南ア 蝙蝠尾根(蝙蝠岳〜塩見岳)


- GPS
- 80:00
- 距離
- 33.1km
- 登り
- 2,251m
- 下り
- 1,795m
コースタイム
10日 二軒小屋4:45/5:10登山口5:30/6:55中電施設/9:10 2216mピーク11:05/11:45水場下降点13:50/14:30徳右衛門岳
11日 徳右衛門岳4:30/6:00森林限界6:20/7:00蝙蝠岳8:10/8:50 2758ピーク9:10/10:40主稜線11:30/12:30塩見岳13:05/14:20塩見小屋
12日 塩見小屋4:30/7:30三伏峠8:30/10:50鳥倉登山口
天候 | 雨!台風! |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
蝙蝠尾根とくに問題なし。徳右衛門岳直下の水場はわかりにくいってかすげー下のほうまで行かないと汲めなかったのですごい疲弊。もしかしたらもっと上で汲めたのかも? 徳右衛門から先はところどころブッシュあり。 |
写真
感想
というわけで今年も夏山に行ってきました。
去年から山を始めた中じーと一緒に。
台風が西日本方面にいたために4日間毎日雨に降られてましたが、一瞬だけ晴れ間があり、その時の眺めが最高すぎて、もうこれだから山はやめらんねーと思いました。
今回は、南アルプスの塩見岳(3000mくらい)からのびている蝙蝠尾根という長い尾根を延々登るという企画。
早朝に家を出て、まず静岡に入る。
昨日も熱海近くまで来てたんだけどなーと思いながら鈍行で行く。
まだこの先いかに修羅場になるかわかってないので、悠々と抹茶オレなど飲んでいる。
1日1本しかないバスで畑薙第一ダムへ昼過ぎに着く。まわりは登山客ばかり。おっさんが9割9分だが、ひとりだけ若いおにーちゃんがいた。たまに同年代に会うとうれしい。
さらに別のバスに乗り換えて林道を1時間ほど揺られ、椹島へ。
椹島から登山口の二軒小屋まで林道歩き。3時間。けっこう長いな。
めがねも曇るぜ。
夕方まで歩いてやっと二軒小屋に着く。
二軒小屋には1泊1万3000円のロッジもあるが、わたしたちは素泊まり3500円の登山小屋へ。
これがまた渋い昔からの山小屋って感じで、すごく俺好みで良かった。
先に着いてた単独のおっちゃんがいる。はじめ無愛想な人に見えたのだが、けっこう話好きで、ご飯をつくりながら山話をする。蝙蝠尾根を登ったことがあるらしいので参考になった。
翌朝は3時半起床。
この日のうちに蝙蝠岳まで登ってテントを張る予定なので、気もはやる。
でも雷も怖かったし、いろいろと不安要素も大きくてドキドキ。
尾根にとりつく。
初めは急な登りで疲れる。休み休み行く。
だいたいにおいて俺たちは休憩のし過ぎで、予定が押してよくない。途中で1時間休憩入れてコーヒー湧かしたりとか。
これが今回痛切な反省を喚起させられることとなった。
途中の徳右衛門岳の直下で水を汲んだのだが、水場が思ったよりも谷の下のほうにあり、ものすごい時間ロスをしたのだ。道はあるんだかないんだかよくわかんないし、っていうかないし、急斜面だし、尾根まではたして帰れるのか?っていうのが不安だった。お約束のように雨も降ってきて、ガスってきてやなかんじ。
あまりに酷い道だったので(だから道じゃねぇんだって)、中じーは水場までたどり着けず、途中でリタイア。
1時間以上かけて水場を往復し、尾根に帰り着いたころにはもうへとへと。
14時過ぎに徳右衛門岳に着く。もう遅いし、天気も悪いのでここでテントを張ることにする。
やがて雷雨となる。テントの中で落ちないことを願いながら、ちぢこまる。
16時くらいには雨も小止みになり、少しまわりの山が見えた。
そういえば昼飯を食っていなかった。さっさと晩飯を食って寝るべ、ということで寝る。
山慣れない中じーはなかなか眠れなかったらしい。そういう俺も眠剤のんで寝てるんだけど。
睡眠不足は翌日に堪える。
3日目朝、今日は小屋泊りの予定。なるべく早く小屋に着きたいと、2時半に起きる。
ヘッドランプを点けて歩き出す。
なんとか朝日が出てくれる。
蝙蝠岳まで300m上がる。
その間に森林限界に達する地点があり、一気にテンションあがる。
でも本当に、南アルプスは最後の最後まで樹林帯に没しているんだな、って思うほど、突然の森林限界。
蝙蝠岳を望む。あと少しに見えるけど、ガレた肩を越えて行くのがけっこう長い。
7時頃、蝙蝠岳に到着。先客がいた。人が来るとは思ってなかったらしく、「すごーい!」と言って山頂から手を振ってくれた。
40代の夫婦だった。これから蝙蝠尾根を下るという。二軒小屋まで下った後、転付峠に上がってテントを張り、翌日は尾根違いの笊ヶ岳に登るという。ありえねータフさ。この人たちに会って、ある意味ブレイクスルーした感あり。
富士山見えまくりです。
陽が射して、ほんとうに最高の時間だった。
中じーも得意そう。
それから塩見岳へ向かう。
次第に雨模様
途中岩尾根の怖い箇所もあったが、スルー。
12時頃、塩見岳着。
なんも見えねーよ
なんか、名峰に登るとなんも見えねーことが多いな。
雨の中、塩見小屋までの下りはガレガレの岩場で難所だった。俺はまあ平気なんだけども、初アルプスの中じーにとっては精神的なショックが大きかったらしく、かなりへこんでいた模様。
やっと小屋に着く。塩見小屋。古くて渋い建物だった。
この日はご褒美ということで、2食付きなのだ。ご飯作らなくていいなんてすごい。
中じーは疲れて寝てしまった。晩飯までの間、僕は同宿のおっちゃんや、小屋のお兄ちゃんと山話で盛り上がる。
10人くらいの泊まり客だったが、夕食は異様に盛り上がり、楽しかった。また晩飯がうまかった。なぜか完全ビーガン食だった。
夕食後、小屋の外にいたら、一瞬の晴れ間があり、塩見岳のカッチョいい姿が見えた。あんな所から下りてきたのか!?と思うほど高かった。写真は撮れなかった。あと、ブロッケン現象も見えたー。
最終日に行程を残してしまったので、バスの時間に間に合わせるにはどうしようかと考えあぐねる。帰り道で温泉に入るという欲望があったため、どうにか鳥倉登山口の朝のバスに間に合わせたかった。
翌朝、3時起床。
朝ご飯のいなり寿司を頬張る。塩見小屋は、関西弁のお兄ちゃんはすごく感じが良くて親切だったが、お姉さんは無愛想で感じが悪かった。
4時半、雨の中デコランプを点けて出発。
しばらく下って、樹林帯の尾根を行く。そんなにアップダウンはない。
道がぬかるんでいて、靴はもうぐちゃぐちゃだ。
7時半頃ようやく三伏峠に着く。
僕はバスに間に合わせようとかなり気合いを入れて歩いていたのだが、中じーはもう気力を奪われてしまって、この時点でバスは諦めた。
コーヒーを湧かす。
そもそも中じーはまだ2回目の登山で、体力的には大丈夫でも、眠れなかったり、岩場が怖かったりして、かなりへこんでいたので、そのフォローができなかったなーと反省。
そうこうしていたら、塩見小屋から後続の人たちに会う。昨晩盛り上がったこともあって、すごく親近の情がわいて、「ひどい天気ですねー」とか話しながら盛り上がる。
愛知から1人で来ていたおっちゃんが、「お湯を分けてくれないか」というのであげて、一緒にコーヒーを飲んで話していたら、彼は蝙蝠岳を往復したかったけど悪天であきらめたとのこと。そいで、これまで登った山の話などをしていたら、僕とものすごく趣味が合うことがわかった。
さらに、鳥倉登山口まで車で来ているので、乗せてくれるという。ラッキー!!鹿塩で温泉に入りたい、と言ったら、「俺も一緒に行こうかな」って。
やっぱこういう出会いが最高。
おっちゃんと3人で下り始める。登山口まで2時間。
途中谷を巻くところが何カ所もあり、つるつる滑る桟橋がかかっていたりして、中じーはまたもやへこんでいたが、おっちゃんが「塩見岳からの岩場を雨の中下ったなら、もうどこでも行けるぞ」と励ましてくれて、気を取り直して最後まで下りを貫徹。
二軒小屋からの長い道のり、よく歩いた。
おっちゃんの車で鹿塩に行くが、今日は日帰り入浴ができないというので、残念だったが、風呂に入りたいという情念のもと、小渋温泉というところまで行って無事入浴。
3日間のドロドロの垢を落とす。気持ちいー。
風呂の中でもおっちゃんと山の話で盛り上がるわたし。
水窪→前黒法師→黒法師→寸又峡の前黒法師→寸又峡 という鬼ルートにいつか行きたいという話で大盛り上がり。こんな人がいるんだなー。
そういえば蝙蝠岳で出会った夫婦が、「南アルプスで会う人は変人が多い」と言っていたなぁ。
松川インターでおっちゃんと別れる。
お腹が空いたのでバス停でご飯を作る。
高速バスで居候の待つ東京へ帰る。
楽しかったー!!!
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