駒ヶ岳
- GPS
- --:--
- 距離
- 9.8km
- 登り
- 654m
- 下り
- 653m
コースタイム
※足が普通の人より遅いのでコースタイムは参考になりません。
天候 | 快晴。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
木地山BSの側には2,3台の駐車スペースあり。 BS前には案内図と立派なトイレの建物がある。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所は特になし。 池原山登山口から池原山まで尾根上の踏み跡をテープを頼りに登る。 杉の落ち葉が多い部分は踏み跡がほとんどわからない。 池原山山頂付近はなだらかなので、池原山から下る場合、 尾根に入るまでがテープもほとんどなくてわかりににくいだろう。 池原山から下ると地図にない作業道がすぐにあらわれるが道標などはない。 作業道を左に見送って県境尾根に直登するところは見落とさないよう注意が必要。 県境尾根では明神谷へ下る分岐を過ぎて作業道が現れるところで、 稜線から外れて作業道をそのまま進みやすい。 右側(稜線側)の地面を丁寧に見るとかすかな踏み跡が稜線の方へ続いている。 木の階段跡やテープが現れるのでルートが間違いないことが確認できる。 下山に使った尾根も踏み跡程度でテープがたより。 焼尾谷へ降り立ったあと「高島トレイルマップ」どおりに 木地山BSの対岸の畑の裏手に出たが、テープも道標も突然なくなる。 畑の中を通れば橋を渡れるようだが、鹿?除けの扉があって開かなかった。 畑の脇に出て川を覗き込むと少し上流側に、生活用の丸木橋が渡してあるのが 見えたので杉林の急斜面を強引にトラバースして丸木橋のたもとに出ることができた。 帰ってからネットでいろいろ見ていると、下流にある「ろくろ橋」の袂から 左岸の踏み跡をたどって焼尾谷へ入るようであるが、下ってきた時はそんな 踏み跡はなかったのだが…杉の落ち葉で埋もれていたのかもしれない。 池原山登山口に登山ポストはなし。木地山BSの登山ポストの有無は確認しなかった。 |
写真
感想
風薫る5月。
森林逍遥派を自称する(笑)僕にとって、この時期に新緑のブナの森を歩くことは
神聖な年中行事だ。前夜の天気予報によると明日は快晴だという。
新緑の期間はそんなには長くない。どの山を歩くか散々悩んだ結果、
湖西のとても静かな山間の村、朽木から登る駒ヶ岳(780m)を選んだ。
駒ヶ岳は今から8年程前、和歌山在住当時に出ていた数少ないガイドブックで
稜線に豊かなブナの森が続くと小さく紹介されていて、それからずっと気に
なっていた山だ。最近では滋賀・福井県境に50キロに渡って続く尾根は
「中央分水嶺高島トレイル」として注目を集めるようになっているが、
全国的には圧倒的にマイナーな山だ。
<コース:足谷口BS→池原山→池原山分岐→駒ヶ越→駒ヶ岳→ブナノ木平→木地山BS→足谷口BS>
4時起床。朝マックを齧りながら、名神道・北陸道を走り、琵琶湖の北を回って
登山口のある安曇川の支流、麻生川沿いの足谷口BSに8時前に着いた。
ネットで得られる情報がわずかで車をとめる場所が心配だったが、
道路改良工事のおかげで、BSの手前に数台の駐車スペースができていた。
釣り人の車が2台とまっていたので僕もその横に車をとめた。
天気は予報通り快晴。
BSのすぐ近くの尾根末端にある登山口の標識の横から尾根にとりつく(8:20)。
杉の植林帯の急坂に杉の落ち葉が大量にあって踏み跡がほとんどわからない。
テープを頼りに尾根を直登していく。ぐんぐんと高度を上げていくと
尾根の右側に広葉樹も出てくる。
相変わらず続く杉の植林帯の中にユズリハの木が気持ち悪いほど出てくると
ほどなく杉林を抜ける。尾根が広がり、背の高い豊かなブナの森に変わると、
なだからな池原山に着いた。山頂手前はテープがほとんどないので、
このルートを下りに使う場合、尾根に入るまでがとてもわかりにくいだろう。
ブナの木洩れ日にしばしまどろんでからテープを頼りに東に進む。
尾根の左側(北側)の杉林を斜めに下っていくと突然地図にない林道(作業道)が
現れた。標識は何もないが持参した「中央分水嶺高島トレイル詳細マップ」
によると「作業道を歩く」とだけ書かれているので、これを信じて尾根上に
つけられた作業道を進む。
作業道が2度ほどヘアピン状に折りたたまれるなどルートがわかりにくいが、
作業道と杉林の尾根道を交互に進む。標識はないが作業道を左に見送って
尾根道に入る。僅かに登ると傾斜が落ちて杉の植林と雑木林に覆われた
広い県境尾根に出た。
高島トレイルマップには琵琶湖の展望があると書かれているが、あいにくの逆光、
快晴だが真っ白にもやっているので遠望は利きそうになく、雑木林の向こうに
琵琶湖が見えてるんだなあと感じられるだけだ。展望はないがとても静かな山稜
でこれから現れてくる新緑のブナの森に期待が膨らむ。
県境尾根を左に折れて杉林を西に進むと、北側右後方に明神谷(河内川)に下る
分岐を示す標識が現れた。地図にはないルートだ。県境尾根はここから広葉樹
の森が多くなる。GWに登った山はまだまだ芽吹きの段階だったが、落葉樹は
今やまばゆいばかりの緑をまとっている。
県境尾根に続く山道はいつの間にか作業道(林道)のように広くなってきた。
作業道は尾根の左(南)側をトラバースしているようなので、これはおかしいと思い、
作業道を戻りながら、尾根側の地面を注意深く見ていくと、ほんのかすかな
踏み跡が右手の尾根に向かって続いた。標識などはまったくないのでもう少しで
見落として、新緑の森に続くルートを損するところだった。
豊かな新緑の森を進むと広い尾根のくぼみにある大きな池に出た。
野鳥のさえずりしか聞こえない緑に囲まれた静かな池でゆっくりとしたいところだ。
池を離れて尾根に戻るといよいよ新緑のブナの大回廊が始まった。
登山口からここまでまだ誰にも出会っておらず、この素晴らしい山稜を
ひとり占めだ。
木地山から焼尾東谷を登ってくるルートの分岐を過ぎるとブナの巨木群が現れる。
僕は何度も足をとめては木洩れ日が美しい静かなブナの森の中に身を置いた。
昔、峠があったという駒ヶ越を過ぎて、若狭側の森林公園に下る分岐を左に
折れて、最後の緩かな坂を登る。平坦な山頂部に出ると池河内越の分岐があり、
その先に山頂があった(11:40)。
誰もいない静かな山頂をひとり占めする予定だったが、20人ほどの団体の先客が
いて静寂な山稜は一気に吹き飛んでしまった。しかたなく、団体さんのすぐそば
の広葉樹の下に陣取りお昼にした。20人ほどの団体が出発すると今度は50人ほど
の団体がやってきて山頂はますますのにぎわいとなった。幸運にも50分ほどで
この団体さんもいなくなり、山稜は静寂を取り戻したのでやっとひとりきりの
山頂を楽しむことができた。
山頂は東側が伐採されたのか開けていて、初めてその山容を見る三十三間山、
三重嶽、武奈ヶ岳がずらりと並んでいた。
記念撮影を済ませてから山頂を後にして県境稜線を西に向かう(13:10)。
相変わらずブナをはじめとする落葉広葉樹の新緑がまぶしい。
樹間からは小浜湾や久須夜ヶ岳も見える。
杉林の中の「木地山中小屋2.7K」の標識がある分岐点で左に折れて県境尾根を
離れる。
交互に現れる杉林や広葉樹の森の中の急坂を下っていくと正面に百里ヶ岳(931m)
を見上げるところがあった。百里ヶ岳には7年前に新緑の百里新道から登ったが、
落葉樹の稜線が美しく、登山口近くで青色のギンリョウソウ?を見つけた
懐かしい山だ。
尾根の右側にいつの間にか作業道が現れるがそのまま稜線上の杉林の中に続く
踏み跡を拾っていく。「中小屋」を示す標識に従って作業道と離れて左に下って
いくと素晴らしいブナの森が広がっていた。ブナノ木平と呼ばれるているところ
だろうか。
かすかな踏み跡とテープを頼りに急坂を下っていくと突然沢音が聞こえてきて
杉林の尾根を挟んで2本の穏やかな流れの沢が見えてきた。どうやら焼尾東谷と
西谷らしい。急坂がまだまだ続くと思っていたのに突然の終わりで拍子抜け
してしまった。
上流に新しく付け替えられた丸木橋を渡って、沢沿いに少し歩くと木地山BSに
出られると思われる丸木橋が再び沢にかかっている。沢沿いにまっすぐ進む
踏み跡はないようなので高島トレイルマップどおり、丸木橋を渡って木地山BS
の対岸にある畑の裏に出たが、途中でテープも標識もなくなり、麻生川を渡る
ルートというか橋が見当たらない。畑の脇から麻生川を覗き込むと少し上流に
生活用と思われる丸木橋が渡してあるのを見つけた。踏み跡もない斜めになった
杉林の山腹を強引にトラバースするとなんとか丸木橋のたもとに出ることができた。
細い丸木橋を慎重に渡ると木地山BSの直ぐ西側であった(14:45)。
バスの時間まで2時間弱もあるので県道23号をとぼとぼと歩き始めた。
右にアトリエが現れるとすぐ橋がある。橋の名前を見ると「ろくろ橋」であった。
(帰宅してからネットで調べ得るとこの「ろくろ橋」のたもとから麻生川の左岸
の踏み跡をたどっていくルートがあるらしく、木地山BSからすぐ対岸に渡るに
は対岸の畑の鹿よけネットを開けてもらわないとだめらしい。)
麻生川の流れを眺めながら40分ほど歩くと登山口の足谷口BSに戻った(15:20)。
帰り仕度をしていると山頂にいた団体さんが下りてきてほどなくバスで帰って
いった。
今日は50歳となって2日目。静かな新緑のブナの大回廊を楽しむことができて
素晴らしい1日となった。満ち足りた思いに浸りながら、大好きな湖西・高島
の山村と田園地帯を走り抜けて家路に着いた。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
1986marilynさん、はじめまして。
私のような言葉足らずの山行記録に拍手いただき有難うございました。
新緑のブナ林、いいですねー。最近、雪山ばかりで天候にも恵まれずモノクロの風景しか見ていないものですから、鮮やかな新緑の写真に見とれてしまいました。
感想文も素晴らしいです。勉強させていただきます
山行記録、感想文お読みいただいたうえにおほめの言葉までいただきありがとうございます。
今年もまた新緑の季節がまもなくやってきますね。
僕は仕事が忙しいので山へ行けそうにありません。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する