老樹に守られて古道をたどる

夜半に台風が遠ざかり、まずまずのお天気で名久井岳登山の朝を向かえた。
　5人グループで野瀬観音堂から頂上を目指す。2016年にトレイルラン大会があったようで、その時使われたコースとほぼ重なるルートである。野瀬古道の尾根筋には松の大木が何本もあり、さすが古道と言われるだけの風格が漂っていた。それにも関わらずほかの登山者、ランの方は見かけず、私たちの貸し切りのようだ。そこで住獣の方へのお知らせのため鈴に加えて、時折ホイッスルを吹き鳴らし進む。前回の天狗杉コースは急登が続いたが、こちらはいたって緩やかに登ってゆく。この時期ならではの草の繁茂で登山道が覆われているところもあったが、そこはそれ、ヤマレコで現在地を確認すれば、安心して計画通りのルートをたどることができた。ということで、帰りを急いだ場面もあったが所要時間もほぼ計画通りであった。
　糠部観音詣りは時間の関係もあり二カ所にとどまったが、街道の番人然とした松の老樹が見守る野瀬古道は、木々を揺らしながら吹き渡る風がどこまでも優しく、長い歴史の営みを感じさせ、たどる喜びが湧いてくる素敵な道でした。さらにグループ登山とヤマレコの助けで安全に名久井岳を楽しむことができました。ありがとう。