(写真1:シームレス地質図より)
地殻より深いマントル上部を形成するカンラン岩が、プレートの沈み込み運動によってマントルからこそぎ落とされ、水変成を受けつつ付加コンプレックスとして地上へと巻き込まれて来たのが蛇紋岩です。
含水鉱物故に風化作用を受けやすく、地滑りの原因とも言われる蛇紋岩は、写真1の分布を最北端にほぼ笹山構造線に沿っており、勘行峰辺まで西陵東斜面を稜線と平行に走った後、大岳、天狗岳を経て(割とここ以南、玄武岩、石灰岩を近くに伴うのも面白い)新東名の大井川東岸付近に至る迄点在しています。故に如何にも破砕帯である安倍西陵の象徴にも思えた次第です。
有り体に言って、地球のダイナミクス!男のロマン!海底から来たんじゃもん!ってヤツですw
その後西日影沢に遊びで行く機会があり「そうだ!川原の方が見っけるの簡単じゃん!」と思いつきました。(ハイキングは遊びじゃ無いんかw)
とは言え、山行後にWikipediaで調べた「緑っぽい石(うろ覚えw)」という記憶以外手掛かりが無く、現地は携帯はおろかAMも繋がらないような電波状況であった為、適当に緑っぽい石ころを三つ見繕って持って帰って来ました。
(写真2)
webで調べてみると、定かでは無いですが、写真2の左2つはいづれも玄武岩が変成作用を受けたもののようで、類似写真を見ると左が「緑色岩」真ん中が「緑色片岩」と呼称されているようでした。
一番右のものがweb上の画像では最も蛇紋岩っぽかったのですが、判別が難しい位似て、名前の非なる岩石もいくつか出て来ました。
そこで「蛇紋岩は磁石にくっつく」という情報を思い出し、やってみる事にしました。(安山岩や玄武岩にも磁石に反応するものがあるらしいが、蛇紋岩程ではないらしい。とは言え蛇紋岩全てがくっつく訳でも無いらしい。)
写真3は蛇紋岩と思しき石に、マグネット式のヘッドセットの充電器をくっつけてみた所です。
石を動かせる程ではないですが、充電器が落ちない程度にはくっつき、他の二つと比べればその違いは明らかでした。
これは水変成の過程で、カンラン岩中の鉄分が磁鉄鉱に変わる事によるものらしいです。
って事で、蛇紋岩に決定じゃもん!
と言いつつこの石、幼少時から馴染みがあった川原石でした。服の端で一生懸命擦ると脂のようなツヤが出るので、兄弟で誰のが一番きれいか競争したものです。親父からは「ぶどういし」だと教わってましたので、まさかこれが蛇紋岩とは盲点でしたが、ついでに「葡萄石(せき)」は蛇紋岩の紋中に見られる事のあるマスカット色の鉱物だという事も分かっちゃいました!(写真3の蛇紋岩にも含まれるようです。)
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