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宿坊「小仲坊」は修験道の修行者や登山者を受け入れながら、1300年経った今も続いています。ご主人の五鬼助義之さんがYouTuberのインタビューに答えられていました。
修験道の開祖である役行者には「前鬼(義覚)」 と、「後鬼(義賢)」という鬼の弟子夫婦がおりました。
この鬼夫婦はもともと生駒山の暗峠で人の子をさらって食べる鬼でしたが、役行者が鬼夫婦を諭して修行させ、「もうじゅうぶん修行したからお前たちは人間になっていいんだよ」と言って、弟子にしたということです。
その弟子夫婦に五人の子供ができました。役行者からの約束で、五人の子孫は代々修験者のお世話を仰せつかって、彼らを受け入れる宿坊を営んできたそうな。江戸時代には最盛を極め賑わったこの前鬼の村は、明治時代の廃仏毀釈で修験道は衰退、村を訪れる修行者はいなくなり、五人の鬼の子孫は一人、また一人と村を去りました。
現在唯一残っている宿坊が「小仲坊」で、そのご主人が五鬼助義之さん。
「修験道は優婆塞(うばそく)と言いましてね、一般人ということなんです。誰もが自分と向き合い、自分を磨くことができる。自分自身にとっての高みを目指すことができるんです」
「ここも限界集落の一つです。ここが世の中に必要とされれば残るでしょうし、必要とされなければ消えるだけです」と。1300年続いた最後の宿坊が途絶える未来もあるのか…。
「小仲坊」では現在一泊二食8000円、素泊まり4000円の宿泊を受け付けており(お弁当は500円)、ヤマレコにもこちらの宿に泊まられている方がいらっしゃいました。テント泊もできるようです。滝がいくつもあり、沢登りをされる方も。その水の色を前鬼ブルーと呼ぶそう。
役行者が修行した山だけあって、周囲は信仰の山です。そう、ここは2004年にユネスコ世界遺産に登録されたアジアを代表する信仰の山、「紀伊山地の霊場と参詣道」なのです。前鬼から釈迦ヶ岳にかけては霊場の奥座敷と呼ばれているそうですよ。
https://www.vill.shimokitayama.nara.jp/kankou/sekaiisan1.html (下北山村のHP 宿泊情報はこちらからの引用ですが、宿泊料金に変動の可能性あり。宿坊まで直接お問い合わせください)
当61代の五鬼助義之さんの味わいのあるお話を伺いに、そして宿泊し山を歩くために、私も前鬼村を訪れてみたいと思いました。
写真は奈良県吉野郡下北山村のホームページより
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