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そりゃ、宅急便の配達車のカーナビにGPSが入ってるでしょ、でもそれだったら、普通の自動車のカーナビだって全てGPSが入ってるから、宅急便だけに関係ある訳でもなし？？？
宅急便は、1976年にヤマト運輸が始めた宅配便サービス（家庭向け小口配送）のことで、類似のサービスは、その後1979年の佐川急便の「飛脚宅配便」、1986年の日本郵便の「ゆうパック」など他社にも広がりました。ヤマト運輸の「宅急便」で市場が拡大したため、「宅急便」という商標名が普通名詞化して、「魔女の宅急便」など他社サービスまで雑に宅急便と呼んでしまうケースがあります。
商標名が普通名詞化したケースとして
・ニチバンの「セロテープ」←セロハンテープ、透明粘着テープ
・寺西化学工業の「マジック」←油性マーカー
・クラレの「マジックテープ」←面ファスナー
・コニシの「ボンド」←接着剤
・Jeep（米）の「ジープ」←四輪駆動車
などなどあります。GPSは商標名ではありませんが、これらと似たような感じで普通名詞化してしまった言葉です。
あらためてGPS（Global Positioning System）とは、アメリカが1978年に運用開始した衛星測位システムの固有名で、世界で最初に普及したため、測位衛星＝GPSと呼ばれがちです。
本来、測位衛星を普通名詞で呼ぶと、GNSS（Global Navigation Satellite System 全地球測位衛星システム、の略称）であり、国ごとに運用されている衛星測位システム（例：GPS＝米、GLONASS＝ロシア、Galileo＝欧州、BeiDou＝中国、QZSS（みちびき）＝日本、NavIC＝インド）を包括的に指しています。
つまり、スマホやヤマレコアプリで日常的に「GPS」と称してお世話になっているのは本来「GNSS」と呼ぶべきであって、これは「宅配便サービス」全般を雑に「宅急便」と呼んでしまっているのと同じ感覚になります。
一方、メーカー側もそこの扱いが意外とテキトーなので、世間一般への認知も浸透も進まないようです。例えば、同じAppleの中でも、iPhoneとiPadとWatchで添付スクショのように三者三様です。
・iPhone：「高精度2周波GPS」という表記を「高精度2周波GNSS」に直せばオッケー
・iPad：「GPS/GNSS」は「宅急便/宅配便」であり意味不明。GLONASSやGalileoすなわち飛脚宅配便やゆうパックなどのうちどれに対応するか、が不明
・Watch：これら３製品群の中では一番まとも。ただし、製品の種類別で、携帯通信網に接続できるタイプを「GPS + Cellularモデル」、接続できないタイプを「GPSモデル」と呼んでいる。ここで正確な表現GNSSでなく、世間一般に通用するGPSを選んだのは苦渋の妥協の判断があったか？
【おまけ】
上記iPadの表現について、半年前にAppleの問い合わせ窓口に
「自分はiPad mini(第6世代)ユーザーだが、�，海離皀妊襪�対応する衛星測位システムはどれか？�△�そらく製品のランクからして搭載してないと想像するが、「高精度2周波」を搭載する上位機種があるなら購入したいから教えて欲しい」
と問い合わせました。
窓口の人は、GPSとGNSSの違いを知らない普通の人でしたので、質問の意図がなかなか理解できず、WEBサイトのiPhoneのページと見比べてもらったり、宅急便と宅配便の例で説明すると、ようやく理解してもらえましたが、問い合わせのたらい回し（上位者へのエスカレーション）が何度かあって、その度に同じ説明をさせられる羽目になり、けっきょく調査の後、後日折り返し連絡、となりました。そして米国本社に問い合わせたり技術資料を見ても、これ以上の情報がないため不明、という結論でした。
それが不明なら残念ながらiPadの上位機種購入計画は白紙撤回ですな、とお伝えして先方も残念感を共有してくれましたが、半年経った今も、WEBサイトの仕様一覧は改善されておらず、次の新製品が出る頃にはiPhoneやWatchのような表現に置き換わるのやら？要注目です。
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