浅間山北麓に広がる溶岩や火砕流で形作られた台地の上を歩き、浅間火山の形成史、植生についてガイドさんに解説してもらうスカイロックトレイルツアー、昨年できたばかりの新しい道で、その存在は知っていたが、行くのは初めて♪
浅間の鬼押出しのある、長野原町の浅間園でツアーの予約ができるようで、最小人数5人からとなっているが地元NPOでガイドを直接予約すると、何人からでも連れてってもらえる?なんて話も出たが定かではない。
この道はガイド付きでないと立入禁止で、ツアー参加は、一人1000円の料金がかかる。我々は30人程の団体人数のためか特別に?2人のガイドさんが付いた。いつもは5人〜10人程度を案内するらしい。ガイドさんの説明はわかりやすく、ツアーコースは好奇心をそそる光景で、料金以上の価値があると思った。
コースを歩くと、緑深い谷で溶岩の作った断崖を見学し、展望台へ登り上げて景色を楽しみつつ、火山地帯特有の植生の移り変わる様子を見ることができる。さらに進んで新旧の溶岩台地の上を歩き、ナナカマドばかりの樹林帯を横切る。山でナナカマドがまとまって生えているのは珍しいことのようだ。
道はやがて荒涼とした土地に入り、雄大な浅間山をどーんと正面に拝め、そこからは天明の噴火で知られる鬼押出し溶岩の大きな高まりを、なんと間近で見上げることができる。
学生時代に地形・地学の専攻だったので、溶岩やら火山灰やらという言葉にはつい反応してしまうが、でんと構えた浅間山をバックにゴツゴツした膨大な黒い溶岩の塊、あの光景は感動モノだった。何度も登っている黒斑山や、前掛山からの景色とは反対側に、こんなすごい景色が拡がっていたとは知らなかった。
浅間の(最近の)噴火史を知るのに素晴らしい道だった。このツアーで知ったが、浅間火山史上最大の噴火活動といわれる、仏岩火山が噴出した溶岩地形も気になるところだ。歩いて行って許される範囲で、間近で見れる場所があるかは知らないけど…
6歳ぐらいの頃、祖父母に連れられて行った火山館のシアターの噴火映像がリアルで泣き叫び、浅間恐怖症になった思い出が蘇ったが、昔の火山館は綺麗な建物に生まれ変わっていた。当時歩いた鬼押出し園は大きな黒い岩の記憶しかないが、約30年も経つと樹木が増えているようだ。お山は日々生きているなあと実感した。
北麓からの浅間を眺めると、今見ている山は、偶然にも幸運にも現代の人々が登らせてもらってるだけで、過去はそれどころではなかった浅間の姿を想像できる。そしてすごく遠い未来、再び噴火を繰り返すだろう浅間、さらには浅間の近くで新しい火山ができるかもしれない。それは人間にとっては災害なので、願わくばそんな光景は見たくないが、遠い未来の姿に思いを馳せた。
火山が面白いなど、不謹慎だという考え方もあるかもしれないが、実態を知らなければ噴火予知や災害を小さくすることもできない。どの火山も火山以外のお山もそうだが、活火山浅間山は知れば知るほど面白い。ナナカマドが紅葉する秋にも、今回のツアーに再訪したいと思う。
1枚目:展望台からの景色。火山地帯の植生を見られる。
2枚目:鬼押出し溶岩と浅間山。人と比較すると迫力がすごい。
3枚目:溶岩がひだのようになって固まった溶岩皺のアップ。ガスっていたが、千トン岩も見え隠れしていた。
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