僕自身も、アルパインクライミングルートの情報を探すとき、このワードをよく見かけます。で、興味津々で山行記録を眺めてみるわけですが…
「登れなそうだったので、右側に迂回しました」
「この横だったら、ロープなしで降りられます」
「ピークは迂回しました」
「稜線通しが基本ですが、巻きました」
…。
えーと、フリーソロって、本来ロープを使って安全確保して登る困難なルートを、安全確保なしで登るんじゃなかったっけ?? 一応、クライマーの端くれなので、そういうのを見て思うわけです…迂回したり、巻いたりしたら、それってフリーソロなの??って。
なんでこんな日記を書いているかというと、先日行った前穂北尾根を登っているときに思ったんですよ。やっぱアルパインクライミングは2人が基本、安全確保して登ってこそだよなぁ、って。ちょっとモヤモヤしていたんですよね、フリーソロって言葉に。
で、思ったんです。安全確保せずに、フリーで突っ込む人もいますが、それってさ、高層ビルのてっぺんに命綱なしで登って目立とうとするYouTuberと変わらないじゃん…。
まぁ、本人がそれで満足ならいいですし、滑落して死んでも本望なのでしょう。実際滑落している記録を見たこともあります(救助隊は迷惑だったろうなぁ)。
「じゃあ、お前はフリーソロしないのかよ?」と言われそうですが、ちょこっとだけやってます、フリーソロ。 赤岳主稜とか、明神岳とか、阿弥陀北稜・南稜とか、ギリひとりでも死ななそうなルートで。もちろん、巻いたりせず、なるべくトポにそって正確に。ルートを外して巻いたり迂回したりするのって、肉体的よりもメンタル的にラクですが、なんか逃げたような気がして嫌なんですよね。
そりゃあ正しいルートをトレースできているか自信ないときもありますが、なるべくトポを確認して、できるだけ正確に。そうすると、「なるほど、こういうふうに攻略したのか」と、先人の思いを知ることができて、ニヤリとうれしくなったり。今は登山道具も進化しているし、より軽く・より安全に登ることができますが、当時は大変だったんだろうなぁ、とか、カムも無かっただろうし、ここでピッチを切るしかなかったんだろうなぁ、とか。
それにね、やっぱりルートを切り開いてくれた山の先輩や、昔々にハーケンやピンを打ってくれた方に対して、迂回して登ってフリーソロっていうのは、ちょっと先人に対するリスペクトが無いかなぁって思うんですよ。
ここまで読んでくれたヤマレコな人たちは思いましたよね、「クライマーってめんどくせぇ人種だなぁ」って。そうなんです、めんどくさい人たちなんです。ルートとか登り方にこだわるので(笑)
たぶん初めましてですね。
ちょうど吊尾根辺りを下山中に、観光登山ルートから眺めてました。
いやいや、本当に正論です。
私なんざバリエーションルートなどと言いながら、結局は先人が開拓したルートをトレースしている…つまり踏み跡探しの旅でしかないと思ってます。
初めまして!! こんな愚痴みたいな日記にコメントを頂き、ありがとうございます。
そうですか、下山中に見られていたのですね(恥)。あとは下山だけかと思うとつい力が抜けて、ダラダラと無心で足を動かしていました。
「踏み跡探しの旅」って、自分もそんな感じですよぉ。バリルートを登っていて「よく先人はこんなルートを開拓したよなぁ」と、よく思います。そんなわけで自分が登っているときは、初登攀された方へ感謝しまくりです(笑)
フリーとソロと理解してました。確保無しをフリーソロとするのをはじめて認識しました。
フリーに対してエイドのように思ってました。岩に手と足(とその他の身体)だけで登って、ボルトやハーケンに頼らない登攀のイメージです。1980年頃にアイスクライミングでもアックスにハーネスからのフィーフィーでぶら下がってスクリューをセットする行為が入った時にフリーなのかエイドなのか見解が分かれていたような気がします。今は、スクリューが手のみでセットできるので議論にならないとは思います。
ソロは登山行為全体を一人で実行することに思えます。危険なところでロープを使ってもソロはソロのような気がします。
登るとトレースに関しては同感です。また、バリエーションは先人とはルートやメソッドが違う(変化している)と解釈しているので同じ手法で同じラインを登るのはトレースでバリエーションではないと思ってます。フリーで登られていたところをエイドにするとバリエーションかもしれませんが恥ずかしいので内緒です。
おはようございます。コメントを頂き、ありがとうございます。
ご存じのとおり、このご時世、ほとんどのルートは登られてしまっています。したがって、初登攀でなければ、全てトレースになってしまいます。
そのトレースの中でも、安全確保をする器具を使わず登ることを『フリーソロ』と解釈しています。
同じルートをより厳しい条件で登るという、人間の可能性の挑戦になっていると思います。『同じルート』ではないルート(しかも容易な巻道ルート)を登ってフリーソロとは、これいかに?というのがこの日記の主旨でして。
『フリー』クライミングと、『ソロ』については、頂いたコメントのとおりだと思います。僕自身は、『フリー』は、カムやナッツ等を使って登るので岩場に何も残さない、という解釈をしています。
ソロだと、登る時にロープや安全確保器具を使えないため、結果的にフリーソロになるのかと。登っている自分を自分によりビレイポイントでビレイは出来ないわけで、そうすると安全器具を使えない、イコール、結果的にフリー(クライミング)、すなわち岩場に何も残さない、になるという考えです。Z法はありますが、一般的ではないので。
バリエーションについては、一般登山道に対して『一般登山道ではない登山道』を指す言葉と理解しています。
言葉の解釈は人それぞれなので、自分が納得できるのなら、それで良いかな、と。ただ僕は、安易なルートを登ってフリーソロとは言いたくないなぁ、と思っています…という主旨の日記です。
『フリーソロ』と言うワードは認識していませんでした。勉強になりました。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する