風雨の白馬岳敗退+負傷者搬送のお手伝いで大雪渓1.5往復(行こう!歯科健診登山部)
- GPS
- 10:07
- 距離
- 19.8km
- 登り
- 2,048m
- 下り
- 2,052m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
---|---|
アクセス |
感想
白馬岳敗退。
目当てだった大雪渓は登れたので良しとします。
負傷者救護のお手伝いをしてきました。
パトロールの男性と女性医師の方、不慣れな私に適切な指示を下さりありがとうございました。
少しでも助けになったのであれば幸いです。
☆
下山時、大雪渓の3号雪渓との出合付近で足を負傷し動けなくなっている負傷者を発見。救助を要請するか尋ねた所「お願いします」との事で白馬尻小屋に通報。
(雪渓内では手持ちのiPhoneは通じませんでした)
他の登山者からも通報があったとの事で、2人パトロールの方が登っていったと聞き、そのまま下山しようと思ったのですが
>負傷者1人に対してパトロール2人で足りるのか?
※以前谷川岳で同じような状況があり、負傷者1人に対しソリに載っけて4〜5人がついて、雪道をようやく降ろしていたのを見たので...
>通報した以上、ちゃんと見届けないと気になる。
という理由から、登り返して現場に戻りました。
「いやあ、別に手伝いは不要です」
と言われればそれでよし。
何か手伝えることがあれば、微力ながらお手伝いさせて頂ければと考えたのです。
現場についた所、パトロールの方は屈強な男性一人、小柄な女性医師一人。
医師がいるなら歯科医師は不要かな、と思ったのですが一応
「何かお手伝いできることはありますか?」
と尋ねた所、
>負傷者は脇を抱えればなんとか歩ける。
>雨の大雪渓、負傷者をおんぶして降りるのはかなりリスクが高い。
>長時間雨に打たれて、低体温症になりかかっているので、歩いてもらったほうが体温の低下を防げる。おんぶすると体が動かせないので、ますます体が冷える。
>脇を抱えて歩いてもらうので、手伝ってくれると助かる。
との事。
私の能力で可能なことなら!と、手伝いを申し出ました。
私とパトロールの男性とで負傷者の脇を抱えて、私のトレッキングボールを負傷者に持ってもらい、歩いて降りてもらう事になりました。
その間、パトロールの男性の指示で女性医師には周囲の落石を警戒して頂きました。
負傷者の足からは、靴(スニーカーでした...)越しに雪面が赤くなる位に出血がありました。
恐らく開放骨折(折れた骨が皮膚を突き破っている状態)だろうと思いましたが、女性医師は何も言わないので「多分、言ってもこの場で手当ができる道具もないし、ショックを与えても仕方が無い。歩ける限りは歩いてもらうしかないのだし」ということなのだろうと判断、私も負傷者には出血のことは言わず黙っていました。
※膝下は腓骨、脛骨の2本の骨があります。一方が折れてももう一方が残っていれば取り敢えず歩ける...のかな?それとも足首より先の骨?
ともかく、脇を抱えれば歩けてました。どこが折れていたかは確認していませんが...
解剖学の実習を真面目にやっておけばよかった。(歯医者でも全身の事を一通り勉強するのです)
この日におろしたペツルのサルケンは、雨に濡れた雪渓でもしっかりと雪面を捉え、大雪渓と三号雪渓の出会いから大雪渓の末端までの1キロ弱、負傷者を支えるのに充分な性能を発揮してくれました。チェーンスパイクだったらこうはいかなかったでしょう。
負傷者は足の痛みは無いとのことでしたが、雨に打たれて体力を消耗しているのか、時折休みながらゆっくりと大雪渓を降っていきました。
一箇所、30センチ程のクレバスを超える場面がありましたが、パトロールの男性と私がまずクレバスを跨ぎ、負傷者を抱え上げるようにして超えることが出来ました。
大雪渓の末端で登ってきたパトロールの方にバトンタッチして貰い、最後に白馬尻小屋に負傷者を迎える事ができた時はホッとしました。
☆
私が手伝わなくても、いずれはパトロールの方や長野県警山岳警備隊の方(白馬尻から猿倉に降りる時すれ違いました。)がなんとかしてくれたとは思いますが、負傷者の方を少しでも早く温かく、安全な場所に移すお手伝いができたのは良かったです。
私自信も、事故を起こさないように気をつけなければ...
皆様も安全登山を!
コメント
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もし、私が同じ場面に立ち会ったらwakodentalさんと同じ行動が取れるか全く自信がありません。
本当に頭が下がります。
負傷者の1日も早い回復とwakodentalさんが次に白馬岳を訪れる際、快晴である事を陰ながら祈念させて頂きます。
早めの撤退で体力が残っていたので「お手伝いしようかな…」という気力がわきました。
山頂まで登った後の帰りだったら、私も手伝ったかどうか自信がないです^^;
>負傷者の一日も早い回復〜
そうですね。かなりのベテランの方のようだったので、また山に戻って欲しいと思います。
次回の白馬岳登山は、きっと良い日和に成りますようにお祈り致します。
私くしも来月13日から白馬三山の縦走を計画して居ます。私くしに、取っては未知領域ですが、焦らず、ゆっくり、安全、縦走したいと思います。
wakodental さん、本当にお疲れ様でした。
>私くしも来月13日から白馬三山の縦走を計画して居ます。私くしに、取っては未知領域ですが、焦らず、ゆっくり、安全、縦走したいと思います。
ある程度のリスクを許容するのが登山ですが「どこまでのリスクなら許容するか」というのは難しい問題です。今回の大雪渓は、雨の時は落石等のリスクが増すので、あまり良いことではなかったのかもしれません。
白馬周辺には3回(2016年9月 大雨で後立山縦走の予定が白馬岳のみで撤退、2017年3月 栂池〜白馬を狙うも強風で撤退、今回も風雨で撤退)来ていますが、あまり天候にはめぐまれません…
お気をつけて。
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