阿蘇・根子岳・西峰 花咲く道
- GPS
- 04:12
- 距離
- 5.8km
- 登り
- 729m
- 下り
- 713m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
10台程度駐車可 道が狭い |
コース状況/ 危険箇所等 |
周囲には、温泉多数。 すぐ近くに「高森田楽」の店がある。とてもおいしい。 この時期の晴れた休日は、南阿蘇村、白水の一心行(いっしんぎょう)の大桜を見に大勢の人が訪れ、周囲の幹線道路は大渋滞となり、阿蘇から出られなく可能性あり。 この南尾根からの西峰ルートは、だれでも歩ける半面、残置ザイルの危険性などを考えると複数で確保用のロープ持参がいいと思う。 |
写真
感想
4月のこの忙しい時期でも、毎年、3年連続で御竈門山のキスミレを見に行っているので、今年はH19以来の根子岳西峰に登ることにする。
根子岳は急峻な山であると同時に人々から愛され、高森から見る根子岳の風景が「県民が選ぶ一番好きな風景」NO.1に選出されている。
山だけでなく、もう一つの目的は、阿蘇・白水の「一心行の大桜」を見に行くことでもある。
以前も大桜見物に数回挑戦したが、あまりの大渋滞に途中で引き返した経験から、ここ数年は、朝5時に出発し、6時に見て、それから山、というパターン。そんな早朝の時間でさえも年々人の数が増えてきたような気がする。
年度初めの忙しさと歓迎会での飲み歩き、そして昨日の休日出勤、夜も遅く、「やる気はあるが、気力と体力が付いていかないほどの疲れ状態」で、結局運転手を頼んで、家庭の事情で8時出発になってしまい、結果として「大桜見物」はキャンセルとなる。遠方の白川の対岸、久木野からでも大桜は、ハッキリと見える。今日は8分咲きとのことだが、いつもよりくすんで見えた。
頭が働かない時は、忘れ物も多いが、今日はまったくない。しか〜し重大な問題が…。
このコースの「危険レベル度」をすっかり忘れていて、里山ハイキングのイメージで緊急セットは「いらないな。」、ヘッドランプ、予備電池も「必要な〜し」の「お気楽ハイキング装備」にしてしまい、唯一、カッパは「これは、絶対」と持ってきた。
さらにトドメは、前回の山行から充電もせずに放置状態だったカメラのバッテリーが最初から切れ、今日は1枚も撮れず…。この山行記録にUPした写真はH19のもので代用しています、うす曇の写真で申し訳ないです。
4年前、このコースの印象は「ワクワクドキドキのアドベンチャーコース」とキャッチコピーが付いていた気がする。
今日は、お互いに逆コースで歩き、出会った場所から林道歩きで戻る、でスタートする。
登り始めの尾根道は「トゲの草木が多い藪」の印象だったが、樹林帯の道は、踏み跡だらけで4年前の印象とまったく違う。これは、この道が超メジャーになったのか、単に放牧の牛が草を食ってしまったか、のいずれかである。
樹林帯を超えると、カヤをかき分けて登ったところが、きれいに刈り込んである。ますます「メジャー化」を予感する。
その刈り込んだ道が、段々尾根筋から離れて行ったので、不審に思い藪に入るとやはり、そこに道があった。結局、あの刈り込んだ道は、別の目的で刈り込んであったのかもしれない。
展望岩を過ぎると、いよいよ第1ピークである。
最初に来た時は、情報もなく、子供3人と来ていて「このピークを突破して、何かアクシデントがあったら引き返せなくなる。」と断念した場所である。
ここに来ると、周囲の風景が険しいものへ一変し、風が変わり、空気が別世界のものとなる。「神聖な場所に来てしまった。」という緊張感が走る。
「ここから先は何があっても知らないよ。」という関門の場所で、ある単独の登山者が、このピーク手前でアキレス腱断絶で歩けなくなり、麓まで這って下った、という壮絶な話を聞いたことがある。でも、この第1ピークの先でなくて、本当によかったと思う。ここを越えていたら、戻れてなかったろう。
今日は、自分も単独なので、エマージェンシーキットを持ってこなかったことと、予備電池一切持って来ていない事を今更ながら後悔する。
4年前、ここを歩いて「エマージェンシーキット」の重要性を痛感したことを、すっかり忘れ、家に置いてきてしまうという大失態。
この第1ピークは、登って来た南斜面以外は、岩の崖になっており、唯一少しだけその崖に土と木が生えている東斜面を大きく巻くことができる。ところが、その岩にやっとはえている木につかまり、朽ちかけたロープに自分の命を託すのは、ちょっと危険すぎる気もするが、まあ、落ちたらタダでは済まない感じで、4年前よりさらに崩壊が進んでいるような気もする。
3カ所ほど木と土が崩壊し、危険な場所をトラバースしながら先へ進む。
ハンデイー機もあるが、携帯で現在地を下に知らせ、捜索の手掛かりになるようにマメに現在地を連絡する。「ここから崖側に落ちたら、絶対に見つからない。」と思い、もしもの時は、捜索範囲を絞れるようにと思って、いちいち報告しているのに「なあ〜に〜、その第1ピークって???、よくわからないけど。」まあ、行ったこともないし、地図も渡していないし、勝手に付けた名前だからわからないのは当然だけど、捜索の手掛かりとして、捜索隊にもし聞かれたら「何か〜あ、○○○ピークって、最後に言ってたような〜。」と言うだけで、捜査範囲はぜんぜん違うものです。
さて、西峰本峰登るルートと周回コースの分岐へ到着。この先は、転落事故多数の場所で、あの残置ザイルに100%体重をかけないと登れない場所もあるし、4年前、木が枯れて、もう、登れないような状態の場所も考えると、単独、さらに4時間で戻りたいことを考えると、今回は周回路コースの方向へ進む。今回も木の枝を握る時は、枝の芽を見ながら、枯れ木か生きている木か、いちいち確認して握った。
西峰直下の尾根には、インパクトのあるクライミング用ヘルメットを被せた看板がある。日ノ尾峠側から登って来た一般登山者に対して「事故多発、ベテランとの同行者以外は、ここから先、立ち入り禁止」という通称「ヘルメットの看板」(今回はヘルメットはなかった)を反対側から通過し頂上へ。ここも木が落ちて、斜面が崩落していて危険な状態になっている。
公開しているので、このルートは、「だれでも通れる道」ではないことお知らせしてしておく。すべてのリスクは自分持ち、自己責任の範囲で行動してください。
難易度からすれば、誰でも歩ける道だが、できれば2名以上のパートナーと8mm30mのロープと初歩的なザイルワークを習得して、この道を歩いた方が安全かと思う。残置ロープの耐久性やコースの危険度を考えると、こんな道が意外と事故が多発しやすいと思う。転落事故が多数報告されているのも事実である。
この後は、急な滑り台のような一直線の道を日ノ尾峠方向へ滑るように下る。
最後のピークには、標識もなくテープだけの分岐がある。踏み跡からすれば、派生した北への尾根道がハッキリとしていて、日ノ尾側の道は、よく見ないとわからない感じ。現在は、ロッククライマーの数が多いのか、縦走の下山道に使われるヤカタガウドへ下る道の方がはっきりしている。
日ノ尾峠へ下る道の途中に6月になるときれいなオオヤマレンゲが咲くらしい。
ここも一直線に下る道で、雨の日は登りも下りもつらいと思う。
日ノ尾峠には、6台もの車があった。しばらくパートナーを待っていると、藪こぎをするような音がするので「???」とそっちの方を見ると野生のサルが3匹いた。
ここから鍋ノ平までの林道歩きが大好きで、充実感と本当に爽やかな風に吹かれて山菜を捜しながら、話しながら歩く楽しさがある。
今回は、たくさんタラの木は見つけたが、芽が全く出ていなかった。
鍋ノ平に着くと「温泉」「食事」「イチゴ」が頭に浮かんだが、その順番だと動線が悪く、「食事」「温泉」「イチゴ」とする。ちなみにイチゴは6パックも買ってしまった。去年までビッシリ詰め込んだ1パック200円だったのに300円と高くなっているが、摘みたてイチゴは、めちゃくちゃうまい。
「どっかでメシを食べよう。」とお気に入りの店を見に行くが、とっころが2時半を過ぎているのに、店は客で溢れ、一度も客の姿を見たことのないような超不人気店でも、今日は駐車場も店内も満杯状態。
3時過ぎから大渋滞の危険性もあるので、そのまま急いで帰ることにする。
3時近くになろうとしているのに、まだ、人々は諦めきれずに一心行の大桜へ向かう車で大渋滞。「ここからだと、あと2時間待ちですよ。」と窓を開けて大きな声で知らせたくなる。一方、逆方向の熊本方面へ帰る車も渋滞が始まっている。
阿蘇は、外輪山に囲まれているために、脱出するには、一番便利な立野が一番最初に渋滞する、その次は俵山トンネル、その2つが渋滞で詰まってしまうと、人々は迂回路を捜して二重の峠、俵山峠、地蔵峠と大回りして峠越えを始める。
今日はすべてのスタートが遅かったため、強烈な渋滞に引っかかるが、まあ、トンネルだけは越えられそうだ。
仮にトンネルを通過できても、その先がさらに動かない。
今日は、食事をキャンセルしたので、帰ってから「高菜メシ、ホルモン、そして『高級馬刺し』」で乾杯する予定なので、馬刺し専門店に寄るには、大渋滞の交差点を通らなければならない、と思ったが、天才的な快適な迂回路を発見し無事帰還。
この季節、こんなすばらしい天気と爽やかな風の中で外に出たくなる気持ちは、だれでも一緒。桜も満開だったが、大きな木の枝一杯に白い花(コブシのような)の木など大桜だけではなく、道の途中に今だけしか見られない素晴らしい風景が広がっていた。
本当にヤマを満喫した1日だった。
追記
根子岳シリーズは
「根子岳 東峰」
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-84846.html
「根子岳 南峰」
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-85836.html
も一緒に見ていただくと、根子岳のイメージが掴みやすいと思います。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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根子岳、お疲れ様でした。
天狗岩っ・・迫力満点ですね〜
4年ぶり(?)で、楽しかったことだけを覚えていて、結構危なかったことをすっかり忘れ 、お気軽ハイキングの準備で登ってしまいました
まあ、今回は本峰をキャンセルしたので、そうでもなかったのですが、天気といい、季節といい最高の1日でした。
こんばんわ、westupさん 。
昔、日ノ尾峠に行った時に日ノ尾峠から根子岳への登山道入り口にも注意書きがあり、登るのを止めた経緯があります。怖いですね〜!!
それにしても一心行の桜は人気ですよね。
うちも2年前に家族で行きましたが、大々渋滞で大音量の音楽がかかってお祭りっぽくて、ちょっとだけ見て帰ったことを思い出しました 。
うちの家族は阿蘇:高森と言えばらくだ山の地鶏ですね。これ外せません・・
根子岳お疲れ様です。
根子岳は下から見ると登山道があるとは思えない山容ですが、やはり怖い場所なのですね。
私も祖母山から阿蘇山に移動途中の国道265号線から見上げてその迫力に圧倒されました。
それから、単独行は何かあった時の準備が大事ですね。
chengfuさん、今晩は
高森には、色々な美味しいものがあるんですね
「一心行の大桜」も年々観光地化して、本音を言うと「興ざめ」の感じがします。地元の人たちが大切に守っていた頃の周囲になればいいのですが。
一番後悔しているのは、台風で大枝が折れる前の「巨大な球形」の大桜を一度も見ていないことです。毎年見に行くことで「今年はいい桜だった。」と見続けるのもいいかな〜と思って、周囲のお祭り騒ぎには目をつぶって行ってました
みなさんに「根子岳は怖い。」という印象を植え付けてしまって申し訳なく思いますが、情報を公開して、それを見て誰か山に行き、事故に遭っては申し訳ないので、可能性のある危険を強調してしまいました。
行ってみると「簡単だな〜。」と感じる人もたくさんいると思います
MATSUさん、今晩は。
以前、日記で「いざという時の必携装備は?」
http://www.yamareco.com/modules/diary/6011-detail-9665
と日記をUPしたところ、MATSUさんからもご自分の日記
http://www.yamareco.com/modules/diary/2340-detail-5353
を紹介していただき、とても参考にさせていただきました 。(その節は、大変お世話になりました
その後、1泊以上の場合は、必ず、簡単な時も「必要装備」としていつも持っているのに、今回の山行では、4年前の楽しい記憶だけが残っており、その他の記憶がなくなっての、この暴挙となってしまいました。
自分の超お気楽の性格を再認識しました
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