
「おい、俺に考えがある・・・あいつら殺人鬼や。最後の明日・・・仕返しやろうや! 作戦は、しょんべんで炊いた飯でおにぎり作ってそれ、食わすんや!」
「そんなん バレタラ殺される やめとこ・・・」の気弱い新人もいましたが、多数決で しょんべんおにぎり大作戦を決行することになりました。
早朝3時から 作り始めました。
入れ過ぎると匂うし、各自少しだけ入れよう!っと でっかいコッヘルを回してちょろちょろ小便を入れました。
そして、ガソリンストーブを点けて、GO!です。
しばらくして いい香りがしてきました。
みんなが注目した、蓋開け式(笑)です。
ヘッドランプで見る限り、色は黄色くなくって 匂いもしません。
よしっ、雪で冷やしてから みんなで おにぎり作ろうぜ!おーっ!の私・・・
まぁ、あんまりにぎるのもいい気はしませんでしたが、ノリを巻けば、全然わからない おいしそうなおにぎりがたくさん出来上がりました(^−^)
そして、朝です。
「1回生経済学部E******番 jyunntarou です。おはようございますっ!」
「なんや、お前ら・・・朝から・・・今日は降りるだけやから、そんなにはりきるなよー。」
「はいっ、8日間のお礼として、新入部員が全員早起きして、最後の朝飯におにぎりを作らせていただきました!感謝の気持ちを受け取ってください!」
と、心で(あっかんべぇー)をしていた 私。
ところが・・・
想定外の出来事が・・・(@_@;)
飛び入り参加していたOBの一言
「そうか・・・こんなこと 俺達の現役時代は 無かった・・・夜中に上高地まで逃げ出したやつや、泣きわめくやつ・・・ピッケル振り回して文句垂れるやつ・・・そんな部やったのに、ええ山岳部になったなぁ・・・先輩方に感謝か・・・ええ子たちや・・・」
そこまでは よかったのですが・・・
そのOBの感激の言葉を聞いた先輩方が・・・なんと・・・
「すまん・・・色々と悪かった。俺達が食べるより おまえらが喰えよ・・・朝早くから作ってたんやろ?・・・このにぎりは、お前らが喰うべきで、俺達には喰う権利ないわ・・・」
「。。。。。いえいえ、そんなことはありません・・・先輩方に感謝をこめてつくったんで・・・汗・・・」の私。
んで、しばらく押し問答が続いた結果・・・また、OB様の鶴の一声
「よしっ、みんなで食べよう!」
OB様が、一人ひとりにおにぎりを配って かんぱーい!・・・・(*_*;
はい、食べましたがな・・・・おしっこ入りのおにぎりを・・・山岳部全員でっ!
なんか、味がばれない様に塩をたっぷり入れてあったので、すっごくしょっぱかったです(笑)
青春のおにぎり・・・の味 今でも忘れられません(爆)
※尚、OBの中には、日本人初ダウラギリ無酸素登頂やK2登頂を果たし、凍傷で手足の指を失いながらも、日本人初無酸素エベレスト登頂に成功後、力尽きてサウスコルまでの間でに亡くなられました、偉大な禿 博信氏が居ました。 この新人合宿には参加されませんでしたが、何回か京都の金毘羅ゲレンデで直接ロッククライミングの御指導をしていただきました。 まさか、そんな凄い方とは存ぜず・・・失礼な言動をしていた私でした。ははぁ・・・鬼の先輩が、やたらに禿さんだけには腰が低いのが その後やっと分かりましたぁ
参考ブログ http://blogs.yahoo.co.jp/koubejyunntarou/9997620.html
http://blogs.yahoo.co.jp/koubejyunntarou/8969454.html