鹿の楽園と馬酔木の群落【能登ヶ峰〜御所平〜ベンケイを縦走】
- GPS
- --:--
- 距離
- 10.9km
- 登り
- 1,125m
- 下り
- 1,124m
コースタイム
- 山行
- 7:02
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 7:58
天候 | 晴れ 稜線の風が心地よい登山日和 【気温】 能登ヶ峰登山口:10℃ 田村川左岸:18℃ 御所平:23℃ ベンケイ:21℃ ベンケイ登山口:25℃ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
往路:新名神・甲賀土山IC→国道1号→猪鼻を左折し県道507号 →黒滝集落 復路:黒滝集落より右折し県道507号→県道9号→鈴鹿スカイライン →東名阪・四日市IC |
コース状況/ 危険箇所等 |
今回のルートは一般道はごく一部で、大半が破線ルート及び バリエーションルートになります。 【登山口〜能登ヶ峰】 能登ヶ峰までは一般道扱いですが、山頂近くは尾根が広がり 曖昧になってきます。下山時は枝尾根へ入り込まないよう 現在地や地形の確認が必要です。 【能登ヶ峰〜P696】 尾根が広がり、馬酔木の群落が現れると鹿の楽園エリアになりますが 徐々に踏み跡が薄くなり、P696辺りは馬酔木の茂みの中に道が消えます。 崖寄りを意識して進みます。 〜気軽な入山は控えて、経験者との同行が賢明でしょう。 地形図やGPSは必携です。 【P969からの下降点〜御所平の稜線】 完全なバリエーションルートの為、参考にはなりません。 【ベンケイ〜登山口】 破線ルート扱いで概ね踏み跡は続きますが、時々伐採地や薮が現れ 踏み跡が曖昧になります。 |
写真
感想
能登ヶ峰から御所平への縦走予定が有るとdさんからのお誘いが。
馬酔木の咲く鹿の楽園は是非歩きたいと思っていた場所だ。
田村川を挟んで対峙する二つの稜線を縦走する機会を得て
二つ返事で当日を迎える。
心配していた天気も好転し、絶好の登山日和になりそうだ。
黒滝公民館で自己紹介を済ませ、目の前の登山口から能登ヶ峰へ向かう。
うす暗い植林の山腹を絡むようにして小さな峠?で尾根に出て、
植林帯を一喘ぎすると明確な尾根筋の平坦地に合流する。
下山時には気付かず直進しそうな場所だ(591m)。
ここで右折して北東へ向かうとやがて尾根が広がり、
二本ほど左へ派生する尾根を見送るが、少し曖昧な地形になるので
下山時は注意が必要だと感じる。右へ延びる尾根を廻り込むように
ゆるく登ると小さなピークに出るとここが能登ヶ峰だった。
枯れた幹に山名プレートがなければ通過しそうな場所だ。
幹に巻かれたテープに従って右折してゆるく下ると、
次第に樹林が途切れて頭上に明るさが溢れてくる。
伸びやかな小ピークを越えると、やがて枯れた笹原の向こうには
馬酔木の群落が広がってくる。
イノシシの堀り起こしを避けながら開放的な馬酔木の台地に出て
ザックを降ろし、行動食を摂ったり馬酔木を眺めたりと思い思いに
休憩だ。
台地の様な馬酔木の群落エリアは実に開放的な光景で、
ザックを背負っていなければ、まるでピクニックに来た気分だ。
馬酔木の途切れた高みへ上がると田村川を隔てて御所平・仙ヶ岳が
望まれる。これから一旦林道へ下って再度御所平まで登り返す計画だ。
つくづく物好きだな〜。
馬酔木の茂みを左から抜けると正面には記録で見た斜面が広がっていた。
「鹿の楽園」中心部だ。
田村川へ崖を落とし、馬酔木の群落から広がる笹原の斜面。
鞍部から登り返し振り返ると、楽園の伸びやかさがよくわかる。
見たかった光景を背にして先へ向かうと、まるで台地の様な稜線から
次第に馬酔木の茂みをぬうようになる。
足元の踏み跡も頼りなく、茂みの中に切り払われた枝先や
古めかしいテープを目印にくねくねと進み、
途中でP696へ寄ったため全く方向感覚が狂ってしまった。
地形図で確認した進行方向・西を強く意識してコースへ復帰し、
しばらくすると再び寛ぎの空間が広がっていた。
能登ヶ峰から馬酔木の群落が点在する稜線を辿る事で、
他の山域では感じられない楽しさともそろそろ別れて下るようだ。
ノーマルな下降点より手前で南へ下り、鹿除けネット沿いの下りが
尽きると杉の植林帯を急降下だ。転がるように200mを一気に下り
田村川林道に降り立つ。
右岸側の稜線を辿った次は、左岸側に対峙する御所平の稜線だ。
200m程先の上流から左岸へ徒渉し、北西方向に降りてきている尾根に
取付いて稜線へ上がるようだ。通称:瀬戸谷左岸尾根と呼ぶらしい。
今回の為に?付けられたロープを頼って急尾根を上がり、
しばらくして谷地形を左へ横切り岩の尾根に乗る。
此処を歩く人が居るのだろうか?、尾根上には浮石が多く慎重に
行動しても小さな落石はたびたびだ。何度「ラクー!」って叫んだろう。
今回のように列が延びるグループ登山は尚更後続に対する配慮が
必要だ。
危険な岩場は尾根下から逃げたりしながら辿る内に岩が消え、
木の根を踏む落ち着いた尾根に変わるが傾斜は相変わらずきついままだ。
やがて鹿除けネットが現れ僅かに傾斜が緩んだので、
手短に食事を摂る事になった。
再びザックを背負うと僅かの登りで林床に緑鮮やかなバイケイソウが
現れ、見覚えの有る御所平の伸びやかな稜線に合流する。
ここまで来ればアップダウンも僅かだ、空も明るく展望も良い。
快適な稜線歩きを楽しもう。
綿向・雨乞に始まり御在所・鎌と連なる主脈を横から眺め、
先程までうろついていた鹿の楽園を目前に望みながら
南鈴鹿の別天地・御所平でしばし寛ぐ。
ここまでくればもう終盤だ、大岩・家老平と続く見所に立ち寄りながら
船石で県境稜線と別れて本日最後のピーク・ベンケイへ向かう。
杉の枯れ枝がクッションになり、足裏に優しい尾根だ。
植林と雑木を分ける尾根芯の踏み跡を辿ると、展望の無い地味な
ピークにベンケイの山名プレートを見つける。
西向き尾根の下りにかかると、雑木が消え杉の植林帯に変わる。
踏み跡は次第に薄れ、P637を過ぎた辺りだろうか、笹原?に張られた
鹿除けネット沿いの藪がうるさくなってくる。
更に靴一足分ほどの道で谷側を絡むように通過するとやがて植林の
急斜面に出る。杉の枯れ枝が堆積した斜面を一気に下ると、
やがて樹間に民家の屋根が見えてきた。「あと僅かだな」と
思ってからが意外に長かった。
やがて道は尾根筋を離れ左斜面に絡むように変わり、鹿除けネットに
沿うように下ると、やっとうす暗い植林の先にまぶしい舗道が現れ
登山口となる「惣王神社」に到着し、下山終了だ。
【鹿の楽園・馬酔木の群落を訪ねるコースは目にする光景とは
違い、なかなか手強い山だった。
特に鹿の楽園を過ぎた辺りからP758にかけては、広い尾根に茂る
灌木と馬酔木の森は先が見通せず、方向感覚を失いそうだったが、
今回はdさんに加え、AACのSさん、A山岳会の方々という、
鈴鹿に精通したメンバーのおかげで安心して魅力に浸ることができた。
さらに独自で開拓されたルートを辿り、御所平、ベンケイへと縦走し
登山口へ戻るという、贅沢で南鈴鹿の魅力に溢れた楽しくも貴重な
山行だった。】
コメント
この記録に関連する登山ルート
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onetotaniさん、こんばんは。
すっかり雪もなくなってしまいましたね。
アセビの巨大群落、迫力あります
鹿の楽園、この甘美な言葉の響きから、一度は行きたいと思っています。
私が考えていたのは、もっと北上して割谷から御所峠へのルートでした。
鈴鹿を知り尽くしている方々の、通のルートは一味違いますね
totokさん 今晩は。
南鈴鹿の開放的な稜線に広がる鹿の楽園と呼ばれる、馬酔木と笹原の台地。
いいタイミングで誘っていただきました。
名前程、気楽に歩ける山ではないと感じましたが
鈴鹿に精通している方々の選んだコースは非常に魅力的でした。
なかなか経験できるコースではないので目一杯楽しんできました。
onetotaniさん
こんばんは
鹿の楽園と聞いて
ワンサカと鹿がいるのかと思いきや
何とも写真を見るとホンワカとした感じですね。馬酔木の群落が対照的な感じで素敵な風景です。
鈴鹿南部は面白そうなところが目白押しみたいで一度は訪れなくては❗
kazu97さん 今日は。
夜の行動が多いので山行中に見かけることは少ないですね。
獣道が交差する斜面には馬酔木が群落を作り、ススキや笹の
草原が広がり、北部や中部では見られない南部鈴鹿の特徴的な
光景は寛ぎを感じます。
機会を作ってお出かけください。
エリアに精通した方との同行は、ありがたいですよね。
自分だけでは、思いつけなかった道を歩いて
新たな発見がありますね。
山頂部の、開放的な眺めが独特ですね。
崩れかかった岩山のイメージが強かった
鈴鹿南部、こんな場所もあるのだなと
拝見させていただきました。
komakiさん 今日は。
今回縁があって「鈴鹿の仙人」と呼ばれるSさんや
このエリアに精通したA山岳会の方々とバリエーションルートを辿って、
二つの稜線を縦走してきました。
南北にもさほど広くない鈴鹿山系ですが、北部・中部とは全く異なる
南部を代表する光景が広がる稜線でした。
以前から是非歩きたかった場所は期待通りで、皆さんと楽しく、
また鈴鹿の魅力を再認識出来た、有意義な一日でした。
追伸:
今度御一緒できる月末頃は、花も多くなっていると思いますので
こちらも楽しみです。
行きたく成るような、素晴らしい描写の、紀行文。
読んでると、忘れないうちに(アセビの開花まで置かずに)
また行きたく成ります。
どうも お疲れさまでした。
dedeppo5さん 楽しい山行をありがとうございました。
南部鈴鹿らしさに溢れた魅力的なコースでしたね。
でも、逆コースで歩くと難易度も上がりそうですが・・・。
また、同行の機会が有りますように。
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