今年のシーズンインは八ヶ岳(赤岳) 〜滑落しかけた恐怖の登り降り〜
- GPS
- --:--
- 距離
- 12.0km
- 登り
- 1,213m
- 下り
- 1,215m
コースタイム
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2017年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
普通車レベルでは底を擦りそうです。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
日によって刻々変化しますので、ここでは当日の状況を記載。 前日、行者小屋より上部にて20〜30センチの新雪があったという前提です。 【南沢〜行者小屋】 出だしは雪も氷もありませんが、途中から氷。朝はツルツルですが、足場を選べば大丈夫。 途中から雪になりますが、行者小屋まではアイゼンはつけませんでした。 【地蔵尾根】 あまり人が通ってないのか、踏み跡はあまりなし。(前日の雪?の影響もあったかと) しばらく行くと、中途半端に露出した階段が登場。 ここから尾根に出るまでの間、かなり厳しい。 鎖はほとんど埋まった状態であまり役にたたない。 踏み固められたステップはなく、カチカチになった急斜面をアイゼンとピッケルで慎重に。 ナイフリッジあたりから上はかなり怖い。 しっかりピッケルの石突で体制を確保しながら。 尾根直下では、先行者がピッケルのショベルでステップを刻んでくれたので良かったが、刻まないと進めない。 もちろん、足を滑らせたら一巻の終わり。 下りで使うのはやめた方が良い。 【地蔵の頭〜赤岳山頂】 展望山荘からの登りはアイゼンが良く効くのであまり困難はない。 【文三郎尾根】 山頂からの下り、いきなり厳しい。 前日積もった新雪のため、よけいに困難に。 ここも鎖はほぼ雪に埋まっており、あまり役にたたず。(わずかな箇所で使える) 前日に積もった雪と、その下の凍った層により表層が弱く、キックステップができない。 中岳との分岐までは、下りのほとんどを後ろ向きで、ピッケルのピックを突き刺し体制確保、前爪を蹴り込んで降った。 トラバースは特に注意。 表層の弱層により、ズルっと滑ってしまう。 何回か踏み込んでアイゼンが効く層まで達してから体重をかけた方がよい。 (実際、滑って危うく滑落しかけた) 【行者小屋〜赤岳鉱泉〜北沢】 なんの問題もありません。下山で利用したので、凍結ツルツルはなかったが、朝はツルツルでしょう。 チェーンスパイク等を持って行った方が無難。 |
その他周辺情報 | 帰りの温泉は「もみの湯」 |
写真
装備
個人装備 |
フルの冬装備。<br />残雪期に入ったとは言え
装備はしっかり。
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感想
今シーズンの登山開始は赤岳。
以前、12月末の厳冬期に登った経験から、残雪期は問題なかろう。
が、これが所謂「過信」というやつで、今回大いに反省すべきところ。
結論から言えば、こんなに怖い思いした登山は初めて。
厳冬期よりも厳しいかも。(一度の経験しかないので言うのもおこがましいですが)
前日、寒気の影響で、上部にはそれなりの積雪があった模様。
これが状態をより悪くしていました。
地蔵尾根はカチカチの上に10センチ程度の新雪。
鎖や階段は中途半端に顔を出した状態で雪に埋まり役に立たない。
これがまぁ、危ない危ない。
途中まで登って、これはもう引き返せないなと。
とてもじゃないが、下りでここは無理。
展望荘から赤岳に向かう途中、奈良からこられたソロの人とすれ違う。
文三郎尾根が相当やばく、地蔵尾根から降りようかと思っているとのこと。
「下りで地蔵を使うのはやめた方がいいです。」と伝え、一緒に文三郎尾根から降りましょうということに。
前回登った時、文三郎尾根の下りはそんなに怖くなかった記憶が刷り込まれており、かなり舐めてかかってました。
ところが、いざ文三郎尾根に踏み込んでみると、これがもう怖いの厳しいの。
地蔵尾根とどっちもどっちの状態。
前日の積雪が相当やばい状態になっており、足場が不安定。しかも急斜面。
足がすくむも、ここを降りないと帰れない。
斜面の急さと、表層のヤバさで、キックステップが出来ないため、中岳のコルまでの下り、かなりの部分を後ろ向きで、ピッケルのピックを突き刺し、前爪を蹴り込んで一歩一歩慎重に降りて来た。
とにかく緊張の連続。
そんな中の急斜面のトラバース部分。
カチカチの上の新雪。下手に踏み込むとズルりと滑り危険。
と、わかっていたはずなのに。。。慎重に踏み込んでいたのに。。。
足に体重をかけた途端、表層がズルリと滑り、そのままバランスを崩して倒れこむと、そのまま雪と一緒に滑り落ちだした。
瞬間、ピッケルを刺すも、新雪のため深く刺さらず止まらない。
これはやばい!と思うも、頭の中はいろんなことがグルグル。
ものすごい恐怖が襲う。
と、その時。
下方の前方、おそらく数十センチの所に、岩が頭を出しているのに気づく。
とっさに左足を前にだし、その岩にアイゼンをひっかけた。
停止。
実際はほんの2、3メートルだったと思う。
滑落と言うほどのことでもないのかもしれない。
だが、この岩がなかったら、たぶん、そのまま落ちてた。
停止してからもしばらく心臓のバクバクが止まらない。
アドレナリンが急激に出たせいか、ちょっと興奮気味になってるのがわかる。
止まって良かった。。。
中岳との分岐まで来てやっと一息つくも、まだまだ厳しい状態
行者小屋に着いた時の喜びったらもう。。。
厳冬期に登ったことがあるという過信からの登山。
あの時は、奇跡に近い好条件だったのだろう。
やはり、この時期の赤岳は厳しい。
まだまだ未熟な自分を十分振り返ることが出来ました。
下山時に同行していただいた、奈良のNさん。
ありがとうございました。
おかげで、心強かったです。
もう一つ、
地蔵尾根で先行されていた方、ステップを刻んでいただいてありがとうございました。
こんばんわ、奈良のNです。
さきほど帰宅してレコもまだの状態ですが、まずは取り急ぎお礼を。
もし山頂でお会いしないまま地蔵尾根から下っていたらどうなっていただろうと
思うと、感謝してもしきれません笑
あわや滑落のシーンは後ろで見ていた自分も心臓が止まりかけましたが、、
あの緊迫した状況でアイゼンをかけられる岩を確認されたのは本当に凄いと思います。(思い出す度スローモーションで再生され、ぞっとしてしまいます)
ご一緒させてもらえたからこそ無事下りてこられたと思ってます。
本当にありがとうございました!
LAAMOさん、コメントをありがとうございます!
返信が遅くなりました。
こちらこそ、ありがとうございました!
あのプチ滑落もどき、もうどっちの足を出したかも記憶が怪しいです。笑
結局、地蔵尾根も文三郎尾根も、どっちもどっちって感じでした。
怖い思いはしましたが、いい経験と捉えてます!
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