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◆背中が蒸れないメッシュ式
◆二気室
◆背面長調節可能
◆ヒップベルトにポケットが(できれば左右に)ついていること
で、大型ザックでこれらの条件をクリアしていたひとつが、オスプレーのアトモス(女性用はオーラ)でした。
私がこれまで使ってきたザックは、ドイターのフューチュラ28、オスプレーのストラトス36といずれも背中がメッシュになっているもので、テント泊用でもこの条件は譲れませんでした(オスプレーの新イーサーにはかなり惹かれましたが)。
同クラスには各メーカーから縦走・テント泊用の定番ザックが綺羅星のごとく並んでいますが、アトモスはマイナーな商品なのか店頭にあまり置いてありません。ネット上のレビューも少なく若干の不安はありましたが、店頭で50リットルを背負ってみて問題なさそうだったのでこれにしました。
《商品のホームページ》オスプレー アトモス 65
http://www.lostarrow.co.jp/CGI/products/detail.cgi?seq=000512
容量は50リットルでも足りるとは思いましたが、テント泊初心者の私はパッキングに自信がないのと、メッシュ部分のせいで容量ほど入らないだろうと思ったので、最終的に大きめの65リットルにしました。それでも重さが1.59kgしかないので助かります。軽量ですが、推奨荷重は13〜23kgとなっているので、テント泊にも十分通用します。
■使ってみて良かった点

→高山に登る際もそれなりに汗はかくので、背中が濡れて冷えたり蒸れて不快に感じることが無いのは良いです。先月、北八ヶ岳にテント泊に行った際も、良い天気で汗びっしょりになりましたが、ザックを背負っている間も下ろして再び背負うときも、背中の汗を感じることは皆無でした。
さらに、このアトモスはメッシュ部分のスペースを前モデルより薄型化しているらしく、荷物を入れるスペースへの影響が少ないです。まっすぐとは言いませんが、ふだん使っているストラトス36に比べると内部の湾曲が抑えられています。

→初めてテント泊用の装備を入れて10kg以上の荷物を背負いましたが、背中がメッシュ式にもかかわらず、うまく荷重が分散されています。まだこれを背負って2回しかテント泊に行っていませんが、登りも下りもこれまでの日帰り山行用ザックに比べてストレスを感じませんでした。このクラスにしては軽量(1.59kg)なのもありがたいです。

→ふだん使っているZポール(ブラックダイヤモンド・ディスタンスFL:約37cm)や、テント(ニーモ タニ 1P)用のポール(約40cm)がそのまま収納できるポケットが正面の両サイドについています。最大50cmくらいまでの長尺物を入れられ、マチ付きで思ったより大容量なので、ザックに外付けするものが減りました。
なお、このポケットからザック内部へアクセスすることはできません。また両サイドのポケットの間には仕切りがあり、それぞれ独立しています(上部に握りこぶし1個が通るくらいの穴は貫通していますが)。汚れるもの(ストックやサンダルなど)とそれ以外(地図、ティッシュなど)を分けたい時に便利です。

→背面長が調節できるのはもちろんですが、ヒップベルトも面ファスナーをベリッとはがして、スルスルと腰の前まで伸ばすことができます。使ってみるまで何のためのギミックかわかりませんでしたが、実際に伸ばして使ってみると、薄っぺらいながらも腰の安定感が増しました。これはザックを背負ったままで伸縮可能です。
このアトモスはメッシュ式ということもあって背中に吸いつく感じではなく、どちらかと言うと腰で支えるタイプなのでこの機能は何げにありがたいと思いました(と言うか、最初から長めにしておいてくれてもよかったかも)。
他のテント泊用ザックは、もともとヒップベルトに厚みがあってしっかりとサポートしてくれるタイプが多いのですが、アトモスは荷物の重さに応じてベルトの長さを調節できるようにしているのかもしれません(でも繰り返しになりますが、最初から長めで固定にしておいてくれてもよかったかも)。

→チェストストラップに、ハイドレーションシステムのチューブを通す穴がついていて、口元に近い部分にチューブを近づけておくことができます(ストラトス36にはこれが無く、チューブをぶらぶらさせないためにクリップで留めるのが面倒でした)。
■少し残念だった点

→ふだん使っているストラトス36に比べると、ヒップベルトのポケットがひとまわりくらい小さいです。コンパクトデジカメくらいならスムーズに出し入れできます。上述のヒップベルトの長さ調節機能を廃して(最初から長くして)、ポケットのサイズを大きくして欲しかったです。
ちなみに前モデルはこのポケットがメッシュでしたが、今のモデルは左右ともメッシュではありません。

→50リットルではなく65リットルにした理由の一つが、二気室と一気室の切り替え機能なのですが、使ってみるとパッキングの際に気室の仕切り(フラップ)が意外と邪魔で、最初から一気室でもよかったかもと思いました。ただ、下部アクセスジッパーがあるのは便利なのでまあいいかと。ちなみにジッパーではなくストラップで、仕切りの高さ調節や一気室への切り替えができます。

→本来は別に購入するところですが、今のところストラトス36のザックカバーを持って行っています。駄目もとでかぶせてみたら、ザックの中身が少なければぎりぎり収まる感じです。

→実は、届いた商品を見ていちばん戸惑ったのがこの点です。”グレイシャーブルー”という濃い紺色のものを注文したのですが、到着したものは写真とは異なり、鮮やかなセルリアンブルーの商品でした。販売店に色がずいぶん違うことを伝え、本当にこの商品で合っているのかそれとも商品の色自体が変更になったのか訊きました。販売店も色が異なる理由はよくわからないようで「注文通りの商品を送付した」とのことなので、それほど変な色でもないのでそのまま使うことにしました。
ここからは憶測ですが、今年発売になった同じオスプレーのジーニスという超大型ザックの”メディタラニアンブルー”とまったく同じ色合いなので、メーカー側で素材を共通化するために途中からアトモスの色を変更したのではないかと勘繰ってしまいます。ちなみにジーニスというのはアルゴンの後継モデルですが、デザインも機能もアトモスの高級版・兄貴分と言えるほどよく似ています。
■その他
・雨蓋にはジッパー式のポケットが二ヶ所あります。表側に一ヶ所(キークリップ付き)、内側にメッシュのが一ヶ所です。表側のジッパーの幅は小さめで、中の物を取り出すのにちょっと苦労します。
・雨蓋はストラップで高さが可動するので、荷物の量に合わせてある程度調節できます。また、雨蓋自体を本体から完全に取り外すことも可能です。ただし取り外せるだけで、他のザックにあるようにウエストバッグとして使用することはできません(サイズの合うバックルとベルトを買ってきて付ければ可能かも)。
・ショルダーストラップには通気・軽量化のため、肉抜きされてメッシュで覆われている部分がありますが、あくまで外から見える部分しか肉抜きされていません。前モデルは肉抜きされまくっていて穴だらけでしたが、それに比べると耐久性が少し上がって通気性・軽量性が少し下がっているかもしれません(1番目の写真・左下)。
・オスプレーのザックの定番となっている、トレッキングポールホルダーがついています(Zポールは長さが足りずに使えないのが残念)。
・同じくオスプレーのザックの定番ですが、チェストストラップのバックルと一体化したホイッスルがついています(1番目の写真・左下)。
・正面の大きなストレッチポケットは生地が薄くて耐久性が心配ですが、よく伸びるのでレインカバーや帽子などを突っ込んでおくのに便利です。
・アイスツールを留めるループとバンジーコードが正面両サイドにあります。細かい工夫ですが、バンジーコードが通っている穴の内側にも面ファスナーがついていて、バンジーコードに無理な力が加わっても、簡単にずれないようになっています。
・底部には、スリーピングマットを固定するための着脱式ストラップがついています(今の私の装備には不要なので取り外そうとしましたが、ストラップの端の縫い目がバックルを通らずどうしても抜くことができませんでした)。
・ハイドレーションシステムはザックの内側ではなく、外側(つまり背中側)に吊るすことも可能です。
■最後に、私が買ったMサイズの仕様を載せておきます
・容量:65リットル
・重量:1.59kg
・サイズ:縦75cm×横35cm×奥30cm
・対応背面長:46〜53cm(長さ調節可能)
・推奨パッキングウェイト:13〜23kg
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