山に入れずモバイルに監視されているようになって随分経ちます。
モバイルから呼び出しが掛かれば時間関係なしに愛車ステファニー3号に跨って大田区にカッ飛びます。
9月迄は電波の届く沢で毛バリを振って遊んでいましたがシーズン終了により来シーズンに向け毛バリ巻き。数えてみれば何と600本
死ぬまで足りそうですw
毛バリの次は竿作り。
六角バンブーロッドを作ってみたいけど狭い我が家では出来ないし、機材が多く財政が持ちません。
丸竹を乾燥、火入れ、曲がり直し、削り、油漬け、乾燥。此処からやっと竿を作り始めます。
そんなことをしながらボーっと過ごしていなすが、時々オツムの中で妄想が広がってきます。
ってな事で
「麓の駐在日誌」エピソード1
5月10日13:50
救助服に着替えパトカーに乗り込もうとした時
サイレンを鳴らしながら一台のパトカーが目の前を猛スピードで走り過ぎた。
山岳救助隊一番の若手、駅前駐在の柴山の車だった。
「何がなんでも助けるから待ってろよー」そうサイレンが柴山隊員心の叫びを表しているかのようだった。
3分程前、駐在の警電がけたたましく鳴り響いた。
内容は山岳遭難の救助要請だった。
私も急いで車に乗り先行したパトカーの後を追った。
14:03現着。無線で本部に連絡を済ませ先着した隊員と合流した。
隊員たちの中心には一人の若者の姿。
全身泥で汚れ登山靴は片方しか履いていない。
どうやらこの若者が通報者のようで、泣きじゃくりながらしきりに「早く助けに行って下さい」と隊員たちに訴えている。
3人パーティーで下山中昨夜の降った雨での泥濘に足を取られた3人が滑落凡そ30m下の岩場で止まったが、一人は大出血の意識不明。もう一人は意識は有るが動けない。3人のうちダメージの少ないこの若者が「応援を呼んでくる」と言い残し電波の通じる所迄降りて救助要請したらしい。
事故現場は現在地から登山道で一時間程度。地図を広げながら岳沢は思い返した。
一昨年の滑落事故と同じ場所だった。
「此処なら直登30分で登れる。降りは登山道を使うが先ずは要救助者の元へ早く」
そう言うと救助隊5人の先頭に立ち泥壁を登り始める。
山岳救助隊の靴は特別なモノではなく一般的な登山靴だが消耗が過酷な労働を物語る。
アウトソールは爪先部分が異常にすり減りアッパーは先端部分にダメージが集中している。
理由は簡単だ、救助作業は寸刻を争う。
特に要救助者とコンタクトを取る迄の時間は最短を目指す。其の1分1秒が生死の明暗を分ける。
其の為、回り込んだりの時間の掛かる事はせず最短ルートを探す。
そして爪先を泥壁に突き刺し我武者羅に登る。一人凡そ25kgのザック。
救助作業は深夜まで及んだ
一人は頭部に外傷を負い身動きが取れない。
周囲は巨木が多くヘリで吊り上げることは難しい。
細い登山道は昨夜の降雨の泥濘で足を取られる。
救助者をタンカに乗せ登山道にロープを多数張り安全確保しながらの下山だ。
登山口で待機していた救急車に二人の要救助者を乗せたのが深夜二時を過ぎた。
だが作業はまだ終わらない
山岳救助隊本部が置かれている尾子玉警察署には通報者の若者が待っていた。
調書を作成し終わった頃
病院から連絡が入り二人とも手術が無事成功し二週間ほどで退院出来るとの事。
大きく深呼吸した後、通報者の若者へ「入院した二人が元気になったらまた山登りに来てください。待ってますよ」
若者は目に涙を浮かべながら何度もうなずいた。
時計を見ると7:00を過ぎていた
「いけない! 通学路の交通整理の時間だ」
岳沢は、若者に手を挙げ「次は山で会いましょう」っと言いながら駅前迄泥だらけの服装で走り去った。
山岳救助隊から麓の駐在さんに戻った瞬間だった。
岳沢律治38歳の初夏 長い一日が終わり、そして新しい一日が始まる。
山岳救助隊員たる者、常に「山ヤ」であれ。
尊敬する大先輩の言葉。
此れは僕の妄想ハクション。。。ちゃうフィクションです。
久しぶりの短編作品ですね!
物語に引き込まれてしまいました。
続編楽しみに待ってます。
毛バリを600本もですか?
「作業中は絶対に覗かないように」と言い残し一人小部屋に籠って黙々と作られたのですね。
時々「プチッ!」「痛っ!」と声が聞こえてきたのですが何の毛を針に巻いていたのですか?
今年も残すところ二十日を切ったのですね。
寒さも本格化しそうだし、お体ご自愛くださいませ。
本年はあまり絡めませんでしたが、ありがとうございました。
来年もどうぞ宜しくお願い致します。
「おっといけねぇ❗️ 明日は伝説のマタギ真琴さんに頼まれていた毛鉤納品の日じゃった」と言いながら作業場に籠り毛鉤道具を準備していると
「頼まれたのは白そして黒でコサエタ身の毛だったがゼンマイの綿毛を切らしてしまったでな」そう良いながら天井を見上思案していると
ワシの髪の毛で何とか成りそうじゃ
そう言いながら自らの少なく白くなった髪の毛をブチッブチッと抜きながら夜なべしてコサエタ沢山の毛鉤
此れで何とか御世話になりっぱなしの真琴さんに恩返しができるでな。
一安心のゴンゾウ、ふと鏡を覗くと…………
「ハゲの御恩返し」
「麓の駐在日誌」はエピソード6まで書き留めてあります。
ハクションですが、節々に事実を盛り込んでいます。
またそのうちに縁側に座ってお茶でもすすりながら
どうぞ御体にお気をつけてコロナなんぞに負けずに御夫婦で弾け飛んで下さい😁
いやぁ〜ご無沙汰ですね、ご無沙汰、ご無沙汰、ご無沙汰すぎの杉山清隆&オメガトライブ
この小説を読んでいる途中で、途中でギャクやオチが出てくるのを期待してしまった自分が恥ずかしいです。
ドキュメント仕立てのシリアスなシリーズでした
毛針が600本とは。
もう投網なみの威力ですね。
一斉に使えばですがwww
毛針や竹竿を作られてるんですね。
私の自宅のすぐ隣の通りの家の方は、和竿を作っていて販売してるらしく、ある時期になると沢山の竹が玄関先に干されています。
それではまたです
1人で寡黙に毛鉤巻いたり、竹竿削ったり火入れしていると改心して真面目な老人になってしまいました
まるで懲役刑を受けた労役のようです
一気に600本の毛鉤流したら延縄漁法ですね
毛鉤ストックが1000本越えたら試してみたい多摩川で延縄漁法
最近竹を使った和竿の職人さんが少なくなり、其れに伴って竹屋さんも激減しているようです。
江戸前では千葉の市川近辺と埼玉の川口辺りには存在しているようです。
釣り竿にする竹は刈り取ってから数年乾燥が必要で、昔の人は囲炉裏の上に竹竿を乗せて乾燥と燻しで強度を増したそうです。
僕も市の施設に囲炉裏が在る所に御願いに行きましたがお見事に撃沈しました
今作りかけの竿が6本有るんですが、仕上がるとストックが無くなります。
その際は是非とも日原の藁職人鳥鳥巣さんと伝説のマタギ真琴さんに「かぐや姫」が入っていますと騙して、竹刈りを御願いしようと思っています😁
御家族の皆様がコロナに負けず健やかに生活出来ますよう笹束ねて振りながら御祈り申し上げます。
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