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左）今朝７時のNHKニュースでは「関東甲信には、台風の接近前から雨が強まる」というストーリーで対策を呼びかけていました。
中）今朝7:40現在の台風の中心位置と雨の強さを重ね合わせた画像です。台風の中心は室戸岬付近にありこそすれ、雨が強い地域は「紀伊半島の南東側〜東海地方〜関東地方の広い範囲」であり、その勢力は中心からの遠近に比例せず、と読み取れます。
右）我々がよく見かける台風情報では、この図のように「台風の中心位置」に主眼が置かれます。
こういったスタイルは、もう何十年にもわたってお馴染みですが、ここに問題点が３つあります。
�＿罅垢旅堝扱弉茲篷漂丗从�に必要な情報は「自分の関係地域で今後、波浪風雨洪水のどんな経時変化が予測されるか？最も強まるのはいつか？」の２点だけです。
�◆崑翩�の中心＝台風本体」という誤った認識があります。その最たるものが「台風は○○時頃、○○に上陸しました」という情報ですが、台風の中心とは、事故や事件の発生現場のようにその地点に何かがある訳ではなく、広い海面からの水蒸気の蒸発や上昇気流、風の流れによって生じた空気の渦の中心が【成り行き上そこになった】に過ぎません。防災上注目すべきは、強烈な風雨をもたらす「台風の本体」すなわち台風の中心の東〜北に広く拡がる雲のほうで、その勢力は中心位置との遠近には単純に比例しません。
�Ｃ羶完銘屬鮟纏襪靴進麁擦蓮�我々に「危険なのは中心付近」あるいは「遠いうちはまだ大丈夫」などの誤解や油断、対策の遅れを招くばかりで、全く必要ない情報です。我々が自身の行動変容のトリガーとすべきは�，任垢�、これをブレさせるノイズとしか機能しません。実際のところ、台風以外のふだんの温帯低気圧による荒天ならその中心位置など気象情報では全く話題にされませんが、台風の場合もこれと同じで良いのです。
気象庁にせよ、報道機関にせよ、何十年も放置され続けている、この害悪垂れ流し報道をいつまで続けるつもりなのか、この問題に気づいて改善して欲しいものです。
我々民間人から見れば、気象庁も報道機関にせよ、その立場は権力者です。したがって民間人同士が他人をいわたり合うのと同じ関係をここにも適用する必要はなく、批判すべき問題点はストレートに指摘すべきと考えます。
おっしゃるとおり
・「防災や減災の現場で努力する人々」に向けて情報を発信してくれていること
・登山者は気象情報に依拠していること
加えてその精度向上への努力にも感謝するところですが、今朝のニュースの「台風の接近前から雨が強まる」という表現は、防災の足を引っ張りかねない本質を捉え損ねた表現のため、強い憤りを覚えた次第です。
・・・ならば、ここにぶちまけず、気象庁なり報道機関なりに直接言えよって話ではありますが、とり急ぎ、ここを利用される皆様の一握りに、問題点を共有いただき、ご自身の安全確保に活用いただければ幸い、という思いです。
関係者へのフォローが無いだけで、議論が出来ないと一蹴するには惜しい意見だと思います。
むしろこの日記を見て、｢目から鱗｣で、ありがたく思っている人が多いと思います。
私は少し尖っていても、｢人と違う新しい視点｣は大歓迎です。片目を瞑って読みましょう。
台風の「中心位置」は、予報の前提であり、分かりやすい情報であるため、報道の中心になりがちです。
しかし、真の防災行動のためには、その後に続く風、雨、高潮などの具体的なリスク情報にまで目を向けることが極めて重要です。
気象庁や自治体も、より多くの情報にアクセスしてもらうための努力を続けていると思いますが、専門的な情報を誰もが直感的に理解できる、メディアの発信も工夫が必要だと思います。
同じ気象庁でも、地震に関しては
・1994年の三陸はるか沖地震、1995年の兵庫県南部地震（阪神・淡路大震災）をふまえて、震度階級を8段階から10段階へ（1996年）
・2016年の熊本地震をふまえて、 防災上の呼びかけ等での「余震」という用語の排除（2016年）
など、我々民間に対する情報発信の中身は、防災やリスク対策の実用上の観点から改善されてきました。これに対し、台風については…の話はまた明日の日記にでも書くことにします。
なお、冒頭の
「むしろ防災対策を目的とする情報としては不要なノイズを含んでいるため、むしろ害悪であると言わざるを得ません。」
は、さすがに表現が過ぎた反省をして、以下のように訂正しました。
「情報としては不要なノイズも含んでいるため、防災目的にはむしろ害悪な面もある点に留意が必要です。」
【訂正】上記「また明日の日記にでも書くことにします。」について、必要なデータの公表を待つ必要があるため、後日とします。
先人たちよりも工業技術は良くなっているけど、知的能力そのものの進化はないということだとおもいます。
今回、被災にあった人がいるわけで。
予想が外れたと嘆くより外れたことでなにもなかったとよろこぶべきではないかと思うのですが。
・計算に使う要素の量が莫大であること（多変量モデルや高次元モデル、と呼ぶそうな）
・初期値のわずかな違いがその後の大きな違いを生むこと（非線形力学系モデルやバタフライ効果、と呼ぶそうな。いずれもChatGPTの受け売り）
といった事情から外れることもよくあり、それが吉側に外れるか、凶側に外れるか、通り過ぎるまで誰にもわかりませんね。
あるだけでもとてもありがたいです😊
9月7〜8日、紀伊半島はるか沖から御前崎に向かって太平洋をほぼ北北東に進み、8日21時には、御前崎の沖で熱帯低気圧に変わりました。進路は以下資料P3のとおり台風＝中心位置という誤解を抱く人からは、上陸することもなく穏便に消滅してくれた台風のように見えます。
https://www.data.jma.go.jp/stats/data/bosai/report/2023/20230929/jyun_sokuji20230907-0909.pdf
ところがこの台風、日本列島の陸地からはまだ遠かった8日午後、東京都（伊豆諸島） 、 千葉県、茨城県及び福島県に線状降水帯を発生させました（同じ資料のP8以降）。7〜9日の総降水量が400ミリを超えた地点や平年の 9月の月降水量を超えた地点もあり、以下の被害をもたらしました。
・死者３名、軽傷者21名
・40河川で氾濫、住家全壊19棟、半壊・一部破損2,257棟、床上・床下浸水4,125棟
・最大断水戸数176戸
・最大停電戸数約10,000戸
・路盤流出などの鉄道被害
当時、情報交換をした知人は「台風はまだまだ遠いから大丈夫」と高を括っていました。ところが、その時すでに当地への大雨洪水に対する警戒情報は出ており、その時、台風の中心位置に重きを置いた報道が、こんな弊害（油断、初動の遅れ）を生むのか、と衝撃を受けた次第です。
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