マッカリヌプリの神に迎え入れられた新雪の後方羊蹄山(しりべしやま)


- GPS
- 06:35
- 距離
- 11.5km
- 登り
- 1,545m
- 下り
- 1,545m
コースタイム
天候 | 曇ときどき晴ときどき小雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
飛行機
成田空港09:15(バニラエアJW907) 新千歳空港11:00 レンタカー移動 (ニセコ泊) ―当日― レンタカー移動 (洞爺湖泊) ―翌日― レンタカー移動 函館空港15:05(バニラエアJW954) 成田空港16:45 |
写真
感想
10/14-16で昨年7月に時間がなくて登れなかった(↓)羊蹄山に登る企画に参加した。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-918572.html
その時は向かい側のニセコアンヌプリから羊蹄山を遥拝したのだが、この羊蹄山は正確には後方羊蹄山(しりべしやま)であり、アイヌ語ではマッカリヌプリというとのことで、マッカリヌプリと呼んだ方が北海道の名峰という感じがする。
国内線では初めてLCCを利用したのだが、成田空港まで行く手間さえ我慢すれば予約した6月の時点で新千歳空港まで7000円程度だった。
今回羊蹄山は山頂付近が雪の可能性が出てきていて軽アイゼンを持っていくか迷ったが、飛行機の場合アイゼンは預け荷物になる。
LCCの場合預け荷物があると金額がアップしてくるため他のメンバーは持って行かないとのことで、もしアイゼンが必要な感じだったら引き返すというスタンスで行くことになった。
初日の14日、秋雨前線の停滞する関東〜南東北を抜けると雲が切れ、飛行機の窓からは八郎潟の東側の森吉山〜八幡平あたりが妙に赤くなっているのが見えてきた。
最初は光の加減かなと思っていたのだが、よく見るとそれは東北の山々がちょうど紅葉の最盛期を迎えている姿だった。
十和田湖上空まで来ると雲がなくなり、十和田湖の周囲の山々が赤く染まっているのをはっきりと見ることができた。
津軽海峡を越えると渡島半島の先端に小さく函館山が見え、その近くに明後日に登る予定の北海道駒ヶ岳の2つのピークが尖っているのが見える。
いよいよ北海道に来たという感動的な瞬間である。
そして洞爺湖の向こうに羊蹄山が現れたのだが、案の定山頂部は雪で白くなっているようだった。
この日はサッポロビール博物館や小樽の観光をした後ニセコに宿泊。
そして翌日15日はいよいよ羊蹄山の登山の日だ。
前日夕方から降り始めた雨は止んでいたが、宿から見える羊蹄山の山頂は雲から出たり入ったりという状況だった。
ただ天気は良くなる方向のようなので、登っているうちによくなっていくことを祈るしかない。
比羅夫コース(倶知安コース)の登山口に到着すると羊蹄山の山頂が見えたのだが、思ったより白くなっているようで、これは山頂まで行けないかもしれないと思う。
登り始めは色付いたエゾイタヤで黄色く染まった道を行く。
他の登山者とは全然すれ違わず、6合目を過ぎた頃になると山頂方向から下りてきた人と数人すれ違う。
その内のひとりに話を聞いてみると、8合目より上は完全に雪が積もっていて夏装備では無理そうだったので引き返して来たとのことだった。
これはいよいよ山頂は絶望的かなと思っていたのだが、雪が現れてもそれは昨日降ったばかりの新雪なのだろう、凍ってはいないので滑ることはなさそうだった。
積雪も深くないので、アイゼンなしでもなんとかなりそうな感じで、他のメンバー曰く「引き返す決定的な理由がなかった」ので進んでいった。
周囲は雪景色なのに、向かいのニセコアンヌプリや下界の平野に雪がないのが不思議な感じがする。
9合目に至ると樹林帯から出て周囲はハイマツ帯に。
ハイマツには樹氷がびっしりとついている。
ここで風が強かったら装備的に厳しかったかもしれないが、後方羊蹄山(しりべしやま)―マッカリヌプリの神は我々を迎え入れてくれたようで、ときおり陽が射すほどに天気が好転してきた。
陽に照らされて樹氷の間から見えるマッカリヌプリは神々しく白く光っていた。
この幻想的な景色を見てしまったからだろうか、ただ無心に山頂へと引き込まれていくように進んでいった。
火口壁まで到着し、そこから山頂までは火口壁を歩くことになる。
ナイフリッジのようになっているとさすがにつぼ足で歩いていくのは危険かなと思っていたのだが、火口壁は思っていたよりもなだらかだったので、つぼ足で歩いて行くことができた。
ときおり雲に覆われ風が吹くと猛烈な寒さに襲われたが、全体的には天候が安定していたので山頂までたどり着くことができた。
雲が多かったので遠望は利かなかったが、目の前に広がる雪化粧された中央火口である父釜はとても美しく、この時期に登ってきてよかったなと思う。
今回は運よくアイゼンなしでも危険なく登山ができたことに感謝し、やはりこの時期の北海道の登山は軽アイゼンは必須であることは痛感した。
下りは行きに比べてスピードが出るので、あの雪景色が嘘であったかのようにあっという間にエゾイタヤの黄色い世界に戻っていた。
その夜は洞爺湖温泉に宿泊。
温泉に浸かると、寒風に曝された顔がピリピリとする。
翌日16日は北海道駒ヶ岳に登る予定だったが、洞爺湖温泉から登山口までかなり時間がかかり、山頂まで登る時間がなくなってしまった。
LCCのお陰で金銭的にも近くなった北海道なので、北海道駒ヶ岳にはまた近々登りに来ようと思った。
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