ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 1124319
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科

今年のシーズンインは八ヶ岳(赤岳) 〜滑落しかけた恐怖の登り降り〜

2017年05月02日(火) [日帰り]
 - 拍手
GPS
--:--
距離
12.0km
登り
1,213m
下り
1,215m

コースタイム

日帰り
山行
8:30
休憩
1:20
合計
9:50
5:05
130
7:15
7:50
98
9:28
9:35
5
9:40
9:41
45
10:26
10:26
109
12:15
12:52
26
13:18
13:18
92
14:50
14:50
5
14:55
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2017年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
美濃戸口から赤岳山荘までの道、かなり悪路なので、車高の高い四駆がベスト。
普通車レベルでは底を擦りそうです。
コース状況/
危険箇所等
日によって刻々変化しますので、ここでは当日の状況を記載。
前日、行者小屋より上部にて20〜30センチの新雪があったという前提です。

【南沢〜行者小屋】
出だしは雪も氷もありませんが、途中から氷。朝はツルツルですが、足場を選べば大丈夫。
途中から雪になりますが、行者小屋まではアイゼンはつけませんでした。

【地蔵尾根】
あまり人が通ってないのか、踏み跡はあまりなし。(前日の雪?の影響もあったかと)
しばらく行くと、中途半端に露出した階段が登場。
ここから尾根に出るまでの間、かなり厳しい。
鎖はほとんど埋まった状態であまり役にたたない。
踏み固められたステップはなく、カチカチになった急斜面をアイゼンとピッケルで慎重に。
ナイフリッジあたりから上はかなり怖い。
しっかりピッケルの石突で体制を確保しながら。
尾根直下では、先行者がピッケルのショベルでステップを刻んでくれたので良かったが、刻まないと進めない。
もちろん、足を滑らせたら一巻の終わり。
下りで使うのはやめた方が良い。

【地蔵の頭〜赤岳山頂】
展望山荘からの登りはアイゼンが良く効くのであまり困難はない。

【文三郎尾根】
山頂からの下り、いきなり厳しい。
前日積もった新雪のため、よけいに困難に。
ここも鎖はほぼ雪に埋まっており、あまり役にたたず。(わずかな箇所で使える)
前日に積もった雪と、その下の凍った層により表層が弱く、キックステップができない。
中岳との分岐までは、下りのほとんどを後ろ向きで、ピッケルのピックを突き刺し体制確保、前爪を蹴り込んで降った。
トラバースは特に注意。
表層の弱層により、ズルっと滑ってしまう。
何回か踏み込んでアイゼンが効く層まで達してから体重をかけた方がよい。
(実際、滑って危うく滑落しかけた)

【行者小屋〜赤岳鉱泉〜北沢】
なんの問題もありません。下山で利用したので、凍結ツルツルはなかったが、朝はツルツルでしょう。
チェーンスパイク等を持って行った方が無難。
その他周辺情報 帰りの温泉は「もみの湯」
今回は車中泊の前泊。
登山前日のスタミナ補給は「ヴィラアフガン」!
しばらくメニューから消えていた「ショルダーベーコン エッグカレー」が復活してました!
これは美味い!
2017年05月01日 18:15撮影 by  iPhone 7, Apple
1
5/1 18:15
今回は車中泊の前泊。
登山前日のスタミナ補給は「ヴィラアフガン」!
しばらくメニューから消えていた「ショルダーベーコン エッグカレー」が復活してました!
これは美味い!
GW期間とは言え、中日の平日なので車はほとんどなし。
2017年05月02日 05:06撮影 by  iPhone 7, Apple
5/2 5:06
GW期間とは言え、中日の平日なので車はほとんどなし。
登りは南沢から。
2017年05月02日 05:13撮影 by  iPhone 7, Apple
1
5/2 5:13
登りは南沢から。
最初は夏道。
2017年05月02日 05:16撮影 by  iPhone 7, Apple
5/2 5:16
最初は夏道。
しばらく行くと凍結。ツルツルです。
チェーンスパイクがあればいいですが、なくても足場を選べは大丈夫です。
2017年05月02日 05:56撮影 by  iPhone 7, Apple
1
5/2 5:56
しばらく行くと凍結。ツルツルです。
チェーンスパイクがあればいいですが、なくても足場を選べは大丈夫です。
その後、完全に雪道。
2017年05月02日 06:46撮影 by  iPhone 7, Apple
2
5/2 6:46
その後、完全に雪道。
大同心・小同心が見えてきた。
2017年05月02日 06:50撮影 by  iPhone 7, Apple
5/2 6:50
大同心・小同心が見えてきた。
赤岳も見えてきました。
2017年05月02日 07:00撮影 by  iPhone 7, Apple
1
5/2 7:00
赤岳も見えてきました。
行者小屋着。
まだ営業はしてませんでした。
(下山時に、行者小屋に向かう歩荷さんとすれ違い)
2017年05月02日 07:20撮影 by  iPhone 7, Apple
1
5/2 7:20
行者小屋着。
まだ営業はしてませんでした。
(下山時に、行者小屋に向かう歩荷さんとすれ違い)
申し分のない天気。
2017年05月02日 07:27撮影 by  NIKON 1 V1, NIKON CORPORATION
3
5/2 7:27
申し分のない天気。
文三郎尾根にするかちょっと考えましたが、地蔵尾根から登ることにしました。
2017年05月02日 07:51撮影 by  iPhone 7, Apple
1
5/2 7:51
文三郎尾根にするかちょっと考えましたが、地蔵尾根から登ることにしました。
先行者の足跡はありましがた、踏み跡はその程度。
2017年05月02日 08:22撮影 by  NIKON 1 V1, NIKON CORPORATION
5/2 8:22
先行者の足跡はありましがた、踏み跡はその程度。
中途半端に露出した階段。
ここからかなり厳しい登りの始まり。
2017年05月02日 08:30撮影 by  NIKON 1 V1, NIKON CORPORATION
5/2 8:30
中途半端に露出した階段。
ここからかなり厳しい登りの始まり。
とりあえず、斜度が緩い場所では撮影は出来ましたが。
2017年05月02日 08:35撮影 by  NIKON 1 V1, NIKON CORPORATION
1
5/2 8:35
とりあえず、斜度が緩い場所では撮影は出来ましたが。
かなりの急斜面です。
ピッケル突き刺して、一歩一歩慎重に。
2017年05月02日 08:45撮影 by  NIKON 1 V1, NIKON CORPORATION
1
5/2 8:45
かなりの急斜面です。
ピッケル突き刺して、一歩一歩慎重に。
はしごも手すりも埋まって役に立ちません。
2017年05月02日 08:49撮影 by  NIKON 1 V1, NIKON CORPORATION
1
5/2 8:49
はしごも手すりも埋まって役に立ちません。
表層は新雪で弱層。左側に滑ったら終わり。
2017年05月02日 08:55撮影 by  NIKON 1 V1, NIKON CORPORATION
1
5/2 8:55
表層は新雪で弱層。左側に滑ったら終わり。
こんな感じ。
2017年05月02日 08:55撮影 by  NIKON 1 V1, NIKON CORPORATION
5/2 8:55
こんな感じ。
お地蔵様。
無事に下山できますように。。。
2017年05月02日 09:06撮影 by  NIKON 1 V1, NIKON CORPORATION
2
5/2 9:06
お地蔵様。
無事に下山できますように。。。
さらに厳しいルートは続きます。
2017年05月02日 09:06撮影 by  NIKON 1 V1, NIKON CORPORATION
1
5/2 9:06
さらに厳しいルートは続きます。
カチカチに凍ってます。
先行者がステップを刻んでくれたおかげで渡れました。
ありがとうございます。
2017年05月02日 09:20撮影 by  NIKON 1 V1, NIKON CORPORATION
2
5/2 9:20
カチカチに凍ってます。
先行者がステップを刻んでくれたおかげで渡れました。
ありがとうございます。
かなりの緊張の連続の中、地蔵の頭についてちょっと安心。
2017年05月02日 09:28撮影 by  NIKON 1 V1, NIKON CORPORATION
5
5/2 9:28
かなりの緊張の連続の中、地蔵の頭についてちょっと安心。
富士山も綺麗に見えました。
風はありますが、強風ほどではない。
2017年05月02日 09:30撮影 by  iPhone 7, Apple
3
5/2 9:30
富士山も綺麗に見えました。
風はありますが、強風ほどではない。
展望荘は営業してます。
2017年05月02日 09:40撮影 by  NIKON 1 V1, NIKON CORPORATION
1
5/2 9:40
展望荘は営業してます。
無事、山頂。
2017年05月02日 10:26撮影 by  iPhone 7, Apple
5
5/2 10:26
無事、山頂。
北アルプスから中央アルプスまで綺麗に見えます。
2017年05月02日 10:31撮影 by  NIKON 1 V1, NIKON CORPORATION
3
5/2 10:31
北アルプスから中央アルプスまで綺麗に見えます。
富士山もくっきり。
そしてこの後、文三郎尾根の下りは写真を撮る余裕は一切ありませんでした。
とにかくめちゃめちゃ怖かった。。。
途中、プチ滑落。(たった数メートルですが)
止めることが出来てよかったが、終わったと思いました。
2017年05月02日 10:31撮影 by  NIKON 1 V1, NIKON CORPORATION
6
5/2 10:31
富士山もくっきり。
そしてこの後、文三郎尾根の下りは写真を撮る余裕は一切ありませんでした。
とにかくめちゃめちゃ怖かった。。。
途中、プチ滑落。(たった数メートルですが)
止めることが出来てよかったが、終わったと思いました。
行者小屋に到着した時の嬉しさったら!
2017年05月02日 12:15撮影 by  iPhone 7, Apple
3
5/2 12:15
行者小屋に到着した時の嬉しさったら!
安心した途端、空腹を覚え、ここで腹ごしらえ。
無事にここまで降りられて良かった。。。
死ぬかと思った。。。
2017年05月02日 12:15撮影 by  iPhone 7, Apple
2
5/2 12:15
安心した途端、空腹を覚え、ここで腹ごしらえ。
無事にここまで降りられて良かった。。。
死ぬかと思った。。。
美しい景色を見ながら、自分の過信を反省。。。
2017年05月02日 12:35撮影 by  NIKON 1 V1, NIKON CORPORATION
1
5/2 12:35
美しい景色を見ながら、自分の過信を反省。。。
アイスキャンディー、まだ使えるんでしょうか。
2017年05月02日 13:19撮影 by  iPhone 7, Apple
5/2 13:19
アイスキャンディー、まだ使えるんでしょうか。
沢の流れが綺麗でした。
2017年05月02日 13:50撮影 by  iPhone 7, Apple
5/2 13:50
沢の流れが綺麗でした。
環境広場からの林道は長い。
2017年05月02日 14:34撮影 by  iPhone 7, Apple
5/2 14:34
環境広場からの林道は長い。
美濃戸山荘に到着。
気温が高かったため、冷たい水が美味しかった!
2017年05月02日 14:54撮影 by  iPhone 7, Apple
2
5/2 14:54
美濃戸山荘に到着。
気温が高かったため、冷たい水が美味しかった!

装備

個人装備
フルの冬装備。<br />残雪期に入ったとは言え 装備はしっかり。

感想

今シーズンの登山開始は赤岳。
以前、12月末の厳冬期に登った経験から、残雪期は問題なかろう。
が、これが所謂「過信」というやつで、今回大いに反省すべきところ。

結論から言えば、こんなに怖い思いした登山は初めて。
厳冬期よりも厳しいかも。(一度の経験しかないので言うのもおこがましいですが)

前日、寒気の影響で、上部にはそれなりの積雪があった模様。
これが状態をより悪くしていました。

地蔵尾根はカチカチの上に10センチ程度の新雪。
鎖や階段は中途半端に顔を出した状態で雪に埋まり役に立たない。
これがまぁ、危ない危ない。

途中まで登って、これはもう引き返せないなと。
とてもじゃないが、下りでここは無理。

展望荘から赤岳に向かう途中、奈良からこられたソロの人とすれ違う。
文三郎尾根が相当やばく、地蔵尾根から降りようかと思っているとのこと。
「下りで地蔵を使うのはやめた方がいいです。」と伝え、一緒に文三郎尾根から降りましょうということに。

前回登った時、文三郎尾根の下りはそんなに怖くなかった記憶が刷り込まれており、かなり舐めてかかってました。
ところが、いざ文三郎尾根に踏み込んでみると、これがもう怖いの厳しいの。
地蔵尾根とどっちもどっちの状態。

前日の積雪が相当やばい状態になっており、足場が不安定。しかも急斜面。
足がすくむも、ここを降りないと帰れない。
斜面の急さと、表層のヤバさで、キックステップが出来ないため、中岳のコルまでの下り、かなりの部分を後ろ向きで、ピッケルのピックを突き刺し、前爪を蹴り込んで一歩一歩慎重に降りて来た。
とにかく緊張の連続。

そんな中の急斜面のトラバース部分。
カチカチの上の新雪。下手に踏み込むとズルりと滑り危険。
と、わかっていたはずなのに。。。慎重に踏み込んでいたのに。。。
足に体重をかけた途端、表層がズルリと滑り、そのままバランスを崩して倒れこむと、そのまま雪と一緒に滑り落ちだした。
瞬間、ピッケルを刺すも、新雪のため深く刺さらず止まらない。
これはやばい!と思うも、頭の中はいろんなことがグルグル。
ものすごい恐怖が襲う。
と、その時。
下方の前方、おそらく数十センチの所に、岩が頭を出しているのに気づく。
とっさに左足を前にだし、その岩にアイゼンをひっかけた。
停止。

実際はほんの2、3メートルだったと思う。
滑落と言うほどのことでもないのかもしれない。
だが、この岩がなかったら、たぶん、そのまま落ちてた。

停止してからもしばらく心臓のバクバクが止まらない。
アドレナリンが急激に出たせいか、ちょっと興奮気味になってるのがわかる。
止まって良かった。。。

中岳との分岐まで来てやっと一息つくも、まだまだ厳しい状態
行者小屋に着いた時の喜びったらもう。。。

厳冬期に登ったことがあるという過信からの登山。
あの時は、奇跡に近い好条件だったのだろう。
やはり、この時期の赤岳は厳しい。
まだまだ未熟な自分を十分振り返ることが出来ました。

下山時に同行していただいた、奈良のNさん。
ありがとうございました。
おかげで、心強かったです。

もう一つ、
地蔵尾根で先行されていた方、ステップを刻んでいただいてありがとうございました。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:1012人

コメント

お疲れ様でした
こんばんわ、奈良のNです。
さきほど帰宅してレコもまだの状態ですが、まずは取り急ぎお礼を。
もし山頂でお会いしないまま地蔵尾根から下っていたらどうなっていただろうと
思うと、感謝してもしきれません笑
あわや滑落のシーンは後ろで見ていた自分も心臓が止まりかけましたが、、
あの緊迫した状況でアイゼンをかけられる岩を確認されたのは本当に凄いと思います。(思い出す度スローモーションで再生され、ぞっとしてしまいます)
ご一緒させてもらえたからこそ無事下りてこられたと思ってます。
本当にありがとうございました!
2017/5/4 3:26
Re: お疲れ様でした
LAAMOさん、コメントをありがとうございます!
返信が遅くなりました。

こちらこそ、ありがとうございました!
あのプチ滑落もどき、もうどっちの足を出したかも記憶が怪しいです。笑
結局、地蔵尾根も文三郎尾根も、どっちもどっちって感じでした。
怖い思いはしましたが、いい経験と捉えてます!
2017/5/5 0:47
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

積雪期ピークハント/縦走 八ヶ岳・蓼科 [2日]
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 八ヶ岳・蓼科 [2日]
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 八ヶ岳・蓼科 [2日]
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら