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一方で、西穂独標(小ピーク)から山頂までは熟練者向けのコースとなっており、さらに山頂から奥穂高岳までの岩稜ルートは、北アルプスの主稜線の中でも屈指の難所として知られています。
面白いことに、西穂高岳は私が挑戦中の「信州百名山」や「山梨百名山」には含まれていません。つまり、元々私の登山計画の中では優先順位が高くなかったのですが、友人からの勧めもあり、試しに登ってみることにしました。
実際に登ってみて、とても実り多い体験となりました。延々と続くアップダウン、岩場の連続、薄い空気、そして「一歩間違えば命に関わる」という緊張感。これらは私にとって初めての挑戦でした。この登山は、単に思い出深い山行にとどまらず、高山で命の危険を伴う厳しい岩場でも、冷静に判断しながら安全に昇降できる技術やマインドを培う良い機会となり、とても素晴らしいトレーニングにもなりました。
この経験を通じて、「自分で計画し、目標を立てて学ぶ能動的な学び(Self-Directed Learning)」と同じくらい、「他者の意見や提案を受け入れる受動的な学び(Receptive Learning)」が大切だと改めて感じました。私は社会人としての経験を積み、起業してCEOとして働く中で、どうしても自分の偏見や思い込みに基づいた学びに偏りがちだと気づかされます。そうすると、自分が苦手意識を持つ分野や盲点に気づけず、成長の機会を逃してしまうことが多いんですよね。こうした意味で、例えばMBAのような体系的に幅広く学ぶ機会がいかに重要かを改めて実感します。
登山もこれと似ています。計画に含まれていない山でも、友人などの異なる視点や経験を持つ人たちからの勧めに耳を傾け、実際に挑戦してみることで、これまで得られなかった新たな技術、知識、そしてマインドセットを手に入れることができると感じました。
経験を積んだ社会人や、趣味の世界で一定のレベルに到達している方にこそお伝えしたいのですが、自分の計画から少し外れても他者の意見に耳を傾け、少しでも興味を持ったら試してみることをお勧めします。そうすることで、それまで得られなかった技術や知識を磨き、新たな成長の糸口を見つけられるかもしれません。ときには、自分が選ばない道こそが最大の成長をもたらしてくれることもあるのです。
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