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HOME > ヤマノート > ヨーロッパアルプスの地質学;第2部「ヨーロッパアルプス地域」の地史と地質体(詳細版);2−1章 「基盤岩類」、「アルトクリスタリン」について
更新日:2025年07月03日 訪問者数:137
ジャンル共通 技術・知識
ヨーロッパアルプスの地質学;第2部「ヨーロッパアルプス地域」の地史と地質体(詳細版);2−1章 「基盤岩類」、「アルトクリスタリン」について
ベルクハイル
図1 「ヨーロッパアルプス」の地質図(地塊群の分布)
凡例
 ・赤色線で囲ったゾーン;基盤岩類
  (crystalline rockes)
 ・青色線で囲ったゾーン;古生代堆積物
   (Paleozoic sediments)

※ 文献1)の図2−1を元に、地質体境界線、地塊名称を記載
図2 「西部アルプス」の地質図(地塊群の分布)
凡例
 ・青線で囲ったゾーン;「外側地塊」群
   ”Be”;ベルドンヌ地塊
   ”PX”;ペルビュー地塊
   ”AR”;アルゲンチーラ地塊   
   
 ・赤線で囲ったゾーン;「内側地塊」群
   ”GP”;グランパラディ―ソ地塊
   ”DR”;ドーラ・マイーラ地塊

※ 文献1)の図5−1−1を元に、地塊群を図示、地塊名称を記載
図3 「中部アルプス」の地質図(地塊群の分布)
凡例
・青色線で囲ったゾーン;「外側地塊」
 "M-Bl”; モンブラン地塊
 "A-Rl";エギーユルージュ地塊
 ”Aar”;アール地塊
 "Gd";ゴッタルト地塊

・赤線で囲ったゾーン;「内側地塊」"
 "Brh";ベルンハルト地塊
 "Sv-Mb”;シヴィーズ・ミシャベル地塊
 ”M-Rz”;モンテローザ地塊
 "Mg";マギーア地塊

・ 青い▲印;マッターホルン
・ 黒い▲印;ユングフラウ

※ 文献1)の図5−3−1を元に、地塊群を図示、地塊名称を記載
図4 「東部アルプス」の地質図(基盤岩類、古生代層の分布)
凡例
 ・赤線で囲ったゾーン;古生代堆積岩層
    (Pareozoic sediments)
 ・紫色線で囲ったゾーン;結晶質基盤岩類
     (crystalline basements)
 ・黒色線で囲ったゾーン;
   「タウエルン地塊」ゾーン
    (Tauern fenster zone)

※ 文献1)の図5−3−1を元に、地質体の境界線、タウエルン地塊を図示
図5 「モンブラン地塊」、「エギーユルージュ地塊」の地質図
凡例
 ・赤色線で囲ったゾーン;「アルトクリスタリン」
 ・青色線で囲ったゾーン;花崗岩類(石炭紀)
      (変成花崗岩類を含む)
 ・緑色線で囲ったゾーン;流紋岩(石炭紀)
 ・黒色線で囲ったゾーン;堆積岩類
      (デボン紀〜石炭紀)
 ・紫色線で囲ったゾーン;変成岩類
       (migmatites、石炭紀)

 ・黒い▲印;モンブラン
 ・青い●印;シャモニー

※ 文献1)の図2−5を元に、地質体境界線などを図示
図6 「タウエルン地塊」の地質図
凡例
・紫色線で囲ったゾーン;「アルトクリスタリン」
・青色線で囲ったゾーン;変成した花崗岩類
           (古生代)
・黄緑色の線で囲ったゾーン;片麻岩類(古生代)
・黒色線で囲ったゾーン;堆積岩類(古生代)

・黄色、薄いグレー色、ミントグリーン色のゾーンは、中生代の堆積物層(オーストロアルパイン系、ペニン系)

※ 文献1)の図2−8を元に、地質体境界線などを図示
(はじめに)
 前の連載までは「第1部」として、「ヨーロッパアルプス」の地史、地質構成などについて、概要説明を行いました。

 今回の分から「第2部」ですが、これ以降は「ヨーロッパアルプス」の地史、地質構成、テクトニクスなどについて、「詳細版」として、やや専門的な内容を説明していきます。
 「第1部」と内容的に重複する部分もありますし、やや細かすぎたり、解りにくい点もあるかと思いますが、悪しからずご了承ください。

  さて、1−3章でも説明しました通り、「ヨーロッパアルプス」を構成している地質体は大きく分けて、以下の3グループに分類できます。
 このうち、基盤岩類、古生代の地質体、中生代の地質体までを、この第2部で説明します。
 新生代の地質体については、「アルプス造山運動」と関連が深いので、「アルプス造山運動」を説明する、第3部にまとめる予定です。

 グループA) 基盤岩類、古生代の地質体 ・・・・ 2−1章(基盤岩類)で説明
                         2−2章(古生代)で説明
 グループB)  中生代の地質体      ・・・・ 2−3章(トリアス紀)で説明
                         2−4章(ジュラ紀)で説明
                         2−5章(白亜紀)で説明

 グループC) 新生代の地質体     ・・・・第3部「アルプス造山運動」にて説明
2−1章 「基盤岩類」、「アルトクリスタリン」について
(はじめに)
 第2部のうち、最初となるこの2−1章では、まず、「基盤岩類」と総称される古生代の地質体などの分類などについて述べたのち、「基盤岩類」のうち、「アルトクリスタリン」と呼ばれる地質体について説明します。それ以外の古生代の地質体(火成岩、堆積岩、変成岩)は、次の2−2章で説明します。
2−1章―第(1)節 「基盤岩類」(古生代の地質体を含む)の分類
 1−3章でも説明しましたが、ヨーロッパアルプスにおける「基盤岩類」
(pre-Triassic basements/crystalline basements)とは、その名の通り、「ヨーロッパアルプス」の基盤として、古生代あるいはそれ以前に形成され、地下深くに存在していたものであり、新生代における「アルプス造山運動」によって、その一部が隆起して地表に顔をだしているものです。
 なお(文献1―1)では、古生代の地質体(火成岩、堆積岩、変成岩など)を含めて「基盤岩類」(pre-Triassic basements)として扱っているので、1−3章と同様に、狭義の「基盤岩体」に加え、古生代の地質体も含めたものを「基盤岩類」と呼ぶこととします。
 また、「基盤岩類」が地質図上、島状にまとまったものを、「〇〇地塊」と呼ぶことします。

 この第(1)節では、まず「基盤岩類」の この連載での分類と、地理的分布状況について説明します。

 まず分類ですが、1−3章では、「基盤岩類」を3つに分けましたが、ここでは、以下のように、より詳しく、4つに分類します。
 この2−1章では、これらのうち、A)の「アルトクリスタリン」についても説明します。
  ((B)、C)、D)については、次の2−2章で説明します)

[基盤岩類]の分類
 A)「アルトクリスタリン」(Alt-kristallin(独))
    原岩は原生代〜古生代前期が起源と推定され、それ以降、複数回の変成作用を
    受けた変成岩類(主に片麻岩類)。変成年代や回数は不明。
        (“poly-methamorphic crystalline rocks”(英)とも呼ぶ)。
 B) 「古生代の変成岩類」
   (変成時期が古生代と明確なもので「アルトクリスタリン」は除く)
 C)  「古生代の火成岩類」(主に「石炭紀」のもので、主に花崗岩類)
 D) 「古生代の堆積岩類」(主に「石炭紀」、「ペルム紀」に堆積)
2−1章―(2)節 「基盤岩類」の現世における地理的分布状況
 「基盤岩類」の地理的分布状況ですが、(文献1−1)に「アルプス地域」全体にわたる地質図があり、(文献1―2)には、「アルプス地域」の各地域のより詳しい地質図があります。それらから、「基盤岩類」の分布状況を、添付の図1,図2,図3,図4に示しました。

 これらの図を見ると、「西部アルプス」、「中央アルプス」では、「基盤岩類」からなる地塊群は、海に浮かぶ島のように、あちこちに数10〜約100kmサイズで点在しています。
 一方で「東部アルプス」では、「古生代の堆積岩」も含めた「基盤岩類」が広範囲に分布している、という違いがあります。

 また(文献1−1)によると、「ヨーロッパアルプス」が弧状をなしていることから、「ヨーロッパアルプスの地質学」では慣習的に、イタリア側を弧の内側、フランス、スイス側を弧の外側とみなしています。
 「西部アルプス」、「中央アルプス」では、イタリア側からみて遠いゾーン(「ドフィーネ系」、「ヘルベチカ系」地質グループ分布域)を弧の外側とみなして、その地域にある地塊を、「外側地塊」(the external massifs)と呼んでいます(注1)。
 一方、イタリア側に近いゾーン(主に「ペニン系」地質グループ分布域)にある地塊群は、「外側地塊」に対応するような名称はなさそうですが、この連載では区別のために「内側地塊」と呼ぶことにします。これはあくまで、この連載での説明のためのものです。
 なお「東部アルプス」では、「外側」/「内側」といった区別はないようです。

 「外側地塊」群は、「アルトクリスタリン」を含む古い基盤岩体で、元々はその上を被覆した中生代の堆積物層である「ドフィーネ系」、「ヘルベチカ系」地質グループの下位にあって、まさに「基盤」となっていたものです。それが、新生代の「アルプス造山運動」によって局所的に隆起して、構造的上位の中生代の堆積物層を突き破ったように、地表に顔を出しているものです。
 一方、「ペニン系」地質グループ分布域にある「内側地塊」群は「アルトクリスタリン」を含まず、成り立ちや地史に違いがあります。詳細は後の章で説明予定ですが、中生代から新生代にかけ、地下深くに潜ったり、隆起して地表に現れたりと、複雑な地史を持っています。


 さて、(文献1―2)に記載されている地質図によると、以下のような基盤岩類からなる地塊が分布しています。添付の図2、図3,図4もご参照ください。
 また解る範囲で、「外側地塊」と「内側地塊」との区別も記載しました。


1)「西部アルプス」(添付の図2も、ご参照ください)
 ・「アルゲンチーラ」地塊(Argentera);「西部アルプス」南部 (「外側地塊」)
 ・「ペルビュー」地塊(Pelvoux);「西部アルプス」中部 (「外側地塊」)
 ・「ベルドンヌ」地塊(Belledonne);「西部アルプス」中部 (「外側地塊」)
 ・「ドーラ・マイーラ」地塊(Dora Maira);イタリア、ポー盆地の西側
         (「内側地塊」)。
 ・「グラン・パラディーゾ」地塊(Gran Paradiso);イタリア、トリノ西部の山塊
         (「内側地塊」)。
 
2) 「中部アルプス」(添付の図3も、ご参照ください)
 ・「モンブラン」地塊(Mont Blanc);「モンブラン山塊」に対応(「外側地塊」)。
 ・「エギーユ・ルージュ」地塊(Aiguilles Rouges);「モンブラン山塊」の北西に隣接、
         (「外側地塊」)。
 ・「アール」地塊(Aar);スイスのベルナーオーバーラント山群を中心とした地塊、
         (「外側地塊」)。
 ・「ゴッタルト」地塊(Gotthard);「アール地塊」の南東側に隣接した地塊
         (「外側地塊」)。
 ・このほか、「中央アルプス」の「ペニン系」地質グループ分布域には、
    ”crystalline basements”に分類された、多数の「地塊」(「内側地塊」)がある。
     例えば「ベルンハルト」地塊(Bernhard)、「モンテローザ」地塊
     (Monte Rosa)、「「ジヴィーズ・ミシャベル」地塊(Siviez-Michabel)
などが、図3の原図に記載されている。
 
3) 「東部アルプス」(添付の図4も、ご参照ください)
 ・「タウエルン」地塊(Tauern);オーストリア西部のチロル地方、「タウエルン山群」
    に対応。なお「タウエルン」地域の周辺は、ナップパイル構造をしており、
    隆起と浸食により、基盤岩体も含む構造的に下位にある地質体が、
    地窓(フェンスター/fenster)注2) として表れている。
 ・「ジルブレッタ」地塊(Silvretta);スイス東部(図4の右端) 
  ・その他;「東部アルプス」では、結晶性基盤岩類(crystalline rocks)や、古生代堆積物層(Paleozoic sediments)を含めた「基盤岩類」が、広範囲な分布を示す。
  地塊として島状にまとまった分布はしておらず、地塊としての固有名詞が付けられていない。
2−1章―(3)節 「基盤岩類」からなる「地塊」の地質構造(例)
 「西部アルプス」、「中央アルプス」には、「基盤岩類」からなる「地塊」(外側地塊)が多数あり、(文献1−1)には、それらのうちいくつかの地塊について、詳細説明があります。但し、内容が細かすぎるので、代表的な地塊の概略地質図のみ例示します。

 図5は「モンブラン地塊」と「エギーユ・ルージュ地塊」、図6は「タウエルン地塊」(フェンスター)の概要地質図です。
 各地塊には、「アルトクリスタリン」が含まれ、それに加えて古生代の深成岩、火山岩、堆積岩、変成岩などが組み合わさって複雑な地質構造を持つ、複合岩体となっていることが解ります。
2−1章―第(4)節 「アルトクリスタリン」について
 「アルプス地域」における最も古い岩体が、古い起源を持つ変成岩である「アルトクリスタリン」(Alt-kristalln(独))です(文献1−1)、(文献2)。
 (文献1−1)では、「多回変成・結晶質(基盤)岩類」(poly-morphorphic crystalline rocks(英))や、「複変成堆積岩」(meta-sediments(英))とも呼んでいます。
(文献1―1)には、「アルトクリスタリン」についてまとまった詳しい説明がありませんが、断片的な説明を元に、以下のようにまとめられます。

1) 原岩の種類;
  (文献1−1)、(文献2)によると、原岩は、主に堆積岩と推定されており、(文献1−1)では「アルトクリスタリン」とは「複変成堆積岩」(meta-sediments)である、とも説明されている。また一部は、(海洋地殻由来の)玄武岩質の岩石も含まれるとされている。
 その堆積岩の種類としては、珪質岩(quartzite)、変成泥質岩(meta-pelites)、変成砂岩(meta-greywacke)などが例示されている。注3)

2) 原岩の形成年代;
 「原生代」後期(late Proterozoic;約10〜5.5億年前)〜「古生代」初頭(early Palaeozoic)、と推定されている。

3) 変成作用を受けた時期;
 「アフリカ大陸ブロック」が形成されたイベントである「パン・アフリカン造山運動」(Pan-African orogeny;約9〜5.5億年前)(文献3)、
 「古生代」前期〜中期の「カレドニアン造山運動」(Caledonian orogeny;オルドビス紀〜デボン紀初頭;約5〜4億年前)(文献4)、
 「古生代」中期〜後期の、「ヴァリスカン造山運動」(Variscan orogeny、デボン紀末〜石炭紀;約3.5〜3.0億年前)(文献5)などが考えられ、
  更には新生代の「アルプス造山運動」も影響している、と推定されている。


4) 具体的な岩石の種類;
 「アルトクリスタリン」として一括されている変成岩類の具体的な岩石について、(文献1−1)にはほとんど記載がありません。
 そこで、スイスのオンライン地質図である(文献6)で、各地塊の「アルトクリスタリン」相当の岩石を読み取ると、「アール地塊」(Aar massif)での変成岩類としては片麻岩類(gneisses)が多く、その他には、ミグマタイト(migmatite)、角閃岩(amphibolite)、雲母片岩(mica schist)といった変成岩が記載されています。注3)
【他の連載へのリンク】
【注釈の項】
注1) (文献1―1)で、”the external massifs” と書かれている単語について、
    「地学事典」などを見てもオーソライズされた訳語はなさそうだったので、
     ここでは「外側地塊」と訳した。

注2)  地窓(じまど)とは、「フェンスター」(fenster(独))や、
    「(テクトニック)ウインドウ」(tectonic window(英))とも呼ばれる地質構造で、
     局所的な隆起や浸食などによって、構造的下位にある地質体が、構造的上位の
     地質体の間から、地質図上、窓のように顔をだしているゾーンのこと(文献4)

注3) 岩石の種類について、
   本文では色々な岩石名称が記載されているが、馴染みのない岩石も多いので、
    (文献7−2)、(文献8)を元に調べ、以下のとおりまとめた。

・「珪質岩」(quartzite);(文献7−2)では「珪岩」という名称で説明されている。
   石英を多く含む岩石全般を指し、色々な意味あいで使用され、定義はやや不明瞭。
   (文献1)では、「石英の多い砂岩由来の変成岩」、という意味あいで使用されている。
   なお近年では、「珪岩」、「珪質岩」という用語より、「クオーツアイト」という
   用語が良く使われている感じ 

・「ペライト」(pelite);「ペライト」という用語は、本来、岩石の名前ではなく、
   鉱物の一種の名前(文献7−2)。
  (文献1)では、泥質岩という意味で使用されている感じ   

 ・「グレイワッケ」(greywacke);堅い砂岩の一種で、泥質成分を15%以上含むもの。
    色あいは名前の通りダークグレー。「グレーワッケ」とも書く。
   元々は、ドイツ中部の「ハルツ山地」に産する砂岩に付けられたローカルな岩石名称。
   その後、この用語の使用方法に混乱が生じたので、最近はあまり利用が
    推奨されていないというが、(文献1)では良く使用されている。

 ・「片麻岩」(へんまがん;gneiss(英)、Gneis(独));白っぽい部分と暗い色の部分
     が縞模様状をなす外観(片麻状構造/組織、縞状構造)を持った変成岩の総称。
     (結晶片岩類との違いは、縞状構造に沿って割れやすい、ということが無い)
    地下深くの高温高圧化で変成したもので、石英、長石のほか、ザクロ石などの
     変成鉱物を伴うことも多い。
     なお実際には、図鑑にあるようなきれいな縞状構造がはっきりしないものもある。
    下位分類として、花崗岩類が原岩と推定される「正・片麻岩」(ortho-gneiss)と、
     堆積岩が原岩と推定される、「パラ片麻岩」(para-gneiss)に分類される。
     (文献1)や(文献3)では、この下位分類も使われている。

 ・「ミグマタイト」(migmatite);片麻岩状、あるいは結晶片岩状の組織構造を
    持つ部分と、花崗岩状の組織構造を持つ部分が入り混じった見た目の変成岩。
     原岩の種類や変成、変形作用の違いにより、見た目は様々。
    片麻岩より更に高温の条件化で、原岩がなかば溶けかけたような変成岩であり、
    (文献8)では「溶けかけの片麻岩」、「火成岩(マグマ)になりかけの変成岩」
    とも書いてある。

 ・「角閃岩」(かくせんがん; amphibolite); 中〜高圧型の変成岩。
   変成相図の「角閃岩相」の条件化で形成される変成岩のうち、
   原岩が玄武岩、ハンレイ岩などの苦鉄質岩のもの。
   主な構成鉱物は有色鉱物である「角閃石」であり、見た目はダークグレーが多い。
   しばしば、主要構成鉱物である「普通角閃石」の英語名の「ホルンブレント」
   (hornblende)が、「角閃岩」の意味あいで使用される。

 ・「雲母片岩」(mica-schist);結晶片岩類のうち、雲母(白雲母、あるいは黒雲母)
    が多い結晶片岩。原岩は、主に泥などの堆積物で、「泥質片岩」とほぼ同義。
    (文献8)では、「白雲母片岩」という名称で説明されている。
    「結晶片岩類」は、「片麻岩類」とともによく見られる変成岩で、
     どちらかというと「高圧型」変成岩に分類される。   
【参考文献】
(文献1) O. A. Pfiffer 著 “Geology of the Alps”  second edition (2014)

 (文献1−1) (文献1)のうち、第2部 “the pre-Triassic Basements of the Alps”
           の項
        及び、図2−5 「モンブラン」、「エギーユ・ルージュ」地塊の地質図
           図2−8 「タウエルン」地塊の地質図
 
 (文献1−2) (文献1)のうち、第5部 “Tectonic structure of the Alps”の項、
          及び、図5−1−1 「西部アルプス」の地質概略図 
             図5−2−1 「中央アルプス」の地質概略図  
             図5−3−1 「東部アルプス」の地質概略図      

(文献2) ウイキペディア・ドイツ語版の “Altkristallin” の項
         https://de.wikipedia.org/wiki/Altkristallin
                   (2025年6月 閲覧)

(文献3) ウイキペディア英語版の、“Pan-African orogeny” の項
         https://en.wikipedia.org/wiki/Pan-African_orogeny
                   (2025年6月 閲覧)

(文献4) ウイキペディア英語版の、“Caledonian orogeny” の項
         https://en.wikipedia.org/wiki/Caledonian_orogeny
                   (2025年6月 閲覧)

(文献5) ウイキペディア英語版の、“Variscan orogeny” の項
        https://en.wikipedia.org/wiki/Variscan_orogeny
                   (2025年6月 閲覧)

(文献6) スイスのオンライン地質図 
        https://map.geo.admin.ch
                (説明はドイツ語、2025年6月 閲覧)
      ・なお、スマホアプリ版の「swiss topo」というスイスの地図アプリのうち、
       地質図レイヤーも参照した。
       (基本的には上記のオンライン地質図とソースは同じだが、
        説明が英語なので、解りやすい)

(文献7) 地学団体研究会 編 「新編・地学事典」 平凡社 刊 (1996)
    (文献7−1) (文献7)のうち、「フェンスター」の項  
    (文献7−2) (文献7)のうち、「珪質岩」、「ペライト」、
            「グレイワッケ」、「片麻岩」、「ミグマタイト」、
             「角閃岩」、「雲母片岩」の各項

(文献8) 西本 著 「観察を楽しむ 特徴がわかる 岩石図鑑」ナツメ社 刊(2020)
    のうち、「片麻岩」、「ミグマタイト」、「角閃岩」、「白雲母片岩」の各項
【書記事項】
初版リリース;2025年6月27日
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