記録ID: 111074
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無雪期ピークハント/縦走
妙高・戸隠・雨飾
焼山(三百名山)
2010年09月19日(日) [日帰り]


- GPS
- --:--
- 距離
- 24.8km
- 登り
- 1,792m
- 下り
- 1,787m
コースタイム
焼山登山口ゲート6:30-8:03林道終点・登山道入口-8:20展望台8:35-9:25大曲
9:35-11:45富士見分岐11:50-13:00焼山頂上14:00-14:50富士見分岐通過-16:45展望台-18:20焼山登山口ゲート着
9:35-11:45富士見分岐11:50-13:00焼山頂上14:00-14:50富士見分岐通過-16:45展望台-18:20焼山登山口ゲート着
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
H2O氏より候補先として祝瓶山やら五葉山などがあがったが、最終的に提案があったのは焼山と青海黒姫山だった。どちらも300名山。本州縦断の旅もよいが300名山もまたいいよね。300名山はイモ山も多いと聞くが、本当のイモ山よりは良いから300名山なのだろう。本当のイモ山なら“300イモ山”に選ばれているはずだ。焼山、翌日続けていった青海黒姫山共にとても素晴らしい山だったのだ。やっぱり名山だ!・・・名前だけのことはあると納得! 直前にH2O氏が原因不明の下痢で体調を崩し、おまけに天気も土曜日は晴れだが、日曜日は曇りのち雨ということでしっくりせずどうしよう?というということだったが「日本の山に雨はつき物です!」といって出かけることとした。思い立ったが吉日ということわざもある。体調も何とか戻り、さ、行きましょう!ということでいつもの通り、富士吉田駅の道の駅24時の待ち合わせとあいなった。10時ころ自宅を出発しいつも通り調布のICから入り、順調に大月JCTを経て富士吉田道の駅には0:15に到着。すぐに出発した。そういえば道の駅の交差点では久々に検問にひっかかった。はい、免許証お願いします・・・・それから僕の顔にはーって息を吹きかけてください、アルコールの検査です。そう警察官に言われても男のカオに息を吹きかけるのは人生これが初めてである。ヘンな気分だ。思い切り警察官のカオに自分の息を吹きかけた。ありがとうございました。クサイ息を吹きかけて御礼を言われたのは初めてである。 気がつくと山が日本海に迫り、その狭い土地の中を道が通っていて、その両側に街村がずっと続いている。家が古く、ちょっとレトロな感じだ。Geisya(芸者)という映画があったが、あれは山陰の寒村が舞台となっていたが、あれも海岸に山が迫った猫の額のような土地に街村が連なっていた。冬の怒涛がその村を食むようにぶつかって散っていた。見ていても寒さを覚え、またその身売りされて芸者にされる村の娘の人生の悲哀がそれに重なって見えたりする。そんな街村を彷彿とさせたのである。焼山の登山口に向かう村のあたりで朝焼けを見る。車を止めて写真を撮る。暑くも寒くもない。さらにまっすぐ山に向かい、途中で帰りによる温泉を横目に見ながらさらに登る。指導標があり、林道をくねくね登っていくと突然というように林道にゲートが。 これはずいぶん、林道を歩かされるな…と思いながら、朝飯を食い、準備をする。ここの高さは660m程度だということだ。 6:30ゲートのどこかに鍵があるかとチエックしたが、それもなく歩き始める。ジグザグの林道を登り高度を稼ぐ。空はうろこ雲…。秋だなぁと思う。やがて三叉路になり、そこに右折するよう指導標がある。指導標は比較的新しい。数年前まで登山が禁止されていた登山道が、地元の青年会により整備されているようだ。やがて道は下りに入り、右側に堰堤への道を分けながら沢沿いに登っていく。目の前に顕著な雑木林の小尾根がおりてきておりそこの末端でまた道は三叉路となる。そしてその三叉路を左に行き目の前の尾根を目指す。台地に乗りそこで、避難小屋がある。人の背くらいの四角いコンクリート製の土管がどかんと無造作に置いてある。その脇から登山道に入る。 8:03だった。天気は涼しい。鳥の声もセミの声もない。ただただ静かだ。登山道はいきなり急な道で「追分」などという表示のあるところをとおる。すぐに平地にはいり展望台。すばらしい焼山の展望が広がっている。まだまだ頂上は向こうの上の方だ。 8:20展望台着。遠くに沢の音が聞こえる。うろこ雲。まさに秋である。8:35発。大曲まで1時間とる。そこからは平らな道を淡々と進む。木々はみな横向きに向いて生えていて改めて雪の多い地域だという事を知る。少し急になってくるが、黙々と登る。 9:25大曲着。そこには道標が建っていて切り開きがある。そして一段と大きくなった焼山が見える。どうして大曲という地名がついたのかはわからない。ハエが飛んでいて暑い。H2O氏とはと言えばいやぁ、来てよかった! 調子がわるかったが、正露丸を飲んで体を治してきてよかった良かった・・と言っている。天気予報が天気が悪いと言っていたのに来てみればこのようにいい天気だ…しかし気象庁は何も謝らない…こんないい商売はない!なんて怒っている(笑)。確かにそういう面はあるよなー。気楽な商売だといったらちょっと怒られるんだろうなぁ。 9:35発。そこからはだんだんと登山道は焼山の中央火口丘に向かって右側にまくように登る。やがて深くえぐれた沢にぶつかる。大谷だ。まずは沢床に降り立つべくロープを使ってガレ場をたどる。下りきるとずいぶんと荒れた沢の沢床だ。しかし方向を示すケルンなどは一切ない。どちらの方向に行ったらいいんだろう。ふと見上げると沢の対岸の木から無惨に切れたロープがぶらり。ありゃ〜、これは台風の濁流にロープが持っていかれたに違いない。さらによく歩き回ってみると沢床にはこれも無惨に切れてしまった縄梯子が泥に埋もれているではないか。ありゃ。H2O氏は先週来た台風に流されてしまったのだという。確かにあの台風は、本州を横切って猛烈な雨をもたらした。あのとき自分は小田原市にいたが、工場前のアスファルトは深さ10cmの濁流となっていた。しかし一般道だ。どこかに付け替えられた道があるはずだ。H2O氏はこの道が登り基調である以上、対岸の上流側に付け替え道があるはずと主張する。確かにその可能性は高いと思い、対岸を見上げつつフミアトを探しに上流に登って行く。しかし対岸の泥ガレはずっと10mほどの高さを維持しながら連続していて這い上がるところがみつからない。2mほどの小滝があって、わずかに草付きが下りてきているところを見つけ、そこを試登してみるが、岩がボロボロで力を入れるとボコッと抜け落ちてしまう。それを見てH2O氏がぶつぶつ言い始める。こりゃあぜ〜んぜんダメだ。ダメダメ絶対だめ。登れたとしても下りがだめだ、戻ろう戻ろう、命あっての物種だ。また来りゃいい、これから下りて、次の山に行こう、今からなら間に合う・・・・とダメな理由を盛んに並べ立てながら下山の秋波を私に送って来る。確かにこのままこの深い沢筋を辿って行ったとしてもあとがヤブ漕ぎになってしまいそれはそれは大変だろう。登山道にはずっと蜘蛛の巣が張っていたし、あまり人が入っていないかもしれない。材料的には不利な状況にも見える。でも「いま、われわれはおり立ったところから上流側に上がってきましたが、そこから下流側に下ったら、対岸に登れるところがあるかも知れないですよ」と言った。私もそこに正規な登路があるともつゆとも思っていなかったが、どこかに草付きがあって、そこから登れる可能性はあるかも知れないと思っていた。 降り立ったところから20mほど下ると、H2O氏が叫んだ。対岸にテープがあるよ、あそこに!さらに数m進むと、そこに対岸の高みから長いロープが垂れ下がってきていることを発見した。あった!先ほどは、ロープが流されていますよ・・・と地元の役所に報告しなければならないですね、なんて話をしていたが、これで「道がなくなってしまっているのでご連絡します」なんて役所に言ったら、ちゃんと見たんですか?!…道は下流側にちゃんとありますよなんて逆に怒られてしまいますね…二人で初めて笑ったのだった。 11:45 富士見分岐についた。ここまで大谷で時間を喰ったあと、もうひとつ浅い谷をロープで渡り、さらに沢状を2か所ほど過ぎると水が流れる沢をしばし登る。(そこは水場となっている)そこから沢を離れてのぼり鞍部に至る少し前に分岐があるという地形になっている。そこから一気にドーム状の焼山の山体をよじ登ることになる。富士見分岐は直進すると笹ヶ峰・金山とある。左折すると泊岩・焼山とある。11:50発。暑い。泊岩に向かって登っていると上から登山者が下りてくる。こんな山に登っている人がいるんだ!?と驚いた。泊岩は自然にできた岩小屋だが、そこにトタン板で蓋をして避難小屋になっている。しかしながらドアは鍵が係っていてあかなかった。小さな窓だけがあいているが、発泡スチロールの箱を裏返して床となっていて、そこに上からぽたぽたと水が垂れている。あまり快適な感じではない。いずれにせよ、このままでは泊まれないと思った。もうひとり上から人が下りてきた。どこからか?と聞いたら杉の沢の方面からだという。そちらからの方が近いのだろうか?朝何時に出たかと聞いたら5;30に出たという。我々より1時間も先に出発しているんだから、ま、このあたりで会ってもおかしくないなと思った。これで2人目。上にいたひとも同じようにそちらの方からという。我々のコースをとるひとはあまり一般的ではないようだ。焼山の頂上火口丘の下りで2人組にであう。この人たちも杉の沢からだという。このあたりで森林限界。白い果実がいっぱいなっている低木がある。H2O氏がシラタマの木だという。博識でよく知っている。シラタマの木はハッカのような味がしてうまい。いくつかを口にしながら登る。頂上のでかい岩が少しずつ近づいてくるが、はーはー言いながら登る。しんどい。やがて、頂上の一角の小火口跡に到着する。ほぼ着いた!と思ったが、よく見るとまだ頂上は上の方でがっかりする。火口を横切り、小火口縁に乗ると逆側にも火口が2つほどぽっこり空いている。火口だらけだ。2つの火口の境目のヘリを頂上へと辿る。やがてそのヘリは鎖場となる。慎重に乗り越すとそこはもう長く続く頂上部とも言うべき場所になるが、まだ尾根状になって本当の頂上まで続いている。2つこぶを乗り越すところでまた登山者に出会う。誰もいないと思っていた山だが意外に300名山狙いで多いのかも知れない。最後の丘を登り切り、頂上へ。 13:00頂上着。火山性ガスのにおい。頂上は細い尾根上だ。一角の岩が最高点のようだ。先に行ってみると三角点があるが、早晩落ちてしまいそうなところに埋まっている。さらに行くとひゅーひゅーガスが噴き出しているところがある。ここから急に山は下ってる。その場所の直前に右に下る道があり、影火打まで続くみちになっている。しかし、その鞍部は恐ろしいほどに低い。記念写真を撮る。午後になって雲が湧いてきており、展望が効かない。ときどき雨飾やら火打の一部が見えるようだけれど、すっきりしない。下山にかかる。さー降りましょうと言って数歩行ったら、急に雲が晴れてきた。H2O氏は、「よほほー!これゃすんばらしいー、たまらん」とまるで美人を街で見かけたようにココロよりの歓声をあげている。突然、そうだ2時まで粘りましょう。きっといい写真が撮れますよ! あれまー!?と思ったものの、ま、あとでその写真をまた頂くことになるのだからお付き合いしましょうということでもう少し頂上に滞在することになった。本当に元気がいいなー、H2Oさん!頼もしい限りです。かったるいコブを超えて、鎖場を下る。日暮れまでに間に合うかどうか。頂上火口丘をフミアトにしたがって下る。わずかな小尾根上にフミアトがあり、それにしたがってまっすぐ下るうちにフミアトが怪しくなってきた。 左にも右にもフミアトがある。ここにも足跡があるのだが、確かではない。右に行ってみたのだが、それも怪しい。H2O氏が左側も見に行ってくれる。「たしかではないのなら戻るべきだ」と言う。確かにその通りだ。自分は疲れ気味でそんなことを考えてもいなかった。フミアトを探してトラバースすればいいくらいに思っていた。さすがだ。H2O氏がそのうちに左にフミアトを見つけてくれた。細い細い、しかし確かな道。これがなければ大ヤブ漕ぎである。泊岩を過ぎ、14;50富士見分岐を過ぎ、さらには2本ほど沢を横切り小さなロープを使った沢をよこぎって、来るときにトラブルをおこした大谷に来る。帰りはどうということはない。注意して下り、登り返してゆるやかになった道をひたすら下る。大曲から16:45展望台着。水を飲む。登山道入り口からは林道を下る。林道の終点近くで陽が暮れ、18:20やっと車についた。さ、待望の温泉だ…。暗い夜道を満足感を乗せて車を滑らせた。 |
感想
・麓から距離があったが、まさに焼山の風情のある火山でした。頂上の三角点はもう少しで下に転がって落ちてしまうのではないかと思いました。
・途中の沢は迷いやすいところですが、ちょっと下ればロープが垂れております。参考にして頂ければと思いました。
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