自販機の下の猫

夜中にほにゃッとしていたら、突然思い出しました。

そう言えば若い頃、猫を助けたことがあったなと。

何の用事でそんな所を通ったのかすっかり忘れていますけど、三河安城駅の北口側の
民家の立ち並んでいる辺り。
ここを夜の１０時過ぎくらいに自転車で通ったんですよね。季節は真冬でしたっけ。
もうかれこれ３０年以上前の話しだとは思います。

ニャーニャーと何処からともなく子猫の鳴き声。
思わず自転車をとめました。

ニャーニャーニャーニャー・・・

え、どこから聞こえる？

鳴き声はすれども姿は見えず。でも近いんですよね。それは分かりました。

そこには民家の前に自販機が１台あるだけ。
でもその辺から聞こえるんですよね。

ニャーニャー。

自販機が鳴いている。訳が無いので（笑）その自販機の下をのぞき込みました。

いました。子猫が一匹。

自販機の下に、手を伸ばして引っ張り出そうとしたのですが、引っかかって取れない
のです。

そうか、そんな所に入り込んで抜けられなくなったのか。
どうしたものやら・・・。

ふと見るとこの自販機の主と思われるお宅の明かりはまだついています。

このまま立ち去るのは、何となく嫌な感じでしたので、この家の人の猫かも
知れないし（と言いつつそんなことは無いだろうとは思いつつ）、
玄関の呼び鈴をならしてみました。


「はい。」

「あの、通りすがりの者なのですが、この自販機ってお宅の自販機ですよね？」

「ええ、そうですよ。」

「自販機の下に子猫が挟まってますよ。お宅の猫じゃないです？」

「えっ、猫？　あ、ちょっと行きますわ。」

と、ご主人と思われる親切そうな初老の男性が出てきました。

「どこですか？」

「ここですよ、自販機の下に。」

「あ、いますね。」

「なんか挟まってるみたいで、引っ張っても出てこれないんですよね。」

「ほんとだ、うーん、どうしたものだろうね。」

「自販機持ち上げるしかないかもです。」

「うーん、二人じゃ持ち上がらないかもしれないなー。あ！ちょっと待ってて。」

と言って家主が持ってきました。
ロープと、何やらロープを締め付ける器具を。

「ロープを自販機とこの電柱に引っかけて傾けられるかもしれないね。
　やってみるから、猫お願い。」

「はい。」

と言って自販機と電柱にロープを引っかけて器具で締め付けて行きました。
自販機は見事に傾いてきます。

「もうちょいですね。」

「おし。」

「あ、取れました！」

子猫救出に成功した瞬間でした。

「おーお前は何しとったんだ、そんな所で笑」
とご主人は子猫を受け取って話しかけてましたっけ。

「お宅の猫・・・じゃないですよね、これは。」

「違うけど、どうしたものかねーこいつは。
　でもまあ、ありがとう。
　あんな所で死なれとったら夢見が悪いところだったわ笑。
　後は何とかしとくよ。」

「あ、そうですか。じゃあお願いします。」

と言ってその場から解放されたのは夜中の１１時過ぎ。


今思うと、あんな夜中に、よく家主の人出てきてくれて、更に手伝ってくれたな
と思うのですが。ほんと、親切な人で良かったです。

コメント

junbader

はるさん
ええお話です
今では｢あんたどなたやの？」
で相手にされないかも
ちなみにカクレ猫ファンです

はる９９９

junbaderさん

こんばんは、コメントありがとうございます。
あの時は若かったのもあって、自販機の主宅へ突撃してしまいましたが、
ほんと夜中に何言ってんの？あんた誰？って言われても不思議はないですよね笑
日本はまだ豊かだったんですかねぇ笑　色々な意味で。あ、私も猫ファンですｗ

ウメちゃん

おはようございます。

良い話〜
ありがとうございます。😁

はる９９９

ウメちゃんさん

こんにちは。コメントありがとうございます。
なんかふと思い出して、書いてみました。
なぜ思い出したのかは不思議ですけれどｗ

maki-kobe758

おはようございます

はるさんと自販機の家の人の子猫救出大作戦！

はるさんの最初のピンポンを押す勇気に拍手です！！

２２時に！
今のはるさんが爆睡している時間です〜

その後はその子猫はその家のネコちゃんになったと想像しました(^o^)

朝から嬉しくなる日記をありがとうございます(^o^)

はる９９９

maki-kobe758さん

こんにちは、コメントありがとうございます。
そう、私もその家で飼われて終わったんじゃないかと思っているのですが、
今となってはどうなったのか分からないです。

ほんと、今思うと良くピンポン押したな・・・と思うのですが、若かったから・・・
ですかねｗ
昔は２２時なんてまだ仕事してた時間ですｗ